私のようにFIREを目指す投資家にとって、どれだけ増えるかだけでなく、どれだけ安定して配当金を受け取れるかは重視される指標です。定期的なキャッシュフローは精神的な安定にも直結します。
その文脈で注目を集めているのが、楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)、いわゆる楽天・SCHDです。本家である米国ETF「SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)」を投資対象とし、日本人投資家向けに設計された商品ですが、その実力はどの程度なのでしょうか。
本記事では、本家SCHDとの比較を軸に、利回りの持続性、コスト差、2026年の配当予想までを検証します。

SCHDとは何か|なぜ高配当ETFの代表格なのか
SCHDの基本設計と投資哲学
SCHDは、チャールズ・シュワブ社が2011年に設定した米国ETFです。高利回り銘柄の寄せ集めではなく、配当の継続性と財務健全性を重視した点に特徴があります。
採用銘柄は約100社。以下のような条件をクリアした企業が選定されます。
・10年以上の連続配当実績
・安定したキャッシュフロー
・ROEや負債水準などの財務指標が良好
結果として、景気後退局面でも配当が崩れにくい構成になっています。
本家SCHDの強みは「低コスト×質の高い配当」
SCHDが長期投資家から支持される最大の理由は、経費率0.06%という圧倒的な低コストです。これは高配当ETFの中でも最安水準で、長期保有時の複利効果を阻害しません。
また、セクター配分は金融、ヘルスケア、生活必需品が中心で、ハイテク比率は控えめ。S&P500とは異なる値動きをしやすく、ポートフォリオの安定装置として機能します。
楽天・SCHDの概要|日本人向けに何が変わったのか
楽天・SCHDの基本情報
楽天・SCHDは2024年9月に設定された投資信託で、実質的に本家SCHDへ投資するファンドです。為替ヘッジは行わず、ドル建て資産として保有します。
NISA成長投資枠に対応しており、国内口座だけで完結する点が大きな利点です。
日本人投資家向けの工夫と制約
楽天版最大の特徴は、四半期分配型(年4回)である点です。分配金は2月・5月・8月・11月に支払われ、インカム収入を意識する層には使いやすい設計です。
一方で、信託報酬は0.1238%と、本家の約2倍。これは国内投信としては標準的ですが、長期では無視できない差になります。
本家SCHDと楽天・SCHDの比較
基本指標の比較
| 項目 | 本家SCHD | 楽天・SCHD |
|---|---|---|
| 形態 | 米国ETF | 国内投資信託 |
| 経費率/信託報酬 | 0.06% | 0.1238% |
| 分配頻度 | 年4回 | 年4回 |
| 為替 | ドル建て | ドル建て(ヘッジなし) |
| NISA対応 | 不可 | 可 |
運用内容はほぼ同一であるため、パフォーマンス差の大半はコスト要因です。ただし、為替影響を含めると円建てリターンでは誤差に収まるケースも多くなります。
配当利回りの実力と2026年予想
本家SCHDの配当水準
2025年末時点でのSCHDは、以下の水準にあります。
・SEC30日利回り:約3.8%
・過去5年増配率:約10%
単年の高利回りではなく、緩やかに増える配当が最大の強みです。
楽天・SCHDの利回り予想
楽天・SCHDは本家に連動するため、分配金水準も概ね同等です。信託報酬を考慮すると、税引前で2.9〜3.6%程度が2026年の現実的なレンジと考えられます。
| 項目 | 本家SCHD | 楽天・SCHD |
|---|---|---|
| 直近利回り | 約3.8% | 約3.5% |
| 増配傾向 | 安定 | 連動 |
| 2026年予想 | 3.8%前後 | 2.9〜3.6% |
FIRE後の生活費補填を想定する場合、利回りよりも減らない配当である点が重要です。
メリットとデメリットを冷静に整理する
楽天・SCHDのメリット
楽天・SCHDは、海外ETFに不慣れな投資家でも扱いやすく、新NISAの「成長投資枠」をフル活用できる点が最大の利点です。また、本来なら米国現地で引かれる10%の税金を、ファンド内で二重課税調整してくれるため、確定申告の手間を省きつつ効率よく分配金を受け取れます。
注意すべきデメリット
一方で、本家米国ETF(0.06%)に比べると、信託報酬(0.192%前後)が上乗せされている点には注意が必要です。また、分配金が出るたびに課税(日本国内分)されるため、資産を増やしたい拡大フェーズであれば、分配金を出さずに内部再投資するオルカンやFANG+の方が税効率の面で合理的と言えます。
結論|楽天・SCHDはどんな人に向いているか
楽天・SCHDは、本家SCHDの優れた設計を、日本人投資家向けに現実的な形へ落とし込んだ商品です。爆発力はありませんが、配当の質と安定性は折り紙付きです。
・NISAで高配当を取り入れたい人
・為替込みで米国配当を持ちたい人
・FIRE後のキャッシュフローを意識する人
こうした層にとって、楽天・SCHDはちょうど良い選択肢になり得ます。
派手さはありませんが、長く付き合える。
それが、楽天・シュワブ米国配当ETF(SCHD)の本質的な実力と言えるでしょう。
こちらの記事では構成銘柄やパフォーマンスについて整理しています。
