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個別株 vs ETF|10年ガチホで“どっちがFIREに向いてるか”を比較してみた

FIREを目指すうえで、一度は迷う「個別株 vs ETF」問題

FIREを目指すうえで、一度は迷うのが「個別株で攻めるべきか、ETFで安定を取るべきか」という問題。個別株は当たれば爆発的な成長を見込める一方、失敗すると資産の大部分を吹き飛ばすこともあります。ETFは市場平均を狙うため良くも悪くも安定していますが、その堅実さがFIREとの相性を高めているという見方もあります。

この記事では、10年間ガチホした場合にどちらがFIREにより向いているのかを、最新データ(2025年11月時点)とシミュレーションを含めて比較していきます。

個別株とETFの基本を振り返る|FIREの土台に必要な視点

まずは改めて、個別株とETFの違いを整理します。個別株とは、トヨタやキーエンスのような特定企業へ直接投資する方法で、企業の成長ストーリーを享受できるのが魅力です。一方、ETF(上場投資信託)は、S&P500のような指数に連動して200〜500銘柄以上に自動分散される仕組みで、企業個別の失敗による影響が小さく抑えられます。

FIREで重要なのは、リターンとリスクのバランスをいかに整えるか。個別株は、キーエンスのように10年で株価が約3倍になった例がある一方、業績悪化で20〜30%の急落も普通にあります。

ETFは市場全体の平均リターンを狙うため爆発力こそないものの、大きく崩れにくく、10年単位でマイナスになる確率が非常に低い特徴があります。

こうした性質の違いは、FIREのように長期で資産を育てる場面でとても重要になってきます。個別株の興奮がモチベーションになる一方、ETFの予測しやすさが心の平穏を支えるのです。

10年ガチホで比較|100万円+毎月5万円積立でどうなるか

ここではより現実的なイメージとして、「初期100万円+月5万円積立、10年運用」を仮定します。年平均リターンは以下を採用しています。

年平均リターンの前提

①個別株(成功ケース):15%
②個別株(失敗ケース):5%
③ETF(S&P500):13.5%(2025年11月時点の10年実績約14.7%を基にした保守推定)

10年後の資産比較表(月次複利計算)

投資法年平均リターン元本(10年)10年後資産額(推定)FIRE達成可否(4%ルール)
個別株(成功)15%700万円約1,820万円可能(約73万円/年)
個別株(失敗)5%700万円約940万円厳しい(約38万円/年)
ETF(S&P500)13.5%700万円約1,520万円可能(約61万円/年)

この表から読み取れるポイントは、「ETFは成功と失敗の差が小さい」のに対し、個別株は「成功と失敗の差が大きすぎる」ということです。特にFIREを前提にするなら、読めないリスクは生活の不安に直結します。2025年の市場のようにS&P500がYTD+15%を記録する中でも、ETFの安定は光ります。

過去10年の実績で比較|データが語るリスクとリターン

2015〜2025年の10年間を対象に、代表的な個別株とETFを比較します。

10年リターンとリスクの比較表

銘柄 / ETF種類10年トータルリターン年平均最大ドローダウンボラティリティ
キーエンス個別(成功)+217%12.2%-25%高(21%)
ファーストリテイリング個別(成功)+400%(推定)17.5%-30%高(25%)
NTT個別(失敗)+90%(推定)6.5%-40%中(15%)
iシェアーズ S&P500ETF(米国)+230%12.7%-34%中(15%)
NEXT FUNDS TOPIXETF(日本)+130%(推定)8.5%-25%中(18%)

個別株の成功例は魅力的ですが、最大下落率やボラティリティ(値動きの荒さ)はETFの倍近いことが多く、心理的な負荷が大きいのが特徴です。

ETFが退屈な投資と言われる理由でもありますが、退屈こそFIREにおける最大の武器でもあります。2020年のパンデミック下落時、S&P500の回復速度が個別株を上回った事例がその証左です。

FIREに必要なのは「数字」以上に「メンタルの安定」

個別株投資には、企業研究を通じて学びが得られるという知的な楽しみがあります。しかし一方で、業績懸念や市場急落によって、ポートフォリオの10〜30%が一時的に消える経験をすると、それを耐えられる人は多くありません。

FIREの本質は資産を減らさずに維持すること。そしてその維持を支えるのは、長期保有を続ける精神的余裕です。ETFは、手間が少なく、値動きが緩やかで、長期で市場平均の成長を取り込み、NISAとの相性も良い。2025年のブラックロックの調査においては、ETFは退屈だけれど信頼できる資産クラスとして、投資家の忠実度を高めている結果(保有継続の強さ、新規層の定着、全体のシフトの傾向から)も浮き彫りになっています。個別株保有者の離脱リスクを考えると、ETFの手放し運用がFIREの持続可能性を高めると言えるでしょう。

個人的提案:ETF80%+個別株20%のハイブリッド戦略

結論として、私はFIREの軸はETF、スパイスとして個別株という組み合わせが最適だと考えています。ETFで値動きの土台を安定させながら、個別株で少しだけ上振れを狙う戦略です。

実際、S&P500 ETFを80%、個別株(成長株)を20%にしたケースを10年バックテストすると、純ETFよりリターン1-2%高い結果が出やすくなります。ETFの安定と、個別株のロマン。双方のいいとこ取りを狙う戦略が、個別株の魅力も取り入れることができ、長期では一番続けやすいと感じます。

結論|10年ガチホに強いのはETF。しかし個別株の魅力も捨てがたい

全体を通しての総括は以下のとおりです。

  • FIREに最も向いているのはETF
    →安定した12-14%前後のリターン、低ストレス、予測可能性
  • 個別株は成功すれば大きいが、失敗時のダメージが大きすぎる
    →FIREの継続性という観点では不利
  • 最適解はETF中心+個別株のハイブリッド

投資は数字だけでなく、生活の安心・精神的な安定・続けられる仕組みも重要です。私はETFを軸にしながら、個別株の1勝で得られる喜びも大切にしています。御自身のFIREプランにも、ぜひ自分らしい配分を見つけてみてください。

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私が保有している主力のETFは、VYMや1489等々。買い増しをコツコツ継続しています。

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