近年、FIREの話題はますます広がり、SNSでも自由に生きるための資産形成が当たり前のテーマになってきました。私自身、FIRE事例を読むのが好きで、これまでに100名ほどの達成者のインタビューやXの投稿、note、メディア記事に触れてきました。
これらを整理してみると「これは共通しているなぁ。」と感じるポイントが、ハッキリと浮かび上がります。
今回は、マインド・お金の習慣・投資戦略・FIRE後の生活、この4つに分けてまとめました。
派手なテクニックではありません。ただ、続ければ誰でも再現できる地に足のついた習慣ばかりです。

①マインドセットの共通点:焦らない人ほど強かった
100名程の話に触れ、一番に共通しているところは、落ち着いた長期思考をしている人が多いという点です。
今年、ある雑誌に掲載されていた投資家の方(40代・不労所得1000万超え)のインタビューでは、印象的な言葉がありました。
「時間は点じゃなくて面で見る。暴落の1年だけ切り取っても意味がない」
この言葉を読んだ時に、私はコロナショックや2022年の株安で資産が大きく減ったことを思い出しました。半年単位で見ると厳しい数字でも、10年単位で見れば、ただの1ページでしかないんですよね。そして資産は回復どころか、元の資産を超えていきました。
資産が減った時に焦る必要はなくて、むしろ短期の値動きに振り回されるほど、判断が雑になりがちです。あの時もし感情のままに売っていたら、今の資産には絶対に届いていません。
もう一つ大きいのは失敗耐性です。
FIRE達成者の多くの方が、大小の失敗談を普通に語っています。
● FXで大損してインデックス投資に切り替えた30代男性(Xでの実体験)
● 節約にこだわりすぎて夫婦関係が悪化したガンチ氏(2025年『ダイヤモンド・ザイ』)
● 副業で疲れ切り、本業の評価が落ちたという会社員の例 など
ただ、どの人も共通していたのは失敗しても、自分の生活スタイルを柔軟に調整できることです。完璧主義な人は少なく、どちらかというと働きながら自分を整えていくタイプの人が多いという印象です。
②財務習慣の共通点:無理な節約ではなく自然と貯まる仕組み
FIRE達成者の分析で、数字として最も分かりやすく共通していたのは貯蓄率です。
● 100人の平均貯蓄率 → 約60%
ここが本当に強い。とはいえ、極端な節約をしているわけではありません。
あるFIRE達成者は、貯蓄率70%を保ちながらも、旅行や趣味は普通に楽しんでいたと語っています。
今年公開された資産家クライアント向けのnote記事でも、同じように「固定費を整えると、節約が苦ではなくなる」という内容が繰り返し指摘されていました。
支出の最適化も共通点で、欲しいものを買わないのではなく「要るものだけにお金を使う」姿勢が目立ちます。
Xの投稿でもよく出ていたのは次のような話です。
● サブスクの棚卸しを月1でやる
● ペットボトル飲料をやめて水筒に変えたら年間3万円浮いた
● 割り勘文化が散財を減らす
どれも地味ですが、積み重ねると、長期で効果が大きくなっていきますね。
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③投資戦略の共通点:戦わずに勝つ人が多い
投資戦略は人によって差が大きいのですが、FIRE達成者の多くに共通する核となる部分は驚くほど似ています。
● 投資の中心はインデックス
● 副業で入金力を高める
● 現金バッファを厚くする(生活費7〜8年分)
いわゆるバケツ戦略を採用する人が多く、2025年の九条氏のセミナーでも、暴落耐性を高めるためにキャッシュを多めに持つ重要性が語られていました。また、不動産で収入源を増やす人も増えており、不動産で月数~数十万円の不労所得を作る事例はSNS上でもよく見られます。
副収入についても、過度に難しいものではなく、継続すると伸びる系の仕事が主流でした。
2025年に話題になった医師のサイドFIRE事例では、研究業務を副業として継続し、自由度と収入を両立していました。
結局のところ、派手さよりも、日々の積み重ねをどう仕組みに落とし込むか。できることを淡々と続けられるか。そこにFIREを叶える人たちの共通点があるように思います。
④生活設計の共通点:FIRE後はつながりを大事にしている
意外かもしれませんが、FIRE後の生活を分析すると、孤独に悩む人は珍しくありません。
2025年のあおぞら銀行の特集では、FIRE後の孤立に関する調査があり、
「FIRE後に孤独を感じた」と答えた人 → 約3割
という結果が出ていました。
ところが、成功しているFIRE達成者はこの部分の対策が巧みです。多くの人がサイドFIREを選んでいます。
● 好きな仕事を週2〜3日に減らして継続
● コミュニティに所属
● 趣味の活動を固定化(読書会・写真・登山など)
● 学習や運動で生活リズムを整える
木下洋介氏が2025年の講演で語っていた「体力と適応力がFIREの持続力を決める」という話は、かなり納得度が高い内容でした。
FIREはゴールではなく、どう過ごすかを考えるステージの始まりなのだと思います。
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共通点まとめ(事例をもとに再構成)
| カテゴリ | FIRE達成者の共通点 | 具体例 | すぐに取り入れやすい方法 |
|---|---|---|---|
| マインド | 長期思考・失敗への柔軟性 | 村野氏の「時間を面で見る」思考 | 資産年表を作って週1で振り返る |
| 財務習慣 | 貯蓄率50〜70%、固定費の徹底管理 | ガンチ氏の“節約しながら楽しむ生活” | 家計簿アプリで固定費チェック |
| 投資戦略 | インデックス+副業、現金バッファ | 九条氏のバケツ戦略 | 新NISA積立+副収入を月5万目標で |
| 生活設計 | サイドFIREで社会とつながる | 田中渓氏の仕事継続スタイル | 趣味リスト、コミュニティ参加 |
まとめ:FIREは一気に走る競技ではなかった
100名程の実例から強く感じたのは、FIREは特別な人だけが達成できる理想ではないということでした。
・貯蓄率を50%に近づける
・インデックス投資を当たり前にする
・副業で入金力を少しずつ伸ばす
・生活そのものを整える
この4つが揃えば、FIREは急に非現実的なものではなくなります。
まずは、手元の生活費を計算してみてください。そして年間支出 × 25で必要額を出し、今日から1つだけでも習慣を始めてみる。
どれか1つ動かすだけで、自分の人生が確実に前へ進んでいるという実感が生まれます。
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私はインデックス投資もしていますが、高配当株投資を主戦法としてきました。それぞれのメリットがありますね。




