2025年11月、国内の投資信託市場に大きな注目を集める新ファンドが登場しました。「ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド」。愛称は「メガ10」。米国を代表する超大型グロース株トップ10に均等投資するという、非常にシンプルかつ現代的な設計を持つインデックスファンドです。
設定直後からXでは投資家たちの間で話題となっており、「FANG+の進化版?」「テック集中のリスクを少し和らげた絶妙なライン」といった議論が実際に増えています。
この記事では、メガ10とは何か、どんな魅力があるのか、そしてなぜFANG+の強力なライバルと語られているのかを丁寧に整理していきます。

メガ10とは?
超大型グロース株10銘柄に“均等投資”する新しい仕組み
メガ10は、Solactive社が2025年10月に算出を開始した「Solactive US Growth Mega 10 Select インデックス」に連動するインデックスファンド。
この指数の最大の特徴は、米国上場株全体から「予想売上成長率」「EPS成長率」などの成長性を基準にスクリーニングし、その中から“時価総額が大きい上位10銘柄”を選ぶという点にあります。
現在の組入れ銘柄(2025年12月時点)は以下のとおり。
- Nvidia
- Microsoft
- Alphabet
- Meta
- Amazon
- Broadcom
- Tesla
- Eli Lilly(製薬)
- Visa
- Mastercard
いずれも世界的な巨大企業ですが、注目すべきはAppleが除外されていること。そしてテックに寄りながらも、ヘルスケアや金融が含まれ、自然とセクター分散が効いています。これがFANG+と似ているようで、似ていない大きな違いになります。
FANG+との比較
投資家が注目する理由は「構成・コスト・柔軟性」の差
ファンドの立ち位置をより鮮明にするために、FANG+との比較表を整理しておきます。
| 項目 | FANG+(iFreeNEXT FANG+) | メガ10 |
|---|---|---|
| 対象指数 | NYSE FANG+指数 | Solactive US Growth Mega 10 Select |
| 銘柄数 | 10銘柄(固定枠6+変動枠4) | 10銘柄(成長率スクリーニング+時価総額上位) |
| 主なセクター | テック・メディア中心で偏重 | テック中心だが金融・ヘルスケアが入る |
| リバランス | 年4回 | 年4回 |
| 信託報酬(税込) | 0.7755% | 0.385%(低コスト) |
| リターン(5年・参考値) | +184% | +213%(シミュレーション) |
| NISA対応 | つみたて/成長投資枠OK | 成長投資枠のみOK |
メガ10はFANG+の現代版アップデートとも言えそうです。
1. 信託報酬の圧倒的な低さ
0.385%というコストは、FANG+の約半分です。
長期積立で効いてくるのは結局コストという考え方の投資家には非常に刺さります。
2. 旬の成長株が自動的に選ばれる
メガ10は成長率で銘柄を選ぶため、Appleのように成長鈍化が指摘される銘柄は外れやすく、一方でEli Lillyのように近年急伸した企業が入っててきます。FANG+は固定枠が多いため、どうしても銘柄入れ替えの柔軟性に欠けます。
3. リスク分散が効きやすい
FANG+はテック特化型で、その分上昇時の爆発力も大きいですが、金利上昇局面では下落の振れ幅も大きくなります。メガ10は超大型+非テックを含むという点で、相対的に安定感があります。
なぜ今、メガ10が注目を集めているのか
AIブームの次を見据える投資家層に刺さる
1. 「テック一本足打法」からの脱却ニーズ
FANG+は強力ですが、AIバブルがもし逆回転した場合のリスクは大きいです。
その点、メガ10にはEli Lilly(肥満治療薬で世界的に需要拡大)や決済インフラ大手Visa/Mastercardが入るため、構造的に成長を続けやすいとイいえます。
2. 新NISA効果
2024〜2025年の新NISA人気により、少数精鋭型ファンドの需要が急拡大。投資家の関心が高まっています。
3. コスト面の優位性
コスト差は複利で効いてきます。わずかな差に見えて、10年・20年投資では非常に大きな差になるため、長期志向の投資家ほどメガ10を評価する傾向が強いです。
Xから見える投資家のリアルな評価
実際の投稿を追うと、投資家の反応は概ねポジティブです。
- 「FANG+の代わりにこっちでいいのでは?」
- 「NASDAQ100とFANG+の“いいとこ取り”みたいな位置づけ」
- 「コストが半分。これだけで魅力十分」
一方で、以下のような声も散見されます。
- 「FANG+の実績とブランド力はまだ強い」
- 「メガ10はつみたて枠非対応なのが惜しい」
総じて、実績のFANG+・未来志向のメガ10という見方が投資家の間で定着しつつあるようです。
メガ10のメリットと注意点
メリット
- 超大型グロース株10銘柄に分散できる
- コストが非常に低い
- 成長率重視のスクリーニングで銘柄が自然にアップデート
- セクター偏重がFANG+より弱い
- 新NISAの成長投資枠で利用可能
デメリット
- つみたて投資枠非対応
- AIバブルの恩恵を強く受ける点はFANG+と同じ
- 年4回の入れ替えにより銘柄が変動しやすく、好みが分かれる可能性
- 設定直後で実績がまだない(ここが唯一最大の弱点)
結論:あなたはFANG+派?メガ10派?
どちらが正解という話ではありません。
ただ、メガ10がFANG+の低コスト版アップデートであることは明らかでしょう。
- テック偏重を避けたい
- 長期でコストを抑えて成長株に乗りたい
- 数銘柄の個別投資が怖い
- 新NISAの成長投資枠でシンプルな選択肢が欲しい
こうした投資家には、メガ10は非常に魅力的な選択肢になります。
一方で、実績と歴史を重視、テック株の爆発力が欲しいという人にはやはりFANG+が合うでしょう。
いずれにせよ米国の超大型グロース株が世界経済を牽引している時代です。これらのファンドを理解することそのものが、資産形成に大きなヒントを与えてくれますね。
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