株式投資やFIRE、早期リタイアを目指す過程で、多くの方が一度はこう考えるのではないでしょうか。
まとまった資金がないと、良い投資はできない。
しかし実際には、5万円台以下という少額でも、好業績、割安、高配当という三拍子が揃った企業は確かに存在します。
本記事では、低PBRかつ業績が安定・改善しており、配当もきちんと出している日本株に絞り、5万円台以下で買える銘柄を7社厳選しました。
短期的な値上がりを狙う記事ではありません。FIREや資産形成を意識した、持ち続けられる割安高配当株という視点でご紹介します。

なぜ「5万円台以下×低PBR×好業績」に注目するのか
少額投資でも「質」を犠牲にしないため
5万円台以下の銘柄というと、小型株・不人気株という印象を持たれがちです。
しかし、株価が低い=企業価値が低いとは限りません。
特に注目したいのがPBR(株価純資産倍率)です。
- PBR1倍以下 → 企業の解散価値よりも株価が低い水準
- それでも業績が伸びている → 市場の評価が追いついていない可能性
つまり、安く放置されているが、実態は悪くない企業が見つかりやすい領域でもあります。
FIRE・配当再投資との相性が良い
高配当かつ業績が安定していれば、
- 配当を再投資して複利を効かせる
- 将来的に生活費の一部を配当で賄う
といった戦略とも相性が良く、資産形成の初期〜中盤を支える土台になりやすいのが特徴です。
銘柄選定の基準|低PBR×好業績×高配当
今回の7社は、以下の条件を満たす銘柄から選定しています。
- 株価:5万円台以下
- PBR:1倍以下
- 配当利回り:おおむね3〜4%台
- 経常利益:前年同期比で15%以上プラス
- 配当性向:過度に無理のない水準(20~60%)
利回りだけが高い一発屋や業績が右肩下がりの高配当株は除外し、継続性を重視しました。
5万円台以下で買える好業績&割安高配当株一覧
まずは、今回取り上げる7社を一覧で確認してみましょう。
| 銘柄名 | 終値(円) | PBR | 配当利回り |
|---|---|---|---|
| タカミヤ(2445) | 422 | 0.89 | 3.79% |
| 笹徳印刷(3958) | 557 | 0.34 | 3.23% |
| ダイヤモンドエレクトリックHD(6699) | 565 | 0.42 | 4.42% |
| 日本モーゲージサービス(7192) | 507 | 0.83 | 3.94% |
| ミクニ(7247) | 356 | 0.32 | 3.93% |
| ナカバヤシ(7987) | 585 | 0.56 | 3.76% |
| あかつき本社(8737) | 590 | 0.95 | 4.24% |
各銘柄の注目ポイント
タカミヤ(2445)|インフラ需要を背景に安定成長
タカミヤは、主にサービス業を営み、プラットフォーム事業を中心に展開しています。建設用仮設機材レンタルを軸とし、インフラ投資や再開発の影響を受けにくい安定した事業基盤が特徴です。この事業は、デジタル化の進展に伴い、安定した需要を捉えており、2026年3月期中間決算では売上高が前年同期比0.2%増の212億円、営業利益が38.3%増の11億円を達成しました。
直近決算では利益面が大きく改善しており、PBR0.89倍という水準は、事業内容を考えると控えめな評価と言えます。
笹徳印刷(3958)|超低PBRが示す見直し余地
笹徳印刷は、パッケージングとコミュニケーション分野を主軸とする印刷会社です。2026年6月期第1四半期では、売上高が前年同期比4.1%減の27億円となりましたが、経常利益は黒字転換を果たし、全体として好転の兆しが見えます。
PBR0.34倍という数値が示す通り、市場評価はかなり低水準。一方で業績は底打ちし、黒字転換と増益予想が出ています。
自社株買いにも積極的で、株主還元姿勢が明確になりつつある点は見逃せません。
ダイヤモンドエレクトリックHD(6699)|業績回復×高配当
ダイヤモンドエレクトリックホールディングスは、自動車機器事業とエネルギーソリューション事業を展開する電気機器メーカーです。2026年3月期中間決算では、売上高が前年同期比5.7%増の466億円、営業利益が大幅に黒字転換し、経常利益もプラス成長を記録しました。部材調達の改善と生産性向上により、収益性が向上しています。
PBR0.42倍・配当利回り4%超という組み合わせは、業績回復局面では特に魅力的に映ります。
日本モーゲージサービス(7192)|ニッチ金融の安定モデル
日本モーゲージサービスは、その他金融業に分類され、住宅瑕疵保険などを提供しています。住宅関連の保証・金融サービスを提供する企業で、景気変動を受けにくいストック型収益が特徴です。
2026年3月期中間決算では、営業収益が前年同期比4.5%増の37億円、営業利益が17.6%増の7億円と、経常利益のプラス成長を続けています。ROE11.65%という水準は、効率的な資本活用を示しており、自己資本比率39.7%と安定しています。PBR0.83倍、配当利回り3.94%は、住宅市場の回復を追い風に、少額で高リターンを狙えるポジションです。
ミクニ(7247)|割安感が際立つ自動車部品株
ミクニは、輸送用機器事業を主に手がけています。2026年3月期中間決算では、売上高が微減ながら営業利益が62.9%増、経常利益が27.8%増と大幅改善を果たしました。PBR0.32倍と、今回の中でも特に割安感が強い銘柄。利益面はしっかり改善しており、配当も安定しています。
短期で注目されにくい分、長期視点でじっくり持ちたいタイプの銘柄です。
ナカバヤシ(7987)|利益体質への転換が進む
ナカバヤシは、その他製品分野で事業を展開しています。2026年3月期中間決算では、売上高が前年同期比3.2%減の282億円となりましたが、営業利益が127.6%増の10億円、経常利益が106.1%増の12億円と、採算性重視の戦略が功を奏しました。ROE7.10%、自己資本比率50.8%と財務基盤が固く、PBR0.56倍、配当利回り3.76%が魅力です。有利子負債の縮小も進んでおり、安定志向の投資家に適しています。
売上は横ばいながら、利益率改善により大幅な増益を達成。自己資本比率も高く、守りの強さと配当の安定感が魅力です。
あかつき本社(8737)|高配当×多角化経営
あかつき本社は、証券・商品先物取引業を中核とし、高齢者施設開発や中古マンション事業を傘下に持つ持株会社です。2026年3月期第2四半期では、経常利益が前年同期比約48%増の25億円と好調で、配当性向32.3%と健全です。金融を軸に不動産・福祉分野へと事業を広げており、収益源が分散されている点が特徴です。PBR1倍未満・利回り4%超は、インカム狙いの投資家には見逃せない水準です。
投資にあたっての注意点
いずれも魅力的な銘柄ですが、小型株ゆえの値動きの荒さ、業界特有の構造変化といったリスクは存在します。
一括投資ではなく、分散・段階的な購入を前提に考えると安心感が高まります。
まとめ|少額でも「安くて、稼いで、配当も出す」
今回ご紹介した7社は、いずれも
- 5万円台以下で買える
- 業績が悪くない
- 割安で、配当もしっかり
という共通点を持っています。
FIREや資産形成は、派手な成功よりも続けられる戦略が重要です。
少額からでも、こうした銘柄を一つずつ積み上げていくことが、将来の安心につながりますね。
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