資産形成

FIRE民のポートフォリオに金は必要か?2026年1月の調整・下落局面で見えた現実

2026年1月、世界の金融市場は年初から揺れました。安全資産とされてきた金や銀が急落し、多くの投資家が戸惑ったはずです。FIRE(経済的自立と早期リタイア)を目指す人、あるいはすでにFIRE達成後の人にとって、ポートフォリオの守り方を改めて考えるきっかけの一つになったのではないでしょうか。

本記事では、2026年1月の調整・下落局面を振り返りながら、FIRE民のポートフォリオに金は本当に必要なのかを考えていきます。


2026年1月の調整・下落局面で何が起きたのか

株式市場の混乱

2026年1月、米国市場ではトランプ政権の関税政策再燃や地政学リスクの高まりが重なり、S&P500は短期間で2%超の急落を記録しました。
日本市場でも円高と輸出関連株の売りが進み、日経平均株価は1月下旬に大幅安となりました。

背景には以下の要因が重なっています。

  • 米国の次期FRB議長にタカ派とされるケビン・ウォーシュ氏が指名されたこと
  • ドル高の急進
  • 高値圏にあったテクノロジー株からの資金引き揚げ

2025年の好調相場の反動もあり、市場は一気にリスクオフに傾きました。


金と銀も暴落したという現実

金・銀価格の急変動

今回特徴的だったのは、金と銀も大きく下落した点です。

  • 金:ピーク時5,600ドル超 → 一時5,000ドル割れ(約8〜12%下落)
  • 銀:120ドル超 → 80〜90ドル台(約17〜36%下落)

主因は、ドル急騰による金価格の押し下げと、短期的な利益確定売りの連鎖でした。
金は下がらないというイメージを持っていた人ほど、違和感を覚えたかもしれません。

ちなみにこうした下落局面で重要なのは、資産配分そのものだけでなく、どう行動するかという視点。以下記事もご参照ください。


暴落時の資産別パフォーマンス比較

2026年1月の動きを整理すると、各資産の性格の違いがはっきり見えてきます。

資産クラス変動率(ピーク→ボトム)回復傾向FIRE民から見た意味
株式(S&P500)約-20%緩やか成長力は高いが暴落耐性は低い
債券(米国債)約-5%比較的安定金利上昇局面では防御力が弱まる
約-10%比較的早い株式よりマイルドな値動き
約-30%工業需要で反発ボラティリティは高いが成長余地あり

この表から読み取れるのは、どの資産も下落を免れなかったという事実と同時に、下落の質がまったく異なるという点です。
株式は最も大きな成長力を持つ一方で、リスクオフ局面では真っ先に売られ、短期間で資産価値が大きく目減りします。FIRE民にとってこれは、生活費の源泉が一時的に不安定になることを意味します。

一方、債券は比較的安定しているものの、今回は金利上昇という逆風を受け、防御資産としての力が十分に発揮されたとは言い切れませんでした。インフレや金融政策の転換期には、債券=安全と単純に考えられない時代に入っていることも示唆しています。

金は一時的に下落したものの、株式ほど深くは沈まず、回復も早いという特徴が確認できました。価格が動かない資産ではありませんが、危機時に資産全体のブレーキ役として機能する可能性があることが、今回の動きから見えてきます。

銀は工業用途の比率が高いため、金以上に景気の影響を受けやすく、値動きも大きくなりました。結果として下落幅は最大でしたが、その分、回復局面ではリターンも期待できる攻め寄りのコモディティと位置づけられます。

この比較が示しているのは、優劣ではなく役割の違いです。
FIRE民のポートフォリオに必要なのは、最も儲かる資産ではなく、暴落時にも生活設計を壊さない組み合わせです。
2026年1月の暴落は、資産クラスごとの性格の差を、非常に分かりやすい形で示してくれた出来事だったと言えます。


FIRE民にとって金はどんな意味を持つのか

成長資産ではなく守りの資産

FIRE民の多くは、株式インデックスや高配当株を中心に資産形成をしているかと思います。
これらは長期的な成長が期待できる一方、暴落局面では資産額が急減するリスクも抱えているということです。

一方で金は配当も利息も生みません。しかし、以下の役割を果たします。

  • 通貨価値の低下に対するヘッジ
  • 地政学リスクへの備え
  • 株式とは異なる値動きによる分散効果

つまり、金は増やす資産ではなく、減り方を緩やかにする資産とも言えます。この考え方は、株式投資のスタイル選びにもやや通じます。


FIREポートフォリオに金を組み入れる現実的な比率

目安は5〜10%

金を組み入れるとした場合、実務的にはポートフォリオの5〜10%程度を金に割り当てる考え方が現実的なラインでしょう。
たとえば資産1億円なら、500万〜1,000万円相当です。

株式100%の構成と比べると、暴落時の心理的ダメージは確実に小さくなります。
FIRE後はリターン最大化よりも生活の安定性が重要になるため、この差は無視できない差となります。

資産配分は、自身の年齢に合わせて、リターンよりも生活の安定性を優先基準に考える必要も出てきます。


金を持つことで得られる心理的リターン

FIRE後に最も怖いのは、資産額の急減によって生活設計そのものが不安定になることです。
2026年1月の暴落は、株式中心のポートフォリオが一時的にどれほど脆弱かを示しました。

金を組み入れることで得られるのは、暴落時に売らずに済む余裕、長期投資を続ける精神的安定、守りも設計しているという納得感などが挙げられます。金は、FIRE生活における保険料ような存在とも言えます。


注意点:金も万能ではない

もちろん、金も絶対安全な資産ではありません。2026年1月のように、ドル高局面では金価格が下落することもあります。

重要なのは、金に過度に集中しないこと、そして定期的にリバランスを行うことです。株式か金かではなく、どう組み合わせるかが本質です。

資産を一つに偏らせることは、FIRE後のリスクを高めます。


結論:金はFIRE民にとって守りの装置である

2026年1月の暴落は、株式中心のポートフォリオの限界をはっきりと示しました。
金は短期的に下落することもありますが、株式より緩やかな値動きで資産全体を支える役割を果たします。

FIREを目指す過程でも、FIRE後の生活においても、金は資産を増やす存在ではなく、人生設計を壊さないための装置として意味を持ちます。

資産形成は数字遊びではなく、安心して暮らすための土台づくりです。

2026年1月の下落調整局面は、自身のポートフォリオが、本当に守れる設計になっているのか向き合う一つのきっかけなのかもしれません。


そして最終的に大切なのは、資産額そのものよりどう生きたいかです。


FIRE後の生活費は、配当金や資産運用によってまかなわれるため、いくらあれば生活できるのかという視点が重要になります。

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断片的な情報に惑わされやすい時代だからこそ、シンプルな投資スタイルを貫いて参ります。

この原則を信条とし、着実に資産形成を続けていきます。

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