株式投資

為替ヘッジあり・なしの違いとは?FIREを目指す投資家に最適な選び方と具体例

投資をしている人なら、一度は聞いたことがある「為替ヘッジ」という言葉。

投資した外国資産の値動きだけでなく、円と外国通貨の交換レート(為替)の影響をどう扱うかを示す言葉なのですが…

正直なところ私は、意味をよく分からないまま投資していた時期がありました。

そこで今回は、為替ヘッジってそもそも何なのか、実際の数字での具体例、さらにFIREを目指す投資家にとってどちらが向いているのかを整理してみました。

ちなみに読み進めても分かりにくい場合は、記事の最後に絶対に分かるであろう例えを書いてますのでそちらをご覧ください。笑


1. 「ヘッジ」の意味とは?

ヘッジ(hedge)とは簡単に言うと「リスクを減らすこと」です。

為替ヘッジの場合、外国通貨と円の交換レートが変動しても、その影響を小さくする仕組みのことを指します。

為替リスク:ドルやユーロなど外国通貨の価値が変わることで、円換算の投資額が増えたり減ったりするリスク

為替ヘッジ:為替リスクを減らすために、通貨の変動をある程度固定すること

2. 為替ヘッジなし・ありのシナリオ(100万円投資)

前提

  • 投資商品:とある米国株ETF
  • 投資額:100万円
  • 投資時レート:1ドル=100円 (分かりやすく100円で)
  • 投資時に1,000ドル購入
  • 1年後、ETFのドル建て価格が1,200ドル(20%上昇)

円安(1ドル=120円)の場合

商品円換算評価額コメント
為替ヘッジなし1,200ドル × 120円 = 144万円円安で利益が拡大。
ETFの値上がり+為替差益で増える。
為替ヘッジあり1,200ドル × 100円 = 120万円為替差益は反映されず。
ETFの値上がり分だけ増加。

円の価値が100円から120円になったことで、株価の値上がりに+して為替利益も合わせて得られるのが、為替ヘッジなし。


円高(1ドル=80円)の場合

商品円換算評価額コメント
為替ヘッジなし1,200ドル × 80円 = 96万円円高で円換算の利益が減少、場合によっては元本割れも
為替ヘッジあり1,200ドル × 100円 = 120万円為替差損をヘッジできるため、円高でも安定

為替ヘッジで守備を固めていたため、円高になっても株価の値上がり利益を得ることができる、為替ヘッジあり。

一方で、為替ヘッジ無しは、円高になった影響が大きく元本割れしてしまいました。


3. 為替ヘッジなし・ありのメリット・デメリット

為替ヘッジあり・なしには、それぞれ特徴があります。

どちらも一長一短があり、投資の目的や期間によって向き・不向きが変わります。

そこで、両者のメリット・デメリットや向いているケースを表にまとめてみました。

為替ヘッジなし為替ヘッジあり
為替の影響あり(円換算で損益が変動)ほぼなし(損益の変動を抑制)
メリット為替差益が期待できる円換算で安定した運用成果
デメリット為替差損で損失が出る為替差益のチャンスも制限される
向いているケース長期投資、円安期待、FIRE向き円高予想、短期~中期運用、安定重視

4. FIREを目指す投資家に最適なのは?

FIRE(早期リタイア)を目指す場合は、長期で資産を育てることが前提になるため、為替ヘッジなしが基本的に向いています

理由のひとつは、ETFや外国資産の値上がりに加えて円安が進むと、資産の成長がさらに加速することです。

また、ヘッジをかけないことで余計なコストがかからず、総リターンを高くしやすいというメリットもあります。

5.パフォーマンス比較

下の図は、野村アセットマネジメントが運用するETF「NEXT FUNDS」のうち、NF・外国株ヘッジなしETF(2513)とNF・外国株ヘッジありETF(2514)の過去5年間の値動きを比べたものです。

緑が為替ヘッジなし、黄色が為替ヘッジありです。

nextfunds.jpより引用

過去5年間を見てみると、2018年12月以降、円高が少しずつ進んでいた時期は「ヘッジあり」のETFの方が値動きが良かったです。

しかし2021年に入って円安が進むと、逆に「ヘッジなし」のETFの上昇率が高くなり、「ヘッジあり」を上回りました。

つまり、この期間に限ると全体としては「為替ヘッジなし」のETFの方が有利だったと言えます。

ただし、為替の影響が大きく出る時期もあるので、為替リスクをどう考えるかで選び方は変わってきます。


6. まとめ

為替ヘッジなしの投資は、自由に利益を狙える一方で、円高になると損失が出るリスクもあります。

一方、為替ヘッジありの投資は、為替変動による損失を抑えられるため安定しますが、その分利益の伸びも抑えられます。

FIREを目指す場合は、長期で資産を育てることを重視するため、基本的には為替ヘッジなしでの投資が向いていると言えるでしょう。


サッカーで例えると

お待たせしました。笑

分かりにくかった方もいると思うので最後にサッカーで例えます。

為替ヘッジなし「自由にドリブルしてゴールを狙うフォワード」

自由に攻められるのでゴール(大きな成果)も狙えるが、失点のリスクもある。


為替ヘッジあり 「守備ラインがしっかり守ってくれるフォワード」

後ろが守ってくれるので失点は減るが、ゴール(大きな成果)は少し取りにくい。

為替ヘッジ、ご理解いただけたでしょうか?笑

こうして比べてみると、為替ヘッジあり・なしにはそれぞれメリットとデメリットがあります。

FIREを目指す長期投資では、為替ヘッジなしで資産を育てながら、為替の変動をうまく活かすスタイルが基本となります。

もちろん、短期的な安定を重視したい場合はヘッジありを活用するのも一つの方法です。

大切なのは、自分の投資スタイルや目的に合わせて、リスクとリターンのバランスを考えながら選択すること。

今回の内容が、明日からの投資判断の参考になれば幸いです。

関連記事

配当金を増やす投資の4原則です。サラリーマン投資家でも年間配当金400万(税引き後)を達成することができました。

配当金を長期で安定して受け取れる,将来性のあるポートフォリオを提案しています。

優良株×時間を味方にしたシミュレーション結果です。

iDeCoによる長期積み立てはサラリーマン投資家の味方ですね。


断片的な情報に惑わされやすい時代だからこそ、シンプルな投資スタイルを貫いて参ります。

この原則を信条とし、着実に資産形成を続けていきます。

FIRE(早期リタイア)ランキング
にほんブログ村 その他生活ブログ FIRE(30代)へ
このエントリーをはてなブックマークに追加

-株式投資
-