投資をしていると、多くの人が一度は考えます。
高配当株とインデックス投資、結局どちらが安心なのだろうかと。
高配当株は、配当金という形で定期的な収入が得られます。
インデックス投資は、市場全体の成長を取り込むことで資産を増やす方法です。
どちらも合理的な投資手法ですが、不安の少なさという視点で見ると、評価は変わってきます。本記事では、仕組み・リスク・心理面から両者を比較し、どちらが不安を感じにくいかを考えていきます。

投資の不安はどこから生まれるのか
投資における不安の正体は、大きく分けて三つあります。
資産価格が下がる不安
評価額が下がると、このまま回復しないのではないか、今売るべきかと迷いが生じます。
特に価格変動を頻繁に確認する人ほど、この不安は強くなります。(見たくなりますよね…。)
収入が途切れる不安
FIREやセミリタイアを意識するほど、毎年どれくらい使えるのかは重要になります。
収入の見通しが立たないと、心理的な負担になります。
将来が見えない不安
この方法で老後まで本当に持つのかという不透明感も、不安の根本原因です。
この三点を踏まえて、高配当株とインデックス投資を見ていきます。
高配当株投資の特徴と安心感
高配当株投資とは、配当利回りの高い株式を保有し、配当収入を得ることを目的とした戦略です。
日本ではNTTや三菱UFJフィナンシャル・グループ、米国ではP&Gやコカ・コーラなど、安定した業績を持つ企業が代表例です。
この投資法の最大の特徴は、配当金という具体的なキャッシュフローが発生することです。
株価が下がっても、配当が振り込まれることで収入は確保できているという実感が得られます。
特に相場が不安定な時期には、心理的な支えになりやすい仕組みです。
一方で、不安要素もあります。
企業業績の悪化によって、配当が減額・停止されるリスクがあります。実際、2020年のパンデミック時には、配当をカットした企業も少なくありませんでした。
つまり、高配当株は収入の安心感を得られる反面、銘柄選びを誤ると不安が増す投資法とも言えます。
なお、高配当株が「危険」と言われる背景には、利回りだけで銘柄を選んでしまう構造的な問題もあります。
インデックス投資の特徴と安心感
インデックス投資は、S&P500や全世界株式など、市場全体に連動する投資信託やETFを保有する方法です。
eMAXIS Slim全世界株式や、全米株式型ファンドなどが代表例です。
2026年時点では、S&P500は過去数年で年平均8〜10%程度の成長を記録しており、長期的な複利効果が期待されています。
この投資法の強みは、分散による安定性にあります。
数百から数千の企業に投資するため、1社の不調が全体に与える影響は限定的です。
また、管理の手間が少ない点も、不安を減らします。
自動積立を設定すれば、相場を毎日確認する必要はありません。
ただし、市場全体が下落する局面では、評価額が大きく減ります。
2022年のような弱気相場では、本当に回復するのかという心理的な不安を感じやすくなります。
インデックス投資は、制度設計との相性も非常に重要です。
特に新NISAを活用する場合、成長投資枠の使い方によって将来の安心感は大きく変わります。
両者の不安要素を比較する
以下に、高配当株とインデックス投資を不安の観点で整理します。
| 観点 | 高配当株投資 | インデックス投資 |
|---|---|---|
| リスク構造 | 個別企業に依存しやすい | 市場全体に分散 |
| 収益の性質 | 配当という定期収入 | 主に値上がり益 |
| 下落時の心理 | 配当がクッションになる | 評価額の減少が直撃 |
| 管理の手間 | 銘柄選定・監視が必要 | ほぼ放置可能 |
| 不安を和らげる要素 | 収入の実感 | 長期成長の信頼性 |
高配当株は今の安心を重視する投資。
インデックス投資は将来の安心を重視する投資と言えます。
高配当株とインデックス投資の違いは、収入の安心と成長の安心という性質の差とも言えます。
個別株とETFを長期保有した場合の違いについては、次の記事でより具体的に検証しています。
心理面から見た不安の少なさ
投資の不安は、数字よりも感情に左右されます。
高配当株を好む人は、配当が入るたびに投資している意味を実感できます。
一方、インデックス投資を好む人は、長期データを信じて短期変動を無視できる傾向があります。
近年の調査では、インデックス投資家の方が長期満足度は高いという結果もあります。
これは、感情的な売買を避けやすい構造によるものです。
新しい視点としては、両者を組み合わせる方法もあります。
資産の中核をインデックス投資にし、一部を高配当株にすることで、成長と収入を両立できます。
私の場合は、配当金をKPIとした投資手法であるため、中核は高配当株、一部をインデックス投資です。
結論:不安が少ないかどうかは目的で決まる
高配当株とインデックス投資、どちらが不安が少ないかという問いに、絶対的な答えはありません。
資産形成期では、インデックス投資の方が合理的で安心感があります。
一方、生活費に近い段階では、高配当株の方が不安を感じにくい人も多いでしょう。
重要なのは、自分がどの不安を抱えやすいかを理解することです。
こうした不安は、リターンの大小よりも人間の心理によって増幅されます。
まとめ
高配当株は、配当という形で今の安心を与えてくれます。
インデックス投資は、市場全体の成長によって将来の安心を支えます。
投資において本当に大切なのは、理論的な正解よりも続けられるかどうかです。
自分が不安を感じにくい形を選ぶことこそ、最も堅実な資産形成戦略と言えるでしょう。
投資の不安は値動きだけでなく、将来いくらあれば安心できるのか分からないことから生まれます。
実際に、配当金だけで生活するにはどの程度の資産が必要なのかについては、こちらの記事で具体的に試算しています。
高配当株かインデックスかの二択ではなく、組み合わせることで不安を分散する考え方もあります。
資産配分の考え方については、次の記事でも整理しています。






