資産形成やFIREを目指す中で、よく耳にする言葉があります。それは「まずは1,000万円」という言葉です。
一見するとキリがいいだけの数字にも思えますが、実はこの1,000万円というラインには、投資・メンタル・行動のすべてを変える意味があります。
私が1000万円に到達した当時は、そんなに変わることもないだろ…と思っていましたが、現在1億3,000万円に到達した立場から振り返ると、資産形成における1,000万円は、その後の伸びを左右する極めて重要な分岐点だったと、実感しています。
この記事では、精神論ではなく、投資を続けてきた人ほど実感しやすいという視点から、なぜ『まずは1,000万円を目標にすべきなのか』を7つの理由で整理します。

結論:1,000万円は「資産形成の景色が変わる最初の地点」
最初に結論を述べると、1,000万円はゴールではありません。
しかし、資産形成が苦行から戦略に変わる最初の地点です。
ここを超えると、頑張って貯める・投資するフェーズから資産が資産を生むフェーズへと、確実に景色が変わります。
理由① 明確なゴール設定が“挫折しにくい資産形成”をつくる
資産形成は、短距離走ではなく長距離マラソンです。
多くの人が途中で投資をやめてしまう最大の理由は、ゴールが遠すぎて実感できないことにあります。
1,000万円という目標は、
・非現実的ではない
・しかし簡単でもない
という絶妙な難易度です。
到達した瞬間に、「自分でも1000万円という資産を築けた」という確かな達成感が得られます。この成功体験は、行動経済学的にも重要で、長期的な習慣形成を後押しします。2025年の金融経済教育推進機構の調査でも、一定額の資産達成経験を持つ人ほど、投資を継続できている傾向が示されています。
1,000万円は、資産形成を根性論から継続可能な行動へ変える区切りです。
理由② 自分の資産が世の中でどの位置かを客観視できる
1,000万円は、単なる数字ではなく社会的な比較軸としても意味を持ちます。
| 年代 | 二人以上世帯平均 | 単身世帯平均 |
|---|---|---|
| 30代 | 約800万円 | 約500万円 |
| 40代 | 約1,100万円 | 約700万円 |
| 50代 | 約1,500万円 | 約1,000万円 |
この表から分かる通り、1,000万円は40代以降の平均に近づく水準です。
つまり、30代までに達成できれば時間という最大の武器を持った状態で資産形成を進められます。
感覚的な不安ではなく、数字に基づいた現在地確認ができる点も、1,000万円の大きな価値です。
理由③ 複利が「理論」から「実感」に変わる
複利の話はよく聞きますが、資産が小さいうちは正直ピンときません。
しかし、1,000万円を超えたあたりから、複利は明確な実感に変わります。
| 資産額 | 年利3% | 年利5% |
|---|---|---|
| 300万円 | 9万円 | 15万円 |
| 500万円 | 15万円 | 25万円 |
| 1,000万円 | 30万円 | 50万円 |
300万円と1000万円の資産の差で、年利は最大で約40万円も異なります。月収1~2カ月分に相当する、この差は非常に大きいです。
また、年率5%で運用できた場合、1,000万円 → 約1,629万円(10年後)に到達します。
値動きが誤差ではなく、生活に影響する数字になります。
2026年時点で新NISAの口座数は2,600万を超え、多くの人が非課税で複利を享受できる環境が整っています。
1,000万円は、資産が自動的に増え始める感覚を初めて味わえるラインです。
理由④ お金に対する不安が“量”から“質”へ変わる
資産が少ないうちは、不安は常に足りるかどうかです。
しかし1,000万円を超えると、不安の性質が変わります。
・どう守るか
・どう増やすか
・どこに配分するか
こうした建設的な悩みに変化します。
2026年の日本経済では、インフレ率は2%前後で推移すると見られており、現金だけでは資産価値が目減りします。1,000万円を持つことで、より深くインフレとどう付き合うかを冷静に考えられるようになります。
これは精神的な余裕を生み、人生の選択肢を広げます。
理由⑤ リスク管理を“実践で学べる”金額になる
預金保険制度(ペイオフ)では、1金融機関あたり1,000万円までが保護対象です。
この制度を意識し始めるのも、1,000万円が現実的なラインだからこそです。
この段階になると、多くの人が
・金融機関の分散
・資産クラスの分散
・国内外の分散
を意識し始めます。
単なる知識としてのリスク分散ではなく、自分の資産を守る実感を伴った判断ができるようになる点が重要です。
理由⑥ 投資戦略の選択肢が一気に広がる
1,000万円規模になると、投資の自由度が大きく上がります。
・高配当株と成長株の併用
・REITや海外ETFの組み込み
・iDeCoや新NISAの最適配分
2025〜2026年にかけては、日本株の構造改革、防衛関連、AI・脱炭素分野など、テーマ投資の選択肢も増えています。
資産が増えることで、守りながら攻める戦略が取れるようになり、投資そのものが作業から戦略に変わります。
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理由⑦ FIREやセミリタイアを現実の計画に変えられる
FIREには生活費の25倍以上の資産が必要と言われます。
1,000万円はその入口にすぎませんが、計画を立てるには十分な金額です。
・このまま続ければ何歳で到達するか
・年金とどう組み合わせるか
・フルFIREか、セミリタイアか
こうしたシミュレーションが初めて現実味を帯びます。
2026年の高齢化社会では、完全リタイアよりも柔軟な働き方を選ぶ人が増えており、1,000万円はその判断材料になります。
まとめ:1,000万円は「数字」ではなく「視点が変わる境界線」
1,000万円はゴールではありません。
しかし、
- 行動が変わり
- 思考が変わり
- 不安の質が変わり
- 人生設計が具体化する
最初の分岐点であることは間違いありません。
だからこそ、資産形成の第一目標としてまずは1,000万円には、十分な合理性があります。
じゃあその1000万円をどうやって貯めるのか?という私なりの記事です。

