FIREを目指す人なら、誰もが一度は通る道ではないでしょうか。
私も例外ではなく、資産が増えるたびに「仕事…辞めたい…」という気持ちのピークがやってきました。
奇しくもそのタイミングは、アッパーマス(3000万)、準富裕層(5000万)、富裕層(1億円)という3つのステージで訪れました。

1度目の辞めたいピーク:3000万到達(アッパーマス層)
資産が3000万円に到達したとき、配当金は月に10万円ほどになっていました。
その瞬間、心の奥底で小さな声が聞こえました。
「もう適当にバイトしても暮らせるんじゃないか…?」
もちろん現実的にはまだ辞められません。
けれど、初めて“仕事から自由になりたい”という衝動をはっきりと自覚した瞬間でした。
毎日会社に向かう自分と、ふと頭をよぎる「このまま辞めてしまえたら…」という想像。
その二つの感情が静かにせめぎ合う、不思議で少し切ない時間。
「自由とは何か」——その問いが、心の中で静かに芽生え始めたのです。
2度目の辞めたいピーク:5000万(準富裕層)
資産が5000万円に達したとき、配当金は月20万円ほどになりました。
「もう質素に暮らせば、仕事を辞めても生活できるやん…」
そう考えるたびに、出勤時には胸の奥がザワザワし、足取りが少し重くなります。
年齢を重ねる度に責任が増えていく仕事、そして一番に時間を割きたい子育てに専念できない葛藤、罪悪感。
これらが重なり、この1年間は、締め付けられるように心が辛かった。
仕事は嫌ではない。でも自由になりたい。もっと自分の時間を持ちたい。
その思いが日に日に膨らみ、葛藤に苦しみました。
それでも踏みとどまれたのは、「自由とは逃げることではなく、責任を逃れることでもない。いつでも選択できるということ。」という気付きがあったから。
経済的自由の手前で、精神的なバランスを試されているような感覚でした。
3度目の辞めたいピーク:1億円(富裕層)
資産が1億円を超え、配当金は月30万円に。
地方住まいの私達家族ですから、もう完全に辞めることができます。
緩いバイトだけでも生活できる水準です。
猛烈に「辞めたい」。
でも、同時に心の片隅には別の声がありました。
「ここまで仕事を続けたら、20年勤続という人生のバッジを手に入れられる」。(…笑)
人生のバッジを分かりやすく例えるならば、プレイステーションのトロフィー。
プレイステーションのトロフィーはゲームソフトにおけるやり込め具合を表す指標で自己満足の領域でしかないのですが、人生における、勤続20年というバッジを手にしたいという何とも自己満足で、日本的な欲が少し出てきたのです。
父が「仕事行きたくないわ〜。」と言いながらも(本心では違うのは分かっていました。)、私達家族のために定年まで勤め上げた姿を思い出します。
その背中には、淡い憧れの光がありました。言葉では言い表せない静かなる強さ。(光の戦士?)
さらに勤続20年を超えれば、配当金は税引き後でも月50万円は突破するだろうという希望もあります。
若干ではありますが、年金も増え、加給年金の資格も得られます。
仕事面でもスキルは向上し、自分でコントロールできる楽しさも増しています。
辞めたい気持ちと、続けたい気持ちが、渾然一体となって心を揺さぶります。
そして気付いたことは、本当の自由とは「辞める自由」ではなく、「続けることを自分で選べる自由」なのだということ。
今のゴール:45歳での完全FIRE
それでも最終目標は、45歳で完全FIREを達成することです。
淡々と再投資を続け、あと数年間でその域に辿り着きたいと思っています。
資産が増えるたびに襲ってくる「辞めたい衝動」を楽しみながら、計画を着実に進める。
お金の自由を超えた先に、心の安定という“本当の自由”がある。
今は、そう信じています。
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