今年のNISAの成長投資枠はもう使い切りましたか?
(私は年初になるべく早く買い切ってしまうので、もう枠は残っていません…。)
NISAの枠を埋めるにあたって、「何を買えばいいのか…」と迷う人も多いことだと思います。
できれば、良い成績を残しながら、安心して長期保有できる商品を選びたいものです。
そこでおすすめするのが、個別株ではなくETF(上場投資信託)です。

1. ETFとは?
ETF(Exchange Traded Fund)は、証券取引所に上場している投資信託のこと。
株式のように市場で売買でき、投資信託のように複数銘柄に分散投資できるという「株と投信のいいとこ取り」の商品なわけです。
ETFには以下のようなメリットが挙げられます。
ETFの6つのメリット
- 分散投資が簡単にできる
一本買うだけで複数の銘柄に分散投資できる。 - リアルタイムで売買可能
市場が開いていれば、株と同じように指値注文や価格チェックができる。 - 低コスト商品が多い
信託報酬は0.1%を切る商品もある。 - 分配金をもらえるETFも多い
配当・分配金生活を目指す人には嬉しいポイント。 - 種類が豊富
株価指数連動型から高配当株型、テーマ株型まで多種多様。 - NISAの成長投資枠で買える
非課税メリットを活かしやすい。
このようにETFには魅力がたくさんあります。
が、実際に買う際には「どのETFを選ぶか」が重要なんですよね。
次に、選ぶときのチェックポイントを見ていきましょう。
2. ETF選びのチェックポイント
- チャートが上昇トレンドか
→ 長期で安心して持つには、過去の値動きを確認することが重要です。 - 信託報酬が安いか
→ 運用コストは長期になるほど効いてきます。個人的には高くても0.4%程度までが目安ですね。 - 純資産額が300億円以上あるか
→ 規模が小さいと途中償還のリスクや流動性の不安があります。資産額にはそれなりの理由がありますので要チェックです。
3. おすすめの日本高配当株ETF
NISAの成長投資枠で人気の「日本高配当株ETF」から、特に注目の3本を紹介します。
1489:日経高配当株50ETF
1489は、日経平均225銘柄の中から配当利回り上位50銘柄を対象に組み入れています。
資産規模は3000億を超えています(2025.9月時点)。利回りはおよそ3.4%です。
予想配当利回りに加え、流動性も考慮してウエートが決められるため、配当利回りの高い大型株が上位に組み込まれるのが特徴です。
業種としては商社・銀行・海運など、日本の高配当株の王道が中心になっており、高配当ETFの定番として長期保有に向いています。
チャートも力強く推移しています。

組み入れ上位10銘柄
| 銘柄名 | 業種 | 割合 |
|---|---|---|
| 武田薬品工業 | 医薬品 | 4.4% |
| 日本たばこ産業 | 食品 | 3.9% |
| ソフトバンク | 通信 | 3.8% |
| 日本製鉄 | 鉄鋼 | 3.7% |
| みずほFG | 銀行 | 3.6% |
| SOMPO HD | 保険 | 3.4% |
| アステラス製薬 | 医薬品 | 3.2% |
| MS&AD HD | 保険 | 3.2% |
| 三菱UFJ FG | 銀行 | 3.0% |
| 商船三井 | 海運 | 2.9% |
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2529:iシェアーズ日本高配当株ETF
2529は、規模の大きな約500銘柄の中から、過去3年間の配当実績や自社株買い・増資をもとに算出した*ネット総還元利回りの高い70銘柄を選定しています。
資産規模は約473億(2025.9月時点)。利回りはおよそ2.8%です。
特徴として、金融・保険業は対象外で、増配の実績がある企業が中心。「増配ETF」とも呼べる珍しいコンセプトです。
さらに、時価総額平均を採用し、ウエート上限は2%と決められているため、幅広く分散されつつ安定した配当を狙えるETFとなっています。
1489同様、安定した右肩上がりのチャートです。

組み入れ上位10銘柄
| 銘柄名 | 業種 | 割合 |
|---|---|---|
| ソフトバンクグループ | 通信 | 3.21% |
| 丸紅 | 商社 | 2.57% |
| 東京瓦斯 | 電力・ガス | 2.34% |
| 三菱商事 | 商社 | 2.34% |
| INPEX | 鉱業 | 2.32% |
| ブリヂストン | ゴム製品 | 2.28% |
| 住友商事 | 商社 | 2.20% |
| 小松製作所 | 機械 | 2.10% |
| 日本たばこ産業 | 食品 | 2.09% |
| 塩野義製薬 | 医薬品 | 2.09% |
1698:上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)
1698は、TOPIX1000と東証REIT指数の構成銘柄から、時価総額と予想配当利回りに注目した「東証配当フォーカス指数」に連動しています。
資産規模は約523億(2025.9月時点)。利回りはおよそ3.1%です。
株式90銘柄、REIT10銘柄で構成され、配当利回りの高い銘柄を抽出し、時価総額の大きな順に組み入れるのが特徴です。
そのため、商社や金融など大型高配当株の比率が高く、配当利回り重視で幅広く分散したい投資家に向いているETFです。
1698のチャートもきれいな右肩上がり。

組み入れ上位10銘柄
| 銘柄名 | 業種 | 割合 |
|---|---|---|
| 日本たばこ産業 | 食品 | 7.80% |
| キヤノン | 電気機器 | 6.46% |
| 三菱UFJ FG | 銀行 | 6.23% |
| ブリヂストン | ゴム製品 | 5.22% |
| アサヒGHD | 食品 | 4.21% |
| 三井住友FG | 銀行 | 3.81% |
| 三菱商事 | 商社 | 2.89% |
| INPEX | 鉱業 | 2.74% |
| みずほFG | 銀行 | 2.66% |
| キリンHD | 食品 | 2.59% |
※組み入れ銘柄や比率は変動するため、最新情報は必ず運用会社のサイトで確認しましょう。
比較表
| ETF | 組入銘柄数 | 利回り(目安) | 純資産額 |
|---|---|---|---|
| 1489 | 50 | 約3.4% | 3,000億円超 |
| 2529 | 70 | 約2.8% | 473億円 |
| 1698 | 100(株90・REIT10) | 約3.1% | 523億円 |
資産額が多い1489は安心して持つことができますが、分散性で言えば1698に利があります。
2529は増配系のETFなので現在の利回りは低くとも、将来的には高利回りになる可能性が高いです。
結論、どのETFも優秀です。
4. まとめ
NISAとETFは「長期・分散・低コスト」という投資の王道スタイルと相性抜群です。
- 1489なら、まずは定番の高配当ETFを持ちたい人に
- 2529なら、安定性と増配を重視したい人に
- 1698なら、より分散を効かせ、高配当を追求したい人に
自分の投資スタイルや目的に合わせてETFを選ぶことが大切です。
長期で保有しながら、共に資産形成を進めていきましょう。
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