「高配当ETFにまとまった資金を投資したら、将来どれくらいの配当収入が得られるのか。」
これは長期高配当投資を考える人なら一度は気になるテーマだと思います。
そこで今回は、米国の人気高配当ETF VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)に1,000万円を投資した場合をシミュレーションしてみました。
初年度利回り2.5%、年平均増配率5%という保守的な条件で、10年後・20年後・30年後の年間配当金と累計配当金を算出しています。

VYMとは?
VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)は、米国の高配当株を中心に構成されたETFです。
金融・ヘルスケア・生活必需品など、景気に左右されにくい安定的な業種が多く含まれており、長期の配当収入を狙う投資家に人気があります。
VYMの組み入れ銘柄は400社以上と、他の高配当ETFに比べ圧倒的に多い数です。
ETF1銘柄だけで400社への分散投資を行えるため、個別株投資に比べて価格変動リスクを大幅に抑えつつ、安定した配当を狙うことができます。
VYMの主な構成銘柄(2025年時点)
VYMの上位10銘柄です。(時期によって変わります。)
| 銘柄 | 会社名 | 保有株数(百万株) | 時価総額(十億ドル) | 組入比率(%) |
|---|---|---|---|---|
| AVGO | ブロードコム | 14.35 | 422.0 | 6.84 |
| JPM | JPモルガン・チェース | 8.63 | 256.0 | 4.15 |
| XOM | エクソンモービル | 13.47 | 150.0 | 2.44 |
| WMT | ウォルマート | 13.52 | 132.0 | 2.15 |
| JNJ | ジョンソン・エンド・ジョンソン | 7.48 | 123.0 | 2.00 |
| HD | ホームデポ | 3.09 | 114.0 | 1.84 |
| PG | プロクター・アンド・ギャンブル | 7.30 | 110.0 | 1.78 |
| ABBV | アッヴィ | 5.51 | 104.0 | 1.69 |
| BAC | バンク・オブ・アメリカ | 21.31 | 101.0 | 1.63 |
| CVX | シェブロン | 5.97 | 90.5 | 1.47 |
一度は見聞きしたことがあるような企業が上位に君臨しています。
VYMの株価チャート

ついに株価は140ドルを超えました。
過去の推移を見ても、リーマンショックやコロナショックなど一時的な下落はあるものの、長期的には右肩上がりで推移しています。
配当を受け取りながら株価の成長も期待できる点がVYMの強みです。
シミュレーションの前提条件
今回のシミュレーションの前提条件は以下の通り。
このシミュレーションでは、初年度利回り2.5%、年平均増配率5%と保守的に見積もった数値で計算しています。
あえて保守的に設定することで、より現実的な将来像を示しつつ、実際には上振れする可能性もある点を考慮しています。
シミュレーション結果
年間配当金と累計配当金
まずは視覚的に分かりやすい棒グラフでザッと年間配当金の推移を見てみましょう。

配当金の増え方や長期的な成長イメージが一目で把握できますね。
30年目で100万円を超えている点に注目です。
では、実際の数字を見ていきましょう。
シミュレーション結果(5年刻み)
| 経過年数 | 年間配当金 | 累計配当金 |
|---|---|---|
| 1年目 | 25.0万円 | 25.0万円 |
| 5年目 | 30.3万円 | 138万円 |
| 10年目 | 40.7万円 | 312万円 |
| 15年目 | 54.7万円 | 533万円 |
| 20年目 | 73.5万円 | 840万円 |
| 25年目 | 98.8万円 | 1,255万円 |
| 30年目 | 132.7万円 | 1,819万円 |
30年後には、年間配当金が130万円を超え、累計では1,800万円以上を受け取れる計算になりました。
増配率を保守的に見積もった想定でも、時間×増配率の影響で配当が雪だるま式に増えていく様子がよく分かります。
増配率が変わった場合の比較
増配率を更に保守的にした場合と、今の10年増配率を維持した場合のケースです。
年3%の増配 → 30年後の年間配当金は約67万円
年7%の増配 → 30年後の年間配当金は約210万円
超保守的な年3%の増配のケースでも、年間配当金は70万弱に。
購入時での利回りに換算すると約7%。
現在の利回りは大きく劣ってしまいますが、将来的にはリスク高めの高利回りETFに引けを取らない利回りです。
仮に、現在の10年増配率6.8%近辺を維持できると、約210万円に膨れ上がります。
増配率を保守的に見積もった想定でも、時間×増配率の影響で配当が雪だるま式に増えていく様子がよく分かります。
配当再投資をした場合
仮に配当再投資をした場合は以下のようになります。
| 経過年数 | 年間配当金(円) | 累計配当金(円) |
|---|---|---|
| 10年目 | 約 410,000 | 約 3,400,000 |
| 20年目 | 約 700,000 | 約 13,000,000 |
| 30年目 | 約 1,200,000 | 約 33,000,000 |
累計配当金は約2倍の3300万程度となりました。
配当再投資は、長期投資における最大の威力と言えます。
再投資によって元本が増えるため、翌年以降の配当も増え、10年・20年・30年後にはその差が大きくなります。
まとめ
VYMは「長期で持ち続けるほど配当が伸びる」のが魅力です。
早い時期に1,000万円を投資すれば、数十年後には不労所得が生活を支える規模になります。
ただし、注意点もあります。
- 為替リスク(円高になれば配当は目減り)
- 米国市場への依存度が高い
- 今後も過去と同じ増配率が続くとは限らない
それでもVYMは、増配の力で将来の配当を伸ばしたい人に適したETFです。
長期で保有し、ポートフォリオの柱に据える価値があります。
私自身もVYMをポートフォリオの主力銘柄として長期保有中、今後も買い増しを継続していく所存であります。
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