高配当株投資は、毎月・毎年お金が入ってくること、そしてFIREに近づけるという魅力から、多くの個人投資家に支持されています。私も高配当株投資を主な投資スタイルとして資産と配当金を積み上げてきました。
一方で、「高配当株」と検索してみると必ず目にするのが、 「高配当株 危険」 という言葉です。
本記事では、高配当株が危険と言われる理由を整理しつつ、それが本当に避けるべき投資なのか、あるいは向き合い方の問題なのかを掘り下げていきます。

高配当株が「危険」と言われる最大の理由
結論から言えば、高配当株が危険視されるのは配当利回りの高さそのものではなく、その裏側にある構造的なリスクが見落とされやすいからです。
利回りが高く見える理由は2種類ある
高配当株の利回りが高くなる理由は、大きく分けて次の2つです。
| 利回りが高い理由 | 内容 | 危険度 |
|---|---|---|
| 業績が安定して配当を多く出している | キャッシュフローに余裕がある | 比較的低い |
| 株価が下落して利回りだけが上がっている | 市場が将来を悲観している | 高い |
問題なのは後者です。株価が下がると、分母が小さくなるため、配当利回りは自動的に高く見えます。
この状態を見てお得だなと感じてしまうと、危険な投資になりやすいです。
理由① 減配・無配リスクが想像以上に大きい
高配当株投資で最も多い失敗は、配当が永遠に続くと思い込んでしまうことです。
配当は約束ではない
配当金は、企業が余剰利益があると判断した場合にのみ支払われるものです。
景気後退、原材料高、金利上昇などが起これば、真っ先に削られるのが配当です。
実際、2020年のコロナショックや、近年の金利上昇局面では、
- 金融
- 不動産
- エネルギー
といった高配当セクターで、減配・無配が相次ぎました。利回り3%だから安心という発想自体も、最大のリスクになり得ます。
理由② 株価下落リスクと「トータルリターン」の軽視
高配当株投資では、配当ばかりに目が向き、株価の下落を軽視しがちです。
配当をもらっても、資産が減っているケース
例えば、
- 年間配当利回り:5%
- 株価下落:▲20%
この場合、トータルでは大きなマイナスです。
特にFIREや資産形成を目的とするなら、重要なのは配当額ではなく、
配当+値上がり益=トータルリターンという視点です。
高配当株は、成長投資と比べて株価上昇余地が小さいケースも多く、長期で見ると資産の伸びが鈍くなる可能性があります。
理由③ 高配当株は特定の業種に偏りやすい
高配当株ポートフォリオを組むと、自然と業種が偏ります。
| 業種 | 特徴 |
|---|---|
| 銀行・保険 | 金利環境に左右されやすい |
| 通信 | 成長性が低く規制リスクあり |
| エネルギー | 資源価格の影響が大きい |
| 不動産 | 金利上昇に弱い |
これらはキャッシュフローが安定している反面、環境変化に弱い業種でもあります。
分散しているつもりでも、実は同じリスクを複数持っている状態になりやすい点は、見落とされがちです。
理由④ 「インカムゲイン=安全」という思い込み
配当金は、目に見えてお金が入ってくