FIREを目指す投資家にとっての資産形成の重要性
投資を通じて経済的自由を手にし、早期リタイアを実現する「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」を夢見る方々にとって、資産形成の鍵は安定したキャッシュフローと長期的な視点にあります。
私もFIREを目指す一人として、株価の短期的な変動に一喜一憂するのではなく、企業が株主に積極的に利益を還元する姿勢を重視してきました。
その中で、注目すべき投資先として「NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型上場投資信託(コード:2529)」が浮上します。
このETFは、配当や自社株買いを重視する日本企業70銘柄に連動し、FIRE志向の投資家にとって安定収入の柱となり得る存在です。
私は現在1300株程度保有しており、安定した定期的なインカムと、右肩上がりの含み益を享受しています。
最新データを基に、その魅力を紐解きながら、FIREへの道筋をどう加速させるかを、私の気づきとともにご紹介します。

2529のユニークな設計:株主還元を軸にした戦略
株主還元70指数をベンチマーク
多くのETFが市場全体の指数に連動する中、2529は「野村株主還元70(配当含む)指数」をベンチマークとし、配当性向や自社株買い実績といった株主還元に特化した基準で銘柄を選定しています。
特筆すべきは、金融セクター(銀行、証券、保険など)を除外している点です。
金融株は景気変動に敏感で配当の安定性が低い傾向にあるため、この選択は安定性を重視するFIRE志向の投資家に安心感を与えます。
幅広いセクターと分散設計
代わりに、製造業、商社、消費財など、幅広いセクターから選ばれた70銘柄が、浮動株調整時価総額比例でウエイト上限2%に抑えられて構成されています。
これにより、特定の銘柄への過度な集中リスクを回避し、バランスの取れた運用が可能です。
最新データで見る運用実績:FIREに欠かせない安定収入
基本情報と低コスト運用
2025年10月16日時点で、純資産総額は506.3億円、発行済み口数は約2,739万口、基準価額(100口あたり)は184,833円(前日比+0.66%)。
取引所価格は1,838円と少額から投資可能。
信託報酬率は年率0.308%(税込)と低く、長期保有の負担を抑えます。
さらに、NISA成長投資枠の対象であるため、非課税メリットを活かせば実質的な利回りが向上します。
分配金の実績とFIREへの活用
分配金は年4回(1月、4月、7月、10月)に支払われ、2025年の直近データでは分配金利回りが2.78%と市場平均を上回る水準です。
たとえば、100万円を2529に投資した場合、年間約2.78万円の分配金が期待でき、更に年を経るごとに増配する見通しが高いETFです。
年間分配金の推移(100口あたり)
西暦 | 年間合計 |
---|---|
2019 | 1,300円 |
2020 | 2,500円 |
2021 | 3,200円 |
2022 | 3,800円 |
2023 | 4,500円 |
2024 | 4,900円 |
2025 | 5,100円 |
この表から、年間合計が2019年の1,300円から2025年の5,100円へと約4倍に成長していることがわかります。
これは、構成企業の還元力強化と市場環境の好転を反映するもので、FIRE戦略におけるインカム源としてのポテンシャルを高めています。

構成銘柄の力:株主還元を支える企業群
トップ10銘柄(2025年10月時点)
銘柄名 | 純資産比率 (% of NAV) |
---|---|
ソフトバンクグループ | 3.58% |
丸紅 | 2.72% |
INPEX | 2.39% |
三菱商事 | 2.39% |
ブリヂストン | 2.26% |
住友商事 | 2.20% |
東京瓦斯 | 2.12% |
日本たばこ産業 | 2.10% |
小松製作所 | 2.09% |
塩野義製薬 | 2.06% |
トップ10銘柄を見ると、2529は単に高配当株を集めただけではなく、セクターや企業特性のバランスを意識して構成されていることがわかります。
商社株(丸紅、三菱商事、住友商事)は、それぞれ幅広い事業ポートフォリオを持ち、景気循環に強い安定性を誇ります。
特に海外資源やエネルギー事業に強い商社は、円安や資源高の影響を受けやすい一方で、高配当維持能力も高く、長期保有に適しています。
次にエネルギー分野のINPEXは、国内外での油・天然ガス事業を手掛け、キャッシュフローが安定。
景気の変動に左右されにくく、2529の分配金基盤を支える重要な銘柄の一つです。
また、ソフトバンクグループは、通信事業と投資事業を両輪に持ち、高配当と自己株買いの両方で株主還元に積極的。
IT・通信セクターを代表する存在として、ポートフォリオの成長性を補完しています。
ブリヂストンや小松製作所などの製造業は、グローバルに事業を展開しており、自社株買いと安定配当で株主還元を実施しています。
特にブリヂストンは世界的ブランド力を背景に、業績が安定しやすく、FIRE投資家にとって安心材料となります。
東京瓦斯や日本たばこ産業は、国内市場で安定したキャッシュフローを確保できる企業で、分配金の安定性という観点でポートフォリオの底上げに寄与します。
さらに、塩野義製薬のような製薬企業は、成長性と収益性の両方を備えています。
新薬開発による将来の利益拡大も期待できるため、2529においては安定インカムと成長性のバランスを取る役割を担っています。
総じて、2529の構成銘柄は、景気循環に強い商社・エネルギー・製造業、国内安定キャッシュフロー企業、そして成長性のある製薬企業といった多様な要素が巧みに組み合わさっており、FIRE志向の投資家に必要な「安定性」「収益性」「リスク分散」の三拍子が揃った設計と言えます。
こうした分散構成により、単一銘柄のリスクに左右されず、配当や自社株買いによる定期的なキャッシュフローを安定的に確保できる点が、2529の最大の魅力です。
FIREを目指すポートフォリオにおいて、このETFは長期的な資産形成と生活費補填の両面で強力なパートナーとなるでしょう。
FIRE志向の投資家にとって2529が持つ意味
安定インカムETFとしての価値
FIREを達成するには、労働収入を代替する不労所得の構築が不可欠です。
個別株で高配当銘柄を選ぶには分析やリスク管理の知識が必要ですが、2529は70銘柄を一括保有できる「ワンストップ・ソリューション」です。
分配金を生活費に充てつつ、余剰分を再投資すれば複利効果で資産が拡大します。
たとえば、月10万円の不労所得を目指す場合、約4,300万円の投資で賄えます。
まとめ:株主還元を味方に、FIREへの道を切り開く
NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型上場投資信託は、株主還元を重視する日本企業の力を結集し、FIREを目指す投資家に安定と希望を与える存在です。
低コストで手軽に始められ、分配金の安定性が生活の安心感を支えます。
2529は、FIREという大きな目標に向けた静かで力強いパートナーとなるでしょう。
企業の還元姿勢を通じて、経済的自由への一歩を踏み出してみませんか。
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