現在(2026年1月11日)、日本株式市場は強い熱気に包まれています。
高市早苗首相が衆議院解散の検討に入ったとの報道を受け、日経平均先物は夜間取引で急騰し、一時5万3000円台を突破。過去最高値を更新しました。
この動きに対して、市場関係者や個人投資家の間で再び注目されているのが、
「解散は買い」
「選挙までは買い、選挙後は売り」
という、日本株特有のアノマリー(経験則)です。
本記事では、衆議院解散=株高がなぜ繰り返されてきたのか、その背景と構造を整理しつつ、2026年相場をどう捉えるべきかを考えていきます。

「解散は買い」とは何か?|日本株に根付く有名アノマリー
「解散は買い」とは、衆議院解散が報じられると株価が上昇しやすい、という日本株市場の経験則を指します。
実際、1969年以降の衆議院解散総選挙を振り返ると、
解散表明日から投開票日まで、日経平均株価が上昇するケースが非常に多い
というデータが確認されています。
2024年10月の石破政権下衆院選が例外パターンではあったのですが、この下落は約64年ぶりの出来事で、1969年以降〜2021年頃まで17回連続で上昇(100%)するなど、統計的に無視できない傾向があるのは事実です。
では、なぜこのような現象が繰り返されるのでしょうか。
なぜ衆議院解散は株高につながりやすいのか
政策期待が一気に高まるから
選挙が近づくと、与党は有権者に向けて分かりやすいメッセージを発信する必要があります。
その結果、景気対策や減税・補助金、成長分野への投資拡大といった分かりやすい経済政策が前面に出やすくなります。
特に今回の報道で注目されている高市政権は、積極財政、国家戦略投資を強く打ち出す姿勢が知られています。
防衛、半導体、AI、エネルギーといった分野への支出拡大が意識されれば、企業業績の先行き期待が高まり、株価が反応するのは自然な流れです。
株式市場は実行された政策ではなく、実行されそうな未来を先取りして動く点が重要です。
アノマリーが“自己実現”する構造
「解散は買い」という言葉は、すでに市場参加者の共通認識になっています。
そのため、
- 解散検討の報道が出る
- 多くの投資家が「株高になる」と予想する
- 実際に先回りで買いが入る
という流れが生まれます。
これはいわば、アノマリーの自己実現です。
理屈よりも「皆がそう思っている」という事実そのものが、相場を動かします。
今回、読売新聞の報道直後に日経平均先物が短時間で急伸した動きは、まさにこの心理が表面化した例と言えるでしょう。
海外投資家にとって「解散」は不透明感の解消材料
海外投資家は、日本の政治状況を安定性という視点で見ています。
解散総選挙は一見すると不安材料に思えますが、政権の支持率が高く、勝敗の見通しが立ちやすい状況では、先行き不透明が解消されるイベントとして好意的に受け止められることが多いです。
加えて、円安が進行している局面では、日本株は外需マネーにとって割安に映ります。
今回もドル円相場は一時158円台まで円安が進み、株高を後押ししました。
「解散は買い」が機能しやすい局面・しにくい局面
ここで、アノマリーが効きやすい条件を整理しておきましょう。
| 観点 | 株高になりやすいケース | 注意が必要なケース |
|---|---|---|
| 政権支持率 | 高水準で安定 | 低迷・不安定 |
| 為替 | 円安基調 | 急激な円高 |
| 海外環境 | 米国株が堅調 | 世界同時株安 |
| 選挙構図 | 与党優勢 | 混戦・ねじれ懸念 |
重要なのは、解散=無条件に買いではないという点です。
アノマリーはあくまで追い風であり経験則、逆風が強ければ簡単に打ち消されることは銘じておきましょう。
注意点:「選挙後は売り」が語られる理由
「解散は買い」とセットで語られるのが、「選挙後は売り」という格言です。
選挙前に高まった期待は、投開票日を境に現実と向き合うことになります。
- 与党が大勝すれば株高継続の余地
- 議席減やねじれが生じれば失望売り
結果次第で、相場の方向性は大きく変わります。
過去を見ても、選挙後1〜6か月のパフォーマンスは一様ではありません。
このため、短期的な熱狂と中長期の投資判断は切り分けて考える必要があります。
投資家はどう向き合うべきか
短期志向の投資家にとって、解散局面は指数やETFが中心になります。
一方、長期投資家にとっては、政治イベントそのものよりも政策が企業業績にどうつながるかが重要です。
いずれの場合も、アノマリーを過信しすぎないこと、そして自分の投資期間を明確にすることは欠かせません。
まとめ|「解散は買い」をどう理解するか
衆議院解散が株高につながりやすいのは、
- 政策期待
- 投資家心理
- 海外マネーの流入
という複数の要因が重なった結果です。
2026年の解散報道も、こうした構造の延長線上にあります。
ただし、アノマリーは必ず当たる法則ではなく、傾向にすぎません。
だからこそ、なぜ株価が動いているのかを理解した上で付き合うことが、投資家としての武器になります。
相場の熱狂に飲み込まれるのではなく、一歩引いて眺める。
それが、FIREや資産形成を目指す投資家にとって、最も大切な姿勢なのかもしれません。
アノマリーといえば月別の経験があります。1月はJanuary Effrctで株価は上がりやすいです。詳しくは以下記事にてご覧くださいね。。

