株式投資

アステラス製薬(4503)は買いか?業績・配当・将来性から徹底分析

日本を代表する製薬会社の一つ、アステラス製薬(4503)

最近は主力製品の売上拡大や費用管理の効果もあり、業績が大幅に改善しています。

本記事では、アステラス製薬は今、買いなのか?をテーマに、事業内容・業績・配当推移・今後の展望を整理していきます。


アステラス製薬の基本情報と株価指標

項目内容(2025年11月時点)
株価約1,765円
予想PER17.57倍
PBR1.96倍
予想配当利回り約4.42%
ROE3.26%
自己資本比率約45.3%

株価水準はPER・PBRともにやや割高感がありますが、安定した財務体質と高配当が特徴です。

配当利回り4%台という点は、ディフェンシブ銘柄として魅力的です。


事業内容と主力製品

アステラス製薬は、医薬品の研究開発・製造・販売を手がける大手製薬メーカーです。

グローバル展開を進めており、海外売上が約7割を占めます。

主な製品は次の通りです。

  • PADCEV(パドセブ):尿路上皮がん治療剤。売上前年同期比+35.9%と急伸中
  • IZERVAY(アイザーヴェイ):加齢黄斑変性治療剤。新市場での成長に期待
  • XTANDI(イクスタンジ):前立腺がん治療剤。長期的に堅調な売上を維持
  • VYLOY:新製品として伸長中

特にがん領域や眼科領域での新薬開発が進んでおり、パイプライン(開発中製品)も豊富です。


最新決算のポイント(2026年3月期 第2四半期)

アステラス製薬の2026年3月期第2四半期は、主力製品の好調と費用管理の効果により、大幅な増収増益となりました。

項目実績(前年同期比)
売上収益1兆301億円(+10.1%)
コア営業利益2,826億円(+54.4%)
コア当期利益2,115億円(+50.2%)

PADCEVやIZERVAY、XTANDIなどの主力製品が順調に伸び、全地域で増収を達成

営業利益率・純利益率も改善し、収益性の回復傾向が鮮明になっています。


財務の安定性:自己資本比率は高水準で推移

貸借対照表をみると、自己資本比率46.7%(前年45.3%)と健全な水準。

流動資産は1兆3,688億円(+13.9%)、現金および同等物は2,871億円(+52.4%)と大幅に増加。

有利子負債はやや減少しており、財務体質は非常に安定しています。

キャッシュフロー面でも営業CFが2,826億円と大幅増。

投資と株主還元を両立できる体制が整っています。

Googleより引用 25.11.10

株価は底打ちし、売上高とともに上昇中。


今後の業績見通し

会社側は2026年3月期通期予想を上方修正しています。

項目通期予想(前年同期比)
売上収益2兆300億円(+6.2%)
コア営業利益4,900億円(+24.9%)
コア当期利益3,650億円(+23.4%)

主力製品の好調に加え、新薬の拡大、費用管理の効果、円安による追い風が寄与しています。

短期的には非常に良好なトレンドが続いており、業績モメンタムは明確な上昇基調です。


配当金推移と株主還元姿勢

配当は毎年のように増配しており、安定した株主還元が続いています。

年度1株配当(円)
2020年40円
2021年42円
2022年50円
2023年60円
2024年70円
2025年74円
2026年(予想)79円

年間配当78円(予定)に対し、配当性向は約38%。

無理のない範囲での増配を続けており、配当株としても評価できる水準です。


収益性・成長性・安定性の分析

〈収益性〉
営業利益率・純利益率ともに改善中。ROE・ROAは一般的な目安には届かないものの、回復傾向が明確です。収益力の底上げが進んでおり、今後の新薬寄与に期待がかかります。

〈安定性〉
自己資本比率は45%超と高水準。有利子負債の減少やEPSの伸びも確認され、財務面の不安はほとんどありません。

〈成長性〉
売上高・EPS・フリーキャッシュフローのいずれも前年同期比で増加。パイプライン開発や既存製品の海外展開が順調で、成長トレンドは継続しています。


アステラス製薬(4503)は買いか?

結論から言えば中長期では買い検討に値する銘柄です。

収益性・成長性ともに回復基調

配当利回り4%超で株主還元も厚い

財務は堅実で安定感あり

主力製品の成長が明確

一方で、ROEの低さやPERの高さなど、短期的な割安感は薄い点には注意が必要です。

ただし、がん・眼科領域の新薬が順調に拡大していることから、安定配当+緩やかな成長を狙う投資家には魅力的といえます。


まとめ

アステラス製薬(4503)は、主力製品が好調で業績は回復基調、自己資本比率・キャッシュフローともに堅調、配当は着実に増配を続けており、利回り4%超という点で、安定型のディフェンシブ銘柄として評価できます。

景気変動に左右されにくく、FIRE・配当投資を志向する投資家にとって、ポートフォリオの下支え役として検討する価値は十分あるでしょう。

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