2024年から始まった新NISAは、神制度、やらない理由がないといった言葉とともに、一気に一般層へ広がりました。
投資やFIRE、資産形成に関心がある人ほど、新NISAをどう使うべきか一度は真剣に考えたはずです。
結論から言うと、私は新NISAを強くおすすめしています。ただし同時に、誰にでも、今すぐ、満額でやるべき制度だとも思っていません。
この記事では、新NISAをあえてやらない方がいい人や今はフルで使わなくていい人の特徴を整理しながら、それでも新NISAが有効である理由を、冷静に掘り下げていきます。

新NISAは優れた制度だが「万能」ではない
新NISAは、非課税期間が無期限となり、年間投資枠も大きく拡充された非常に優れた制度です。
長期・積立・分散投資を前提とする人にとっては、税制面でこれ以上ない追い風と言えるでしょう。
一方で、新NISAは投資のリスクそのものを消してくれる制度ではありません。
価格変動はこれまで通り起こりますし、非課税であるがゆえに、損失が出ても税金面での救済はありません。
大切なのは、制度が良いかどうかではなく、自分の状況や目的に合った使い方ができているかです。
新NISAを“今はフルで使わなくていい人”の特徴
新NISAは激推しですが、次のような人は無理に満額・全力で使う必要はありません。
生活防衛資金がまだ十分でない人
新NISAはいつでも売却できますが、近い将来に使う可能性が高いお金を投資に回すのは、精神的にも現実的にも負担になりやすいです。
生活費の数か月分すら確保できていない段階では、相場の下落がそのまま生活不安につながってしまいます。
この状態で新NISAを始めると、
- 制度は良いのに続かない
- 下落時に狼狽売りしてしまう
といった、本来避けられる失敗を招きがちです。
数年以内に大きな支出が確定している人
住宅購入、教育資金、独立資金など、数年以内に使う予定がほぼ確定しているお金は、新NISAには向きません。
新NISAは時間を味方につける制度です。短期間で成果を求めると、制度の強みを活かせないまま終わってしまいます。
非課税だからとりあえず入れる、という判断は、目的と手段が逆転している可能性があります。
価格変動が日常生活に影響してしまう人
投資に値動きはつきものです。
頭では理解していても、含み損を見るたびに強い不安を感じ、仕事や生活に集中できなくなるようであれば、慎重になるべきです。
特に新NISAは非課税である分、損失を確定させる決断が心理的に重くなりやすい側面もあります。
投資を短期で増やす手段だと考えている人
新NISAは、短期売買や一発逆転を狙う制度ではありません。制度設計そのものが、長期保有を前提としています。
短期間で資産を増やしたいという動機が強い場合、新NISAを使っても満足のいく結果にならない可能性があります。
新NISAをフルで使わなくていい人・向いている人の比較
| 観点 | 今はフルで使わなくていい人 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 資金の性質 | 近いうちに使う予定がある | 当面使う予定がない |
| メンタル | 値動きが強いストレス | 下落も想定内 |
| 投資目的 | 短期で増やしたい | 長期で育てたい |
| 生活基盤 | まだ不安定 | ある程度安定 |
ここで重要なのは、今は向いていない=一生向いていないではないという点です。
やらないというより段階を踏むという考え方
新NISAを今すぐ満額でやらない判断は、決して後ろ向きではありません。
むしろ、自分の状況を理解した上で投資の強度を調整できているのは、健全な金融リテラシーの表れです。
投資の世界では、何をやるか以上に、どのタイミングで、どの程度やるかが結果を左右します。
それでも私は新NISAをおすすめしている理由
私自身は、新NISAは非常に優れた制度であり、多くの人にとって使わないのはもったいない制度だと考えています。
ただしそれは、最初から満額で突っ込むべきという意味ではありません。
- 少額でもいい
- 積立でもいい
- 慣れるところからでいい
早く市場に触れ、時間を味方につけること。それこそが、新NISAの本当の価値だと思っています。
まとめ:新NISAは「合う人にとって最高の制度」
新NISAは、日本の資産形成を大きく前進させた制度です。
ただしそれは、自分の状況に合った使い方ができた場合に限るという前提付きでもあります。
今はやらない、少額から試す、本格的に活用する。
どの選択も間違いではありません。
新NISAをやるかどうかよりも、
自分の人生に合ったお金の使い方・増やし方を選べているか。
その視点を持てた時点で、
すでに多くの人より一歩先を進んでいると言えるでしょう。
とはいっても、紛れもなく新NISAは優れた制度です。月数千円であっても時間を味方にすれば立派な資産形成となります。

