世界で最も成功した投資家、ウォーレン・バフェット。
78歳で世界の長者番付1位(当時の資産620億ドル)に輝き、2025年でも6位を維持するなど、ウォーレン・バフェットはまさに資産形成の伝説です。
しかし、バフェットの投資哲学は決して難しいものではありません。
「短期的な株価の上下に一喜一憂せず、長期で資産を増やす」
このシンプルな考え方を知るだけで、投資初心者でも資産形成のスピードをぐっと変えることができるのです。

バフェットの幼少期と投資スタート
バフェットは1930年、アメリカ・ネブラスカ州オマハに生まれました。
6歳のとき、祖父の雑貨店でガムやコーラを訪問販売し、利益を得た経験がビジネスの原点です。
そして11歳で株式投資に挑戦。
若いうちから資産を増やす仕組みに触れていたことが、後の投資哲学につながっています。
バフェットの投資哲学
バフェットの成功には、いくつかの明確なルールがあります。
長期投資の重要性
株は短期的に売買して利益を出すものではなく、「会社の一部」を持つ感覚で保有するのが基本です。
株価の上下に一喜一憂せず、10年以上の長期で保有することで、企業の成長や配当の恩恵をしっかり受けられます。
時間を味方につけることで、少額の投資でも大きな資産形成につなげることができます。
安全マージンを重視
企業価値より安く買えるときだけ株を購入することが、損失リスクを抑える基本です。
高値掴みを避け、割安で買うことで、長期投資の安定性はぐっと増します。
シンプルなビジネスを選ぶ
自分が理解できる会社、事業内容が明確な企業に投資することが大切です。
バフェットでいえば、コカ・コーラやアメリカンエキスプレスのように、事業内容が明確かつ長期的にビジネスモデルが安定している会社に投資をしています。
経営者を重視
信頼できる経営者のいる会社は、長期的に成長しやすい傾向があります。
経営者の意思決定や経営姿勢を見極めることは、投資を成功させる上で重要なポイントです。
配当再投資
受け取った配当を再投資することで複利効果を最大化できます。
配当をそのまま受け取るだけでなく、再投資によって時間を味方にし、資産を着実に増やすことがバフェット流の本質です。
バフェット流の銘柄選びを具体化
では、バフェットの投資哲学から、実際の銘柄選びに具体化してみましょう。
実際には、次の5つの指標をチェックし、銘柄スクリーニングや指標チェックを行います。
- EPS(当期利益)が増加傾向であるか
→ 会社の利益が年々増えているということは、事業が順調に成長している証拠です。利益が安定して増える企業は、配当や設備投資に余裕があり、長期的に株主価値を高めやすいと言えます。つまり、EPSが増加している会社に投資することは、「成長し続ける会社の一部を持つ」というバフェット流の長期投資の基本に合致します。
- ROE(自己資本利益率)が10%以上あるか
→ ROEは、会社が株主から預かったお金(自己資本)をどれだけ効率よく利益に変えられているかを示す指標です。10%以上あれば、資本を有効に活用してしっかり利益を生み出している健全な企業といえます。効率よく利益を上げられる会社は、長期的に成長しやすく、投資家にとっても安定したリターンが期待できます。
- 売上高営業利益率が15%以上あるか
→ 営業利益率が高いということは、本業でしっかり利益を上げられている証拠です。本業の儲けがしっかりしている企業は、余計な借入や資金調達に頼らず、安定して成長できます。投資家にとっても、安定したキャッシュフローと将来の配当期待につながる重要な指標です。
- 株主還元を重視しているか(配当・自社株買い)
→ 配当や自社株買いで株主に利益を還元してくれる企業は、株主を大切にする姿勢があることを示しています。長期投資では、こうした還元姿勢のある会社を選ぶことで、投資のリターンを安定的に受け取りやすくなります。
- 割安株かどうか(PER15倍以下、PBR1.5倍以下)
→ 株価が企業価値に比べて割安であることは、購入時の安全マージンがあることを意味します。割安株を選ぶことで、万が一の株価下落リスクを抑えつつ、長期で資産を増やすチャンスを高められます。
シンプルなステップをコツコツと
ここまで紹介したバフェット流の投資哲学やチェックポイントを見てわかる通り、難しいテクニックは必要ありません。
大切なのは、当たり前のことを当たり前に、コツコツ続ける継続力。
長期投資で成果を出す人は、凡事を徹底できることが肝。
株価の上下に一喜一憂せず、時間を味方につけることで、少額の投資でも資産は着実に増えていきます。
今日からできる具体的な一歩としては、例えば次のようなことから始められます。
- まずは1社。EPSやROE、営業利益率などの簡単な指標を確認してみる。
- 少額株で少しずつ長期保有を意識してみる。
- 配当を受け取ったら再投資する習慣をつけてみる。
小さな一歩でも、続けることで着実に成果につながります。
シンプルな考え方と判断基準を持って、まずは今日から始めてみましょう。
最近買い増しした、明治ホールディングス。銘柄選びの条件を全て満たしてはいませんが、事業内容・企業理念に共感したことから長期投資を決めました。
長期投資を続け、手の届かない夢のように思えた「億り人」になることができました。その時のリアルな心境を綴っています。