「次の成長国はインドだ」「インドの時代が来る」と見聞きすることが数年前から増えました。
実際に、インドは人口増加、若い労働力、高成長経済を背景に、世界中の投資家から注目を集めています。
一方で、株価の割高感や情報不足といった課題点も挙げられます。
では、インド株投資に妙味はあるのか。
この記事では、インド株の特徴やメリット・デメリット、さらにつみたてNISAで唯一投資できる「iTrustインド株式(ピクテジャパン)」についても詳しく解説し、インド株投資の魅力について探っていきます。

インド株の魅力
インド株が注目される理由には、以下のような特徴があります。
1 人口の多さと若さ
インドは現在、中国を上回り、世界第1位の人口を誇ります。
生産年齢人口(15~64歳)の割合は約68%で、中国の約69%とほぼ同水準ですが、インドは20~30代の若年層が多く、今後も労働力として活躍することで消費が拡大し、経済成長をさらに押し上げることが期待されています。
人口の多さと、人口構成の優位性は、インド株投資における中長期の追い風となります。

2 高い経済成長率
IMFや内閣府の予測によると、インドの経済成長率は6.2%。
日本1.2%、欧州1.1%、米国1.8%、中国4.0%と比べても突出しています。
そんなインド経済の成長を支える大きな要因のひとつは、力強い内需です。
14億人を超える人口を背景に、民間消費やインフラ投資が経済を押し上げています。
人口は今後も増加が見込まれており、こうした人口構成の優位性が、長期的な経済成長の原動力になると期待されています。

以下のように、株価指数もS&P500、TOPIXをアウトパフォームしています。

3. 米国関税の影響が小さい
インド経済は内需主導型の経済構造であり、対米輸出の割合は相対的に低くなります。
約6割が国内消費で、輸出依存度が低いため、米国関税の影響はGDPの0.1%程度にとどまります。

4.割高感の解消
2025年後半時点で、インド株のPERは過去平均を上回る水準にありますが、過度な割高感は後退し、徐々に低下傾向にあります。
これは、経済成長への期待が続く一方で、株価調整も進んでいることが背景です。
長期的に見れば企業の成長余地が大きく、特に大型株には相対的な投資魅力があると考えられます。
5.投資資金の流入
先日、Googleがインドに9,000億円を投じてデータセンターを建設する計画を出していたように、Google、Apple、Amazonなど世界的企業が次々とインドに参入。
さらに欧米・中東からの投資資金、インド国内の個人投資家による積立投資の急増もあり、安定した資金流入が成長を後押ししています。
他の新興国との比較
新興国投資の候補としては、中国、ブラジル、インドネシアなどが挙げられますが、中国は成長のピークを過ぎつつあり、人口減少や不動産問題が懸念材料。
ブラジルは資源価格に左右されやすく、政情リスクも高い状況。インドネシアは成長余地は大きいものの、経済規模ではインドに及びません。
その点、インドは人口規模・消費市場・IT人材を兼ね備えており、新興国投資の中でも有望な選択肢と言えるでしょう。
リターンとリスクの比較(円換算ベース)
次に、各国の主要株価指数のパフォーマンスを比較。黄色がインド(Nifty50指数)です。

過去5年間においてNifty50指数はS&P500(米国)に並ぶリターンを記録しています。
また、TOPIX(日本)、CSI300(中国)を大きく上回る成果を出しており、インド株の存在感は際立っています。
加えて、5年間のリスクリターン分析でも、S&P500と同様にNifty50は高いリターンを実現しながらも、値動きの振れ幅(リスク)が相対的に小さいという結果が出ています。
これは、新興国株の中でもインド株が特に安定した成長を見せていることを示しています。

インド株投資のデメリット
一方で、インド株投資にはいくつかのデメリットも存在します。
株価の値動きが大きく、短期投資には不向きです。
また、日本語での情報が少ないため、個別株の調査は難しい点もあります。
さらに、為替リスクを伴うため、円高局面ではリターンが削られる可能性があります。
つみたてNISAで買える唯一のインド株ファンド
個別株はハードルが高いため、投資信託がおすすめです。
つみたてNISAで唯一買える、インド株ファンド。
私も資金を投入しています。
「iTrustインド株式(ピクテジャパン)」
- つみたてNISA対象のインド株ファンドはこれだけ
- 信託報酬:0.9828%(他のインド株投信より低コスト)
- 組入上位銘柄(2024年時点)
- ICICI銀行(金融)
インド最大級の民間銀行。法人・リテール金融に強み。 - HDFC銀行(金融)
住宅ローンで圧倒的シェアを誇る。個人向け金融の成長株。 - インフォシス(IT)
世界トップクラスのITサービス企業。米欧の顧客基盤が厚い。 - アクシス銀行(金融)
民間大手銀行。デジタル金融や法人融資で成長。 - マックスファイナンシャルサービス(金融)
保険事業を中心に成長する金融グループ。
- ICICI銀行(金融)
金融36%、IT11%と、この2業種で約半分を占めていますが、インド経済の成長を広く取り込める点がメリットで、少額から長期的に分散投資が可能。
新興国株の中では比較的低コストで運用できるのも魅力です。
インド株はこんな人におすすめ
長期で資産を育てたい人
10年、20年単位で「人口ボーナス」「経済成長」を享受したい人。
新興国に分散したい人
すでに米国株や日本株を持っていて、ポートフォリオを新興国に広げたい人。
ITや金融の成長を取り込みたい人
世界的に強みを持つインドのIT企業、急成長する金融市場に魅力を感じる人。
多少の値動きに動じない人
短期的な下落に耐え、中長期でリターンを狙いたい人。
最後に
インド株は、人口増加・若い労働力・高成長率といった強力な追い風がある一方、値動きの大きさや情報不足というリスクも抱えています。
しかし、長期で保有することで、人口大国インドの成長を自分の資産に取り込むことができるでしょう。
長期・分散・積み立ての投資戦略を基本に、インドの将来性に期待して資産形成を進めていきたいと考えています。
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