人生論 子育て・教育

『DIE WITH ZERO』で学ぶ人生の資産活用法|経験に投資して豊かな人生を手に入れる

ビル・パーキンス氏が書いたベストセラー 『DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)』

出版されたのは2020年なのでもう5年前なんですね。

当時書店に平積みにされかなり話題になっていましたし、その強烈なタイトルと、資産をゼロにというキャッチーなフレーズが気になり、私も当時すぐに読みました。

人生の教科書と言える内容で、触れたことのない視点は心に響き、共感することばかりで心が揺さぶられたのですが、時が経てば内容も抜けていってしまうんですよね…。

本や漫画の内容をよく覚えている人がいると思うんですが、私は逆ですぐに忘れてしまいます。

今年の(ミニ)シルバーウイークに図書館に行った際、導かれるように目に留まったので、久しぶりに読み直してみました。

私自身が感じた「資産を経験に変える考え方」を整理しつつ、人生でお金をどう使うかや、家族との時間の大切さについて考えたことを綴っておこうと思います。


お金は「ためる」より「使うタイミング」が大事

多くの人は「老後が不安だから、とにかく貯める」ことに意識を向けます。

本書が教えてくれるのは逆です。

「いつ使うのか」こそが、人生の充実度を決めるというものです。

・健康状態や収入は年ごとに変化する

・「今やる経験」を判断し、喜びを先送りしすぎないことが大切

気づけば私は、「時間はまだまだある」と思い込みながら日々を過ごしているような気がします。

その結果、「今は我慢して、まずは稼ぐことが先」と考え、やりたいことを後回しにしてしまうことも少なくありません。

けれど、80歳を迎えてから、今の自分が挑戦したいことにチャレンジすることは現実的に難しいでしょう。

お金を優先し、今やりたいことを我慢すれば確かに貯蓄は増えます。

しかし、十分な資金を手にしたときには、やりたかったことを満喫できる体力や時間が残っていない可能性があります。

だからこそ、「限られた時間をどう使うか」を考えることが大切です。

人生をより豊かにするには、体験を重ねるタイミングを逃さないことが欠かせません。

著者はこう述べています――「自分が心から幸せだと思えることに、お金を使うべきだ」と。

たとえば、子どもの頃に友達と過ごした放課後の思い出や、夏祭りで食べたかき氷の味、20代で体験した初めての海外旅行。

そうした瞬間は、時が経っても色あせず、何度でも心を温めてくれます。

しかし、年齢を重ねてから同じことをしても、若い頃と同じ感動や楽しさを味わえるとは限りません。

要はタイミングが大切。

時間もお金も限られた資源だからこそ、適切な時期に使うことで、私たちはより豊かで満足度の高い人生を送ることができるのだと思います。


資産のピークを決める

著者がユニークなのは、あえて「資産のピークを作れ」と説く点です。

資産を増やし続けて死んでしまえば、それは「使われなかったエネルギー」でしかありません。

人生のどこかで資産をピークに設定し、そこからは経験に投資していく。

本書では、お金の価値は、物価上昇ではなく、加齢とともに価値が下がると述べられています。

お金を引き出す能力が低下していくからです。

例えは、80歳で2億円を持っていたとしても、ベッドで寝た切りならば旅行すら行けませんよね。

お金を持っていてどうしようもないのです。

だからこそ、体力、活力があるうちにお金の力を最大限に引き出し、若いうちから自分を高め、体験を重ねていきたものです。

私自身は、2億円を資産のピークとして設定しています。

欲を言えばもっと欲しいですけど、欲にはキリがありません。

資産のピークとリタイヤ時期を定め、そこからは配当金や運用益を活用し、旅行や家族との思い出作り、趣味や学びへの投資に充てていく計画です。


Time BucketsとMemory Dividendで経験に投資

パーキンス氏が提案する Time Buckets(時間のバケツ) は、人生を年代ごとに区切り、その年齢だからこそ楽しめる経験に資産を振り分ける方法です。

例として、

  • 20代:冒険旅行や体力を使う体験
  • 40代:子育て・家族旅行
  • 60代:趣味や文化的体験

といったライフイベントが挙げられます。

さらに Memory Dividend(思い出の配当) という概念も紹介されます。

一度の体験が、後の人生で何度も思い返され、喜びをもたらすというものです。

私は、20代前半でお金をためてヨーロッパ数か国を2回旅行したことがあります。

今でもその頃の記憶や素敵な思い出が、ふとした瞬間に喜びを与えてくれています。

ヨーロッパの美しい街並みや独特の匂い、なんでこの靴でヨーロッパに来てしまったんだと後悔した思い、スイスで野犬に追いかけられたたこと、フィレンツェのジェラート屋で3000円ぼったくられたこと、ストライキで行きたい美術館が閉まっていたこと、ヴェネツィアで野良ファッションショー(小さい子供が二人でパリコレみたいに道で何度もやっていて可愛らしかった)が行われていたことなどなど…。

