人生論 資産形成

【実体験】配当金が生活費を上回った瞬間に感じた「自由」とは

はじめに

投資を続けていると、数字以上の価値を感じる瞬間があります。私にとってそれは、年間の配当金が生活費を上回った瞬間でした。

13年前、年間の配当金はわずか1万円ほど。投資の世界では誤差と言われても仕方ない金額です。しかし2023年には約380万円、そして2024年には税引き後で年間400万円を突破しました。

この金額が、私自身の生活費を超えたと気付いたとき、思っていた以上に心が軽くなりました。

今日はその心の変化と、そこに至るまでの現実的なプロセス、そして読者の皆さんが同じ境地を目指す際に役立つ視点をまとめていきます。


配当金が生活費を上回るとはどういう状態か

“働かなくても暮らせる”ではなく、“選択肢が生まれる”状態

配当金が生活費を超えると、何か劇的に生活が変わるわけではありません。しかし、意思決定の基準が変わるのを感じます。

  • 働き方の選択肢が増える
  • 不安の質が変わる
  • 時間に対する感覚が変わる
  • 心の余白が生まれる

特に大きかったのは仕事を辞められるという意味ではなく、辞める必要がないという精神的な余裕でした。

配当金と生活費のバランス

読者の方が自分の状況を把握しやすいよう、一般的なケースと比較できるように、以下の簡単な表を作りました。

【年間生活費と、必要な税引き後配当金の目安】

年間生活費生活費を賄うために必要な税引き後配当金税引き前の必要額(概算)
200万円200万円約260万円
300万円300万円約390万円
350万円350万円約455万円
400万円400万円約520万円

私の場合、年間生活費が約380〜400万円のラインなので、2024年に配当金が生活費を上回った計算になります。

ちなみに2025年11月の配当金は税引き後50万円を超えました。すっかり配当金の受領に慣れてしまいましたが、20代の私からすると、「不労所得で50万円」以上の配当金を得られるなんて、やはり夢のような金額なのだと有難く思います。


400万円の配当金に至るまでの13年間

1万円のスタートでも積み上げれば「軌道に乗る瞬間」がくる

最初の配当金は年間1万円。再投資しても、口座の数字が大きく動くことはありませんでした。それでも淡々と、下記の方針だけは揺らぎませんでした。

  • 配当金はすべて再投資
  • 高配当株と増配株を組み合わせる
  • 暴落時ほど「買う側」に回る
  • 配当利回りよりも「持続可能な配当」を優先
  • 生活コストを下げ、投資額を最大化する

特に効果が大きかったのは継続的な増配です。10年以上増配を続ける企業は、長期投資において非常に強い味方になります。

配当は「複利の効果」が実感しやすい

株価の複利は意識しづらいですが、配当金の複利は毎年の実額として感じ取れます。たとえば、以下は私自身の配当金推移のイメージ図です。

年度年間配当金(税引き後)変化
2011年約1万円スタート
2015年約28万円コツコツ積み上げ期
2020年約200万円増配の恩恵が加速
2023年約380万円現実的に「生活費に匹敵」
2024年約400万円超生活費を上回る

10〜13年の積み重ねで配当は跳ねる瞬間が出てきます。これは仕事面など、あらゆる面で起きる事象だと思います。


配当金が生活費を上回った瞬間に起きた「心の変化」

① 不安のベクトルが変わる

以前は働けなくなったらどうしようという不安もありました。しかし今は、働くかどうかを自分で選べるという発想に変わりました。

② 仕事で無理をしなくなる

生活費が運用益で賄えると、仕事のストレス耐性が劇的に変わります。理不尽な要求に対して嫌なら辞めてもいいという選択肢があることは強いです。

③ 本当に必要なモノが分かる

お金のために働かなくてよくなると、「自分がしたいこと」「自分がしたくないこと」が驚くほどクリアになります。

④ 投資の目的が変わる

お金を増やすための投資から、より豊かな人生時間をつくるための投資へ。数字の大きさではなく、生活にどれだけ自由をもたらすかが基準になります。


FIREではなくても“部分的FIRE”は誰でも狙える

完全なFIREでリタイアする必要はありません。年間生活費の50%を配当で賄うだけでも、人生は大きく変わります。

部分的FIREの例として、以下のようなケースがあります。

  • 配当で生活費の半分 → 仕事の時間を減らす
  • 配当で固定費を賄う → 精神的安全性が高まる
  • 配当で生活費を全額カバー → 仕事を選ぶ側になる

私自身は生活費を配当で賄える状態になって初めて、本当の意味で人生の選択肢が増えたと実感しました。


まとめ:自由とはお金の金額ではなく、心が軽くなる感覚

配当金が生活費を上回っても、生活そのものは急に変化しません。ただし、心の在り方が根本から変わります。

  • 働くかどうかを選べる自由
  • 不安なく暮らせる自由
  • 時間を取り戻す自由
  • 人間関係を選ぶ自由

これらはすべて、投資を続けた先に静かに積みあがっていく見えない資産です。

13年間積み上げてきた中で強く感じたのは、配当金は人生の安定装置であり、自由へ続く階段だということ。

もしあなたが今、配当金が月数千円でも、1万円でも、焦る必要はありません。小さな金額が、ある年を境に大きな自由へと変わる瞬間が必ずやってきます。皆さんの投資の旅路の一歩が、自由への近道になりますように。

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