資産形成

SCHDはもう魅力がない?|パフォーマンス・構成銘柄から投資妙味を検証

SCHDの現在地|高配当ETFは今も投資妙味があるのか

株式投資、とりわけFIREや早期リタイアを目指す投資家にとって、安定した配当収入は資産形成の中核となり得るテーマです。

その代表格として長らく支持を集めてきたのが、SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)です。

株クラ(株式投資コミュニティ)では一時期、「高配当ETFの王道」「インカム投資の完成形」とまで評価されました。一方、2025年に入ってからはAI関連株を中心とした成長株相場が続き、SCHDのパフォーマンス停滞を理由に売却する声も目立つようになっています。

本記事では、2025年12月時点のデータを基に、SCHDのパフォーマンス、構成銘柄、そして今なお投資妙味があるのかを検討します。


SCHDとは何か|基本設計を改めて整理する

Dow Jones U.S. Dividend 100 Indexに連動

SCHDは、Dow Jones U.S. Dividend 100 Indexをベンチマークとする高配当ETFです。単に配当利回りが高い銘柄を集めているわけではなく、以下の点を重視して構成されています。

・連続増配の実績
・キャッシュフローやROEなどの財務健全性
・過度な高配当(減配リスク)の排除

そのため、いわゆる「利回りだけの高配当ETF」とは一線を画し、配当の持続性と成長性を重視した設計になっています。

経費率は0.06%と非常に低く、長期保有に適したコスト構造です。


SCHDのパフォーマンスを振り返る

2025年はなぜ物足りないと言われたのか

2025年の米国株式市場は、AI・半導体を中心とした成長株が主役でした。一方で、SCHDは年次リバランスによりエネルギーセクター比率が約19%まで上昇。原油価格の変動がパフォーマンスに影響を与えました。

以下は、配当込みトータルリターンの比較です。

期間SCHDS&P500コメント
YTD(2025年)+5.29%+17.51%成長株相場で大きく劣後
1年+2.00%+13.64%AI関連株との差が顕在化
3年(年率)+5.46%+14.29%ボラティリティは低い
5年(年率)+9.48%+21.34%配当成長が下支え
10年(年率)+12.38%+14.97%安定性が強み

短期・中期では明確にS&P500に劣後しており、特にここ3年は10%近く差を付けられています。10年単位で見ると差は縮小しますがその差は歴然です。


配当実績という「SCHDの本質」

株価が伸びなくても、配当は伸びている

2025年の年間配当は1株あたり1.0476ドルと過去最高を更新しました。配当利回りは約3.8%前後で推移しています。

株価は27ドル台で横ばいですが、株価は停滞、配当は成長という構図こそ、SCHDの特徴です。

この点を理解せずに値上がり益だけで評価すると、魅力が見えにくいETFとも言えます。

年間配当合計の推移(主な年)

  • 2025年: 約 $1.05(Q1: $0.2488 → Q2: $0.2602 → Q3: $0.2604 → Q4: $0.2782)
  • 2024年: 約 $0.99
  • 2023年: 約 $0.89
  • 2022年: 約 $0.85
  • 2021年: 約 $0.75

SCHDの構成銘柄とセクター配分

セクター構成(2025年再構成後)

・エネルギー:約19%
・ヘルスケア:約18%
・通信サービス:約4%
・消費財:約18%
・金融:約11%

成長株比率は低く、ディフェンシブ寄りの構成です。

トップ10構成銘柄の特徴

上位には、以下のような財務と配当の信頼性が高い企業が並びます。

メルク (4.98%)

アムジェン (4.86%)

シスコ・システムズ (4.54%)

アッヴィ (4.30%)

コカ・コーラ (4.24%)

ブリストル・マイヤーズ・スクイブ (4.02%)

ペプシコ (4.00%)

シェブロン (3.82%)

ロッキード・マーチン (3.78%)

ベライゾン・コミュニケーションズ (3.76%)

平均PERは約15倍台と割安水準で、派手さはありませんが、長期のキャッシュ創出力に軸足を置いた構成です。


SCHDに投資妙味はあるのか|率直な評価

高い配当利回りと「成長する配当」

SCHDの最大の特徴は、単に利回りが高いだけでなく配当が成長している点にあります。2025年12月時点の配当利回りは約3.8%と、S&P500の平均利回り(約1〜2%)を大きく上回っています。それでいて、構成銘柄は10年以上の連続増配実績を持つ企業が中心です。

2025年の年間配当は過去最高を更新する勢いで、過去には9%以上の配当成長率を記録した年もあります。配当を再投資することで複利が働き、時間の経過とともに収入が雪だるま式に増えていきやすい点は、長期投資家にとって大きな魅力と言えるでしょう。


品質重視の選定基準が支える安定性

SCHDは、Dow Jones U.S. Dividend 100 Indexに連動し、財務の質を重視した厳格な選定基準を採用しています。キャッシュフローやROEといった指標を用い、配当の持続可能性が低い危うい高配当株を排除する仕組みです。

構成銘柄は約100社に分散されており、セクターはヘルスケア、エネルギー、金融などの安定的な分野が中心です。これにより、派手な値上がりはなくとも、配当の継続性と下落耐性を重視した構成になっています。


長期投資に有利な超低コスト構造

SCHDの経費率は0.06%と、ETFの中でも業界最低水準です。短期では意識されにくい差ですが、10年、20年と保有期間が延びるほど、コストの低さは確実に効いてきます。

配当を受け取りながら再投資を続ける戦略において、余計なコストがかからない点は、長期の資産形成において非常に重要な要素です。


短期に弱く、長期に強いパフォーマンス特性

SCHDの設定来(2011年)の年平均リターンは約12%超と、長期では堅調な成績を残しています。一方で、2025年のように成長株が主導する局面では、S&P500に劣後しやすいのも事実です。特にエネルギーセクター比率の上昇が、年初来パフォーマンスを抑える要因となりました。

ただし、市場下落局面やバリュー株への資金回帰が起きる局面では、SCHDの安定性が際立ちます。配当再投資を含めた総リターンでは、VYMやJEPIを上回る期間も多く、時間を味方につける投資家ほど、その強みが発揮されやすいETFと言えるでしょう。

向いている投資家

SCHDが真価を発揮するのは、以下のような投資スタイルです。

・10年以上の長期保有
・配当収入を重視
・価格変動より精神的安定を優先

14年連続増配という実績は、インフレ環境下でも購買力を守る武器になります。ポートフォリオ全体のクッション役としての役割は、今も健在です。

向いていない投資家

一方で、
・短期での高リターンを狙う
・AI、テック株中心で資産を伸ばしたい

こうした投資家にとって、2025年のSCHDは物足りなく映るでしょう。売却判断自体も、十分合理的です。


まとめ|SCHDは地味だが信頼できる相棒

SCHDは、決して流行のETFではありません。しかし、派手さを捨て、配当という確実性を選んだETFです。

2025年の低調は、市場サイクルの一局面に過ぎません。成長株が調整局面に入れば、再び評価される可能性もあります。

重要なのは、今の相場ではなく、自身の投資地図に合っているかということ。

私にとっては投資方針に合致する銘柄ですので、これからも一定額の買いを継続していきます。

FIREや資産形成はマラソンです。焦らず、配当とともに着実に前進する。SCHDは、今もその選択肢の一つであり続けています。

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