新NISAが始まってしばらく経ち、制度そのものは理解したものの、次に多くの人が悩むのがこの問いではないでしょうか。
つみたて投資枠と成長投資枠、結局どれくらいの割合が正解なのか?
特に20代・30代は、
- 投資期間が長い
- 収入もライフイベントも変化しやすい
- リスクを取れる一方で、失敗も避けたい
という、判断が最も難しい世代でもあります。
この記事では、20代・30代に適したおすすめの割合と、なぜその割合になるのか、どう考えれば自分の正解に辿り着けるのかを、整理していきます。

新NISAのおさらい|2026年時点の前提条件
まずは前提を簡単に整理します。
新NISA(2024年〜)は、以下の2つの枠で構成されています。
| 区分 | 年間投資上限 | 投資対象 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 | 投資信託(長期・分散向け) | 安定・再現性が高い |
| 成長投資枠 | 240万円 | 個別株・ETF・投信 | 自由度とリターンの幅 |
生涯投資枠は合計1,800万円(うち成長投資枠は最大1,200万円)。
この枠の配分をどう使うかが、20代・30代の資産形成を大きく左右します。
「つみたて枠は何割が正解?」という問いの落とし穴
自分で言っておきながら、はじめに言っておきたいことがあります。
実は、何割が正解かという問い自体が、半分間違いです。
なぜなら、年齢・収入の安定性・投資経験・将来の使い道(FIRE・住宅・教育費など)
によって、正解は変わるからです。
ただし、考え方の軸は、はっきりと存在します。
結論の全体像|20代・30代の現実的な目安
まずは、多くの人にとっての現実的な目安を示します。
| 年代 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | 考え方の軸 |
|---|---|---|---|
| 20代前半 | 70〜90% | 10〜30% | 投資習慣の定着 |
| 20代後半 | 60〜80% | 20〜40% | 経験と分散 |
| 30代前半 | 50〜70% | 30〜50% | 目的別投資 |
| 30代後半 | 60〜80% | 20〜40% | 安定性重視 |
つみたて投資枠の割合を決める際に重要なのは、年齢・収入の安定性・リスク許容度の3点です。
20代は時間的余裕が大きいため、つみたて枠を70〜80%とし、長期成長を優先する戦略が一般的です。
一方、30代になると家族や住宅といったライフイベントが増え、資産の安定性がより重視される傾向にあります。そのため、つみたて枠を80〜90%に引き上げる判断も十分に合理的です。
2026年時点の金融庁データを基にした調査では、20代投資家の平均つみたて枠割合は約75%とされており、満足度も高い結果が出ています。市場の回復力が高い局面では、積立を継続できた人ほど恩恵を受けやすいことが背景にあります。
では、ここから先は、なぜこの割合になるのかを掘り下げていきます。
20代の新NISA戦略|「最大の武器」は時間
なぜ20代は、つみたて枠多めが有利なのか
20代の最大の強みは、投資期間の長さです。
この強みは、派手な銘柄選びよりも、次の形で活きてきます。
- 長期での複利効果
- 相場の上下を時間で吸収できる
- 投資判断ミスを修正できる余地が大きい
つまり、再現性の高い投資を長く続けること自体が、最強の戦略になります。
そのため、20代はつみたて投資枠を軸にしつつ、成長投資枠で経験を積む、という配分が理にかなっています。更に詳しく見ていきます。
なぜつみたて枠が20代・30代の土台になるのか
つみたて投資枠の最大の強みは、長期的な視点で複利効果を最大化できる点にあります。
毎月一定額を積み立てることで、市場が下落した局面でも自動的に安く買い増すことができ、結果として平均取得単価を抑えやすくなります。
さらに重要なのは、対象商品が金融庁の基準を満たした投資信託に限定されている点です。選択肢が少ないことは一見デメリットに見えますが、裏を返せば致命的な失敗をしにくい設計になっているとも言えます。
2026年現在も、S&P500連動型ファンドを中心に人気は根強く、過去のデータを見る限り、20年以上保有した場合にマイナスリターンとなる確率は極めて低い水準にあります。
忙しい日常の中で投資に多くの時間を割けない人ほど、この枠の価値は大きくなります。
成長投資枠は練習場と考えるのも一案
20代で成長投資枠を使う意味は、一発逆転を狙うことではありません。
- 個別株の値動きに慣れる
- 決算を見る習慣を作る
- 自分のリスク許容度を知る
こうした将来につながる経験値を積む場として使うのが賢明です。
成長投資枠は、個別株を通じて市場の成長を直接取り込める点が魅力です。AIや再生可能エネルギーといった分野は、短期的なキャピタルゲインを狙える可能性もあります。
ただし2026年の市場環境を見ると、米中関係をはじめとした地政学的リスクが再燃する場面もあり、株価が急変する可能性は無視できません。
そのため、成長投資枠は全体の20〜40%程度に抑え、つみたて投資枠で資産の安定性を確保する設計が、長期的には合理的と言えるでしょう。
30代の新NISA戦略|「目的」が投資配分を決める
30代になると、投資の前提が少し変わります。
- 収入は増えるが、責任も増える
- 住宅購入、教育費、FIREなど目的が明確になる
- 大きな失敗が許されにくくなる
この段階では、年齢よりもお金の使い道が配分を決めます。
FIREを意識する人の場合
FIREやセミリタイアを視野に入れる場合、成長投資枠の役割は大きくなります。
- 高配当株・ETF
- キャッシュフローを生む資産
- 将来の取り崩しを見据えた設計
ただし、ここでも重要なのはベースはつみたて枠という点です。土台が安定しているからこそ、成長投資枠が活きていきます。
「つみたて枠を満額→余力で成長枠」は本当に正解か?
よく言われるのが、まずはつみたて投資枠を満額、その後に成長投資枠という考え方です。
これは初心者にとっては一つの正解の形だと思います。一方で、慣れてきた人にとっては必ずしも唯一の答えではありません。
重要なのは、毎年の入金力、相場環境、投資の目的、自分の精神的な余裕を踏まえて、割合を微調整し続けることです。
新NISAの本質は、一度決めて終わりではなく、人生に合わせて使い続けられる制度にあります。
まとめ|「正解の割合」より「考え方」を持つ
最後に、この記事の結論を整理します。
- 20代・30代に共通する軸はつみたて枠をベースにすること
- 年齢が上がるほど、目的によって成長投資枠の比重は変わる
- 割合そのものより、なぜその配分なのかを説明できることが重要
新NISAは、短期の成果を競う制度ではありません。自分の人生設計と並走できるかどうかが、最大の価値です。
この記事をきっかけに、自分にとって納得できる配分を考えるきっかけになれば幸いです。
私の場合は、配当金の最大化をKPIとしているので、成長投資枠を優先し、つみたて投資も行っています。
成長投資枠の効果的な使い方についてはこちらの記事をご覧くださいね。
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