株式投資

増配と高ROEが光るシグマクシス|高収益体質と増配が続く成長コンサル

シグマクシスホールディングス(6088)は、企業の戦略策定から実行支援までを一貫して担う稀有なコンサルティング企業です。2026年3月期中間決算では、売上高こそ横ばいながら、営業利益・経常利益で二桁の増益を達成し、収益基盤の強さを見せました。

この記事では、事業モデル、財務の健全性、成長性、配当政策などについて整理しながら、シグマクシスの投資価値を深掘りしていきます。


シグマクシスホールディングスとは

戦略実現の「シェルパ」を掲げる独自のコンサル企業

シグマクシスは戦略策定から実行支援、成果の実現までをワンストップで行うことを強みにしています。自らを戦略実現のシェルパ(クライアントの変革プロジェクト全体を導くパートナー)と位置づけ、クライアント企業の変革プロジェクトの最後の一歩まで伴走するスタイルが特徴です。

単一セグメントながら、実行支援まで担うことで大型案件や継続案件が多く、競合との差別化に成功しています。

DX需要を追い風に事業が拡大

近年では、基幹システムのSaaS化支援など、企業のデジタル変革に直結する大型案件が相次ぎ、業績を押し上げています。外注費を抑えながら成果フェーズへ移行した案件が増え、利益率の改善にも貢献しました。


直近の業績推移:利益率の改善が顕著

ここ数年のシグマクシスは、売上成長よりも利益体質の強化が大きなテーマとなっています。

2026年3月期中間決算のポイント

項目数値前年同期比
売上高125.58億円+0.0%
営業利益31.98億円+12.7%
経常利益33.8億円+12.6%
中間純利益22.64億円-1.2%
経常利益率26.9%+3.0pt

利益面の伸びが際立っており、外注比率の低下により収益性がさらに強化されています。


財務基盤:自己資本比率72%という盤石さ

貸借対照表の特徴

総資産は180.6億円(前期比 -8.5%)と縮小しましたが、これは投資有価証券の入れ替えや積極的な株主還元によるものです。負債が大きく減少しており、結果として自己資本比率は72.3に達しました。

高い自己資本比率は、景気変動耐性の高さを示す重要な指標であり、中長期投資の安心感につながります。

キャッシュフローの動き

営業CFはプラス16.99億円と堅調で、事業活動による稼ぐ力の強さを確認できます。投資CFもプラスで推移し、財務CFは配当と自社株買いの実施でマイナス。株主還元を強化しつつ、潤沢なキャッシュ残高を維持しています。


収益性:ROE32%という圧倒的な高さ

収益性指標はどれも優秀で、とりわけROE32%は国内トップクラス。営業利益率・純利益率も上昇基調にあり、EPSも安定して伸び続けています。外注費の圧縮や、大型案件の実行フェーズへの移行が奏功し、利益率は過去と比べても着実に改善しています。


成長性:売上・EPSともに長期では右肩上がり

直近12四半期では、売上高とEPSが前年同期比で伸び続け、フリーキャッシュフローも安定してプラス圏を維持しています。
コンサルティング事業は景気の影響を受けやすい側面がありますが、シグマクシスはクライアントが多業種に分散しているため、特定セクター依存リスクが低い点も強みです。


2026年3月期の通期見通し:減収増益という質的成長へ

会社予想では、売上高は245億円(前期比 -6.8%)と減収の見込みですが、利益は増益を見込んでいます。

項目予想前期比
売上高245億円-6.8%
営業利益61億円+8.2%
経常利益63億円+7.2%
当期純利益44億円+0.1%

外注費の減少や効率性改善が進むことで、売上依存のビジネスから利益を生む体制へシフトしていることがわかります。


配当政策:増配姿勢が明確に

直近の配当金推移は以下の通りです。

年度配当
2020年11円
2021年11円
2022年13円
2023年8円
2024年13.5円
2025年21円
2026年26円(予想)

2026年は前期比 +5円の増配を予定しており、株主還元を積極化する姿勢が鮮明です。
現在の株価806円から算出すると、配当利回りは約3.2%。成長企業としては十分魅力的な利回り水準ですね。

株価チャート

Googleより引用 25.12.10

株価が6月から調整しているのは、主に短期的な業績の鈍化や割高感の解消が主な理由として挙げられます。需給要因も加わり、下げが強りましたが、中期的な成長ストーリーは変わらず、長期では依然として上昇トレンドを維持している形が確認できます。


投資価値のまとめ:成長と安定を兼ね備えたコンサル企業

シグマクシスの投資価値を整理すると、

  • ROE32%の高収益体質
  • 自己資本比率72%の盤石さ
  • 増配基調
  • 多業種クライアントによる景気耐性
  • 実行フェーズまで担う差別化モデル
  • 安定したキャッシュフロー

と、多くの強みが揃っています。

FIREを目指す投資家にとっては、安定成長 × 高い収益性 × 株主還元というバランスの良い銘柄として検討価値の高い企業です。長期保有でじっくりリターンを積み上げたい投資家にとって、シグマクシスは引き続き注目に値する存在と言えます。

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