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データセンターの電力需要増で恩恵を受けやすい日本株3選

AI、クラウド、生成AIの急拡大により、世界中でデータセンターの建設ラッシュが続いています。
この流れは一過性のテーマではなく、今後10年単位で続く構造的な変化と捉える投資家も増えてきました。

その中で注目されているのが電力需要の爆発的増加です。
データセンターは24時間稼働が前提であり、消費電力は従来のオフィスビルとは比較になりません。

以下は、データセンターの電力需要の今後の見通しです。

2025年度の56万Kwから2034年度には715万Kwになる見通しで、9年間で約13倍となります。データセンター電力需要の見通しはまだまだ序盤に過ぎないことが分かります。

そこで本記事では、データセンターによる電力需要増の直接的な恩恵を受けやすい日本株として、電力インフラの中核を担う銘柄を3つ厳選して紹介します。


データセンター投資で本当に注目すべきは「電力インフラ」

なぜ電力がボトルネックになるのか

データセンター投資というと、半導体やGPUメーカーが真っ先に思い浮かびがちです。
しかし実際には、電力の確保と安定供給こそが最大の制約条件になっています。

特にAI向けデータセンターでは、

  • 高電圧・大容量の電力供給
  • 熱対策を前提とした安定稼働
  • 冗長性を持った送配電設計

が必須となり、結果として電力伝送・配線インフラへの投資が急増しています。

電力会社より「電線メーカー」が注目される理由

東京電力HDや関西電力といった電力会社も間接的には恩恵を受けますが、料金規制や政策要因の影響を受けやすく、利益成長は限定的です。

一方で、データセンター建設=新規設備投資という構図の中で、最も直接的に売上が立つのが電線・ケーブルメーカーです。

この点が、今回紹介する3社に共通する重要なポイントです。


データセンターの電力需要増で恩恵を受けやすい日本株3選

フジクラ(5803)|電力×光通信の最前線銘柄

フジクラは、電線・光ファイバー分野における日本の代表的企業です。
データセンター向けでは、高電圧電力ケーブルと光ファイバーの両方を供給できる点が大きな強みとなっています。

特に近年は、AI関連投資の拡大を背景に、
データセンター向け需要が業績を強く押し上げてきた実績があります。

株価が過去に急騰したことからも分かる通り、市場は同社をAI時代のインフラ中核銘柄として評価し始めています。

高いROEや利益成長力は魅力的ですが、その一方でPER・PBRは高水準であり、成長期待を織り込んだ銘柄である点は意識しておきたいところです。

株価チャート

Googleより引用 25.12.27

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古河電気工業(5801)|割安感とグローバル展開が魅力

古河電気工業は、住友電工と並ぶ電線大手であり、データセンターの電力供給網や光配線部材に強みを持っています。

フジクラと比較すると、バリュエーション面での割安感が際立つ点が特徴です。

AI・クラウド需要の拡大により、国内外で送電網の高度化が進む中、同社のグローバル展開は今後の成長余地として注目されています。

ROEや自己資本比率はやや控えめですが、その分、中長期での業績改善余地を残している銘柄とも言えるでしょう。

株価チャート

Googleより引用 25.12.27

住友電気工業(5802)|総合力で電力インフラを支える安定株

住友電気工業は、電線・ケーブル分野に加え、コネクターや電力インフラ製品まで幅広く手掛ける総合大手です。

データセンター向けの高機能ケーブルだけでなく、再生可能エネルギーとの連系や送配電網の強化といった、より広い電力インフラ需要の波に乗れる点が強みです。

財務面では自己資本比率が高く、景気変動に対する耐性も比較的高い水準にあります。

AI時代のインフラを堅実に支える銘柄として、長期投資との相性が良い企業と言えるでしょう。

株価チャート

Googleより引用 25.12.27

3銘柄の比較表

銘柄名株価配当利回りPERPBRROE自己資本比率
フジクラ(5803)17,620円1.08%36.8310.4424.35%49.1%
古河電気工業(5801)10,140円1.18%19.852.029.97%34.6%
住友電気工業(5802)6,540円1.80%22.182.158.62%51.6%
※数値は2025.12.25のデータをもとに整理

投資視点で押さえておきたい注意点

データセンター関連銘柄は、テーマ性が強い分、市場の期待が先行しやすい傾向があります。

特にフジクラのような高成長銘柄は、業績が少しでも市場予想を下回ると、株価が大きく調整する可能性もあります。

一方で、電力需要の増加自体は構造的トレンドであり、短期的な株価変動と中長期の成長ストーリーは分けて考える必要があります。


まとめ|AI時代の見えない主役に目を向ける

データセンター投資というと、どうしても半導体やIT企業に目が向きがちです。
しかし、その裏側で確実に需要が積み上がっているのが、電力インフラ分野です。

フジクラ、古河電気工業、住友電気工業はいずれも、データセンターによる電力需要増の直接的な恩恵を受けやすい企業です。

FIREや資産形成を目指す上で、こうした構造的に強い分野に目を向けることは、ポートフォリオの安定性を高める一助になるはずです。

短期の流行ではなく、10年後も必要とされるインフラという視点で、ぜひ一度検討してみてください。

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