建材やインテリアの分野で高いシェアを持ち、創業70年以上の歴史を誇る化学メーカー。それが アイカ工業(4206) です。
株価は3,500円前後と中堅株の位置づけながら、収益性・財務基盤・株主還元すべてにおいて安定感が際立つ企業で、長期投資家から密かに人気のある銘柄です。私も100株長期でホールド中の銘柄です。本記事では、事業内容・業績の強み・財務の安定性・配当金推移・株主還元姿勢 まで、投資家が知りたいポイントを解説していきます。

堅実に伸びる建材×化成品メーカー
最初に結論をまとめると、アイカ工業の魅力は次の3点です。
- 建装建材と化成品という 景気に左右されにくい事業基盤
- 過去12四半期で改善が続く 収益性・成長性・財務安定性
- 7年連続増配、配当性向も健全な 株主還元姿勢の高さ
アイカ工業は派手なグロース株ではありませんが、着実な成長と高い収益性を両立しており、堅いポートフォリオを作りたい長期投資家 が安心して保有できるタイプの企業です。
アイカ工業(4206)の概要
事業内容と特徴
アイカ工業は、化成品と建装建材の2つの事業を柱とするメーカーです。
化成品セグメント
- 接着剤系商品
- 建設樹脂系商品
- 電子機器向けの機能材料
接着剤や防水材など、生活者には見えない部分で活躍する縁の下の力持ちのような製品が中心です。BtoB比率が高いため景気の影響が比較的小さく、収益の安定源となっています。
建装建材セグメント(h3)
- メラミン化粧板(国内トップクラスのシェア)
- 不燃建材
- キッチンなどの住器建材
住宅需要に直結するセグメントで、近年のリフォーム需要の増加も追い風。さらにアイカ工業はFSC認証材を使ったエコ建材開発に注力しており、SDGsへの意識が高い法人からの引き合いが急増 しています。
環境対応は今後の建材メーカーの必須条件ですが、同社は早期から投資を進めていたため差別化につながっています。
直近の業績|“順調”の一言。中間決算も増収増益で推移
アイカ工業の2026年3月期中間決算は、次の通り着実な成長を示しています。
売上高:1,213.51億円(前年比+1.0%)
営業利益:133.48億円(+1.5%)
純利益:94.24億円(+6.4%)
自己資本比率:62.4%(前期末60.2% → 改善)
特に建装建材セグメントが牽引しており、中間期で 増収増益 を維持している点は評価できます。
また、通期予想も以下のように堅調です。
売上高:2,650億円(前期比+6.6%)
営業利益:290億円(+5.8%)
純利益:183億円(+8.3%)
会社側が通期予想を据え置いているのは計画通りに進んでいるという証拠で、過度な強気姿勢も見られず、堅実な経営姿勢がうかがえます。
過去12四半期のトレンド|収益性・安定性・成長性がすべて改善
会社業績の「質」に踏み込むと、アイカ工業は次のように極めて安定しています。
〈収益性〉
- 営業利益率、純利益率ともに前年同期比で改善
- ROEは10%台を維持
- ROAも安定推移
高収益体質を維持しつつ、利益率がさらに改善している点は強みです。
〈安定性〉
- 有利子負債は減少傾向
- 自己資本比率は“62.4%”で極めて健全
- EPSは増加基調で、振れ幅も小さい
製造業で自己資本比率60%超はかなり強固な財務です。
〈成長性〉
- 売上高は右肩上がり
- EPSも継続して増加
- フリーキャッシュフローは安定推移
短期・長期ともに、緩やかに成長している姿が読み取れます。
配当金推移|7年連続増配。安定した株主還元が魅力
長期投資家が特に気になる配当政策。アイカ工業は緩やかながらも着実な増配を続けています。
過去の配当金推移(h2)
| 年度 | 配当金 |
|---|---|
| 2020年 | 106円 |
| 2021年 | 107円 |
| 2022年 | 108円 |
| 2023年 | 109円 |
| 2024年 | 112円 |
| 2025年 | 126円 |
| 2026年(予想) | 136円 |
コロナ禍でも配当を維持し、2025年以降は積極的な増配ペースに入っています。
2026年3月期の配当性向は46.6%予想 と、過度でも低すぎでもない、健全な水準です。
現在の投資指標(2025年時点)
- 株価:3,502円
- PER:11.92倍
- PBR:1.26倍
- 配当利回り:3.88%
- ROE:10.08%
- 自己資本比率:60.2%
PER12倍前後、PBR1.2倍台は割高感なし。利回り3.8%台も十分な魅力です。
収益性と財務安定性を考えると、“適正〜やや割安” と評価できます。
アイカ工業の魅力|個人投資家が注目すべきポイント
1. ニッチだが強固な国内シェア(
特にメラミン化粧板は国内トップクラスで、省エネ住宅・リフォーム需要に直結。業界内での競争力が高く、売上が安定しやすい構造です。
2. SDGs対応が進んでいる
FSC認証材など環境対応建材は、今後ますます需要が増える領域。「環境対応=選ばれる理由」になる時代にマッチしています。
3. 財務が強い
自己資本比率60%超、負債比率の低さは非常に魅力。経済ショック時の耐久性は、投資家にとって安心材料です。
4. 増配が期待できる
EPSが右肩上がりで推移しており、利益成長 → 配当成長の循環ができています。
まとめ|長期で安心して持てる、実力派の優良株
アイカ工業は、
- 景気に左右されにくい堅実な事業構造
- 収益性・成長性・財務健全性の三拍子がそろった企業体質
- 7年連続増配の株主還元姿勢
という点で、長期保有に適した銘柄です。
一気に株価が跳ねるタイプではありませんが、じわじわ伸びる堅実株 の典型例と言えます。
ポートフォリオの安定感を高めたい投資家にとって、アイカ工業は十分検討に値する銘柄です。