当時はそれなりに必死で余裕もありませんでしたが、今では数々の名シーンとなって脳内再生されます。

投資と経験は似ていて、初期の投資が何度もリターンを運んでくれて雪だるま式に増えていきます。

人生は経験の合計です。

経験は資産となり、人生の豊かさを増幅してくれることを実感できます。

投資以上のリターンを生む資産ともいえる経験は、時間と心に刻まれる最高の資産なのだと思います。


健康寿命と生物学的年齢がカギ

経験投資のタイミングは「実年齢」ではなく、生物学的年齢で判断すべきです。

  • 同じ50歳でも体力は人それぞれ
  • 健康で動けるうちにお金を経験に変えることが重要

やはり「いつ使うか」が人生の満足度を決める最大の要素なんですね。

とりあえず今後もゆる勢ですがジム通いは続けて、資本となる体を鍛え、健康への投資を継続したいと思います。(最近あまり行けていませんが…。)


45〜60歳が資産活用の勝負どころ

パーキンス氏は、多くの人にとって資産のピークは45〜60歳が理想的と提案しています。

その理由として、

  • 体力・気力がまだ充実している
  • 仲間や家族と楽しめるタイミング

ことが挙げられています。

私(FIRE45)も45歳で資産のピークを迎え、配当金を活用して経験に投資することを目標としています。

家族と過ごせる時間は有限です。

旅行や思い出づくりに積極的にお金を使うことで、人生の黄金期を最大化したいと思います。


遺産は「早く渡す」ほうが価値が高い

多くの人は遺産を「死んだときに残す」と考えます。

しかしパーキンス氏は「子どもや大切な人が最も活かせるタイミングで渡すべき」と強調します。

  • 教育費や住宅資金など、必要な時期に贈与する
  • 死後に残すより、資産の価値を最大限に活かせる

ついつい自分の代にだけ目を向けてしまいがちなんですが、実際には子どもや家族が最も必要としているタイミングで資産を活用できることのほうがはるかに価値が高いですよね。

早めに資産を渡すことで、教育や生活、挑戦のチャンスに使ってもらえ、単に残すよりも大切な人達の、人生全体の満足度を高めることができます。


読んで感じたこと

正直、読む前は「死ぬ前に資産を減らせ」といった資産運用系の本だと思っていました。

しかし、この本は資産・お金をテーマといった内容の本ではなく、どのようにして限られた時間を、後悔なく生きていくかといった生き方を教えてくれる本です。

「経験に投資する」とい主張は、自分の体験からも実感できましたし、理想とする生き方に矛盾することがなく、自然に本の思想と繋がることができました。

私は今、30代後半ですが、45歳でFIREを目指している立場から考えると、本書のメッセージは非常に現実的に感じられます。

これからの10年~15年で、体力や気力が充実しているうちに資産を経験に変えていくことは、人生の満足度を大きく高めると思います。

FIREを目指す過程で資産を増やすことも重要ですが、それ以上に「いつ」「どのように」資産を使うかを意識することの価値を強く感じました。

やりたいことには賞味期限があります。

子どもが小さいうちにしかできない遊び、若い体力があるうちにしか楽しめない体験。

熱量の高い今の瞬間を逃さず、お金と時間を活かすことが大切だと思いました。

配当金を活用して旅行や家族との思い出づくり、趣味や学びへの投資など、体験が自分の人生に深みを与えてくれることは容易に想像できますす。

資産運用は、単に増やすためのものではなく、人生を豊かにする手段

FIREを目指す私にとって、本書の考え方は、これからの資産計画や人生設計においての指針の一つにしたいと思います。


まとめ

せっかく授かった人生、理想を胸に進み続けたい。

お金を貯めることも大切ですが、それだけでは人生を測れません。

最後に私たちの心に残るのは「お金」ではなく「思い出」です。

だからこそ、自分が本当にやりたいことに挑戦し、かけがえのない経験を積み重ねていきましょう。

その一歩一歩が、未来の自分を支えてくれるはずです。


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