投資を続けていると、誰もが一度は怖い、もうやめたい…と感じる瞬間に出会います。
含み損が増えたとき、ニュースが不安材料で埋め尽くされたとき、SNSで暴落という言葉を見たとき。
理屈では長期投資が大事と分かっていても、感情は簡単に追いつきません。
本記事では、
- 投資が怖くなり、やめたいと思う典型的な場面
- なぜその感情が生まれるのか
- 歴史的な市場データから見える事実
- それでも投資をやめない方がいい理由
を整理し、恐怖とどう付き合うかを考えます。

投資が「怖い」「やめたい」と感じる瞬間
相場が急落したとき
株価が短期間で大きく下がると、人は強い不安を感じます。
- 日経平均やNASDAQの急落
- 保有株が一斉にマイナスになる
- 含み損が数十万円単位で増える
このとき多くの人が、自分の判断は間違っていたのではないかと考えますが、株式市場において下落は異常ではなく、むしろ通常の現象です。
ネガティブニュースに囲まれたとき
地政学リスク、インフレ、利上げ、金融不安。
相場が下がる局面では、ニュースも悲観的な内容であふれます。
不思議なことに、相場が好調なときには同じリスクがほとんど報道されません。
下落局面では危険な材料が強調され、恐怖が増幅される構造があります。
含み損が長期間続いたとき
一時的な下落よりも精神的にこたえるのは、戻らない時間です。例えば、半年以上含み損が続いたときや、他人は儲かっているように見えるとき、自分だけ失敗している気がするときなどです。
価格が動かない期間は、投資家にとって最大のストレス要因になります。
市場の変動がもたらす心理的負担
投資の怖さを語る上で避けられないのが、市場のボラティリティ(変動率)です。
株価が上がれば喜びを感じますが、下落すると損失回避バイアスが強く働きます。
これは行動経済学でよく知られる現象で、利益の喜びよりも損失の苦痛を大きく感じる人間の特性です。
私自身も何度もこの罠に陥りました。
2024年、地政学リスクの高まりによって原油価格が上昇し、エネルギー株で一時的な利益を得ました。しかしその後の調整局面で一転して損失が拡大し、もう投資なんてやめたいと思った瞬間があります。(辞めることはありませんが。)
感情の正体は、相場そのものよりも変動にさらされ続ける状態にあると言えます。
過去の市場クラッシュから分かること
投資の歴史は、クラッシュと回復の繰り返しです。代表的な事例を整理すると、次のようになります。
| 出来事 | 年 | 主な原因 | 株価下落率(S&P500基準) | 回復までの期間 |
|---|---|---|---|---|
| ブラックマンデー | 1987 | プログラム取引の混乱 | 約22%(1日) | 約2年 |
| ITバブル崩壊 | 2000-2002 | テクノロジー株の過熱 | 約49% | 約7年 |
| リーマンショック | 2008-2009 | サブプライムローン問題 | 約57% | 約4年 |
| COVID-19ショック | 2020 | 世界的ロックダウン | 約34% | 約6ヶ月 |
| 2022年株安 | 2022 | インフレと急速な利上げ | 約25% | 約1年 |
| 2025年AI調整局面 | 2025 | AI株の過熱と規制懸念 | 約20%(NASDAQ) | 継続中(2026年現在) |
この表から分かるのは、市場は何度も終わりと言われながら回復してきたという事実です。
暴落局面で一番避けたいのは、感情に任せて売却してしまうことです。 下落相場でどう行動すべきかは、こちらの記事で具体的に整理しています。
AI調整局面が示した現代型の恐怖
2025年のAI調整局面では、NVIDIAやMicrosoftなどの銘柄が急落し、多くの個人投資家が損切りを迫られました。しかし、この局面も歴史の中では過熱の調整に過ぎない可能性があります。
過去のITバブルと同様に、テーマ自体が消えるのではなく、期待が修正される過程と見ることもできます。恐怖は常に、その時代の最先端テーマと結びついて現れるものだからです。
投資をやめない方がいい理由
長期視点が恐怖を無力化する
過去のデータが示すのは、市場から退場しなかった人が最終的に報われているという点です。
短期的な下落を理由に投資をやめてしまうと、
- 回復局面に参加できない
- 複利の効果が失われる
- 再参入の判断がさらに難しくなる
という問題が生じます。
怖いときほど、実は仕込み期になりやすい
歴史を振り返ると、リーマンショック、コロナショック、2022年の株安後はいずれも、その後の上昇につながりました。
怖い時期は、将来のリターンが生まれやすい時期でもあります。
「やめるべき不安」と「耐えるべき不安」
重要なのは、すべての不安を無視しろという話ではありません。
| 不安の種類 | 判断の目安 |
|---|---|
| 相場全体の下落 | 基本的には耐える対象 |
| 企業の競争力低下 | 見直す価値あり |
| 生活費まで投資している | 戦略を修正すべき |
| 理由なく売買している | 投資方針を再設計すべき |
恐怖そのものより、何が不安なのかを分解することが大切ですね。
含み損が続くと、いつまで耐えるべきなのかと迷うようになります。 赤字に耐える判断軸については、こちらの記事で詳しくまとめました。
投資が怖いときの現実的な対処法
投資額を調整する
やめるか続けるかの二択ではありません。
積立額を減らす、リスク資産の割合を下げるなど、調整という選択肢もあります。
恐怖を感じる水準で投資している場合、リスクの取りすぎである可能性があります。
目的を思い出す
投資の本質は、短期の儲けではなく将来の自由度を高めることです。
FIREも資産形成も、最終的には時間と選択肢のための手段です。相場が荒れている時ほど、なぜ投資しているのかを確認する意味があります。
私の場合、投資はゴールではなく、人生の選択肢を増やすための手段です。
まとめ|「怖い」はやめ時ではなく、思考の入り口
投資が怖くてやめたいと感じるのは、異常ではありません。
それは多くの投資家が通る、正常な心理反応です。
大切なのは、
- 恐怖を感情と事実に分けること
- 歴史的な視点を持つこと
- やめる以外の選択肢を知ること
怖いからやめるのではなく、なぜ怖いのかを考える。
その経験は、投資家としての深さを一段階引き上げます。
恐怖の中にいる今こそ、長期視点を身につける絶好の機会なのかもしれません。
投資を続けるかどうか迷ったときは、なぜ投資をしているのかを思い出すことが大切です。
値動きに一喜一憂しにくくなる仕組みを持つことも大切です。 配当金があると相場に振り回されにくくなる理由はこちらの記事で解説しています。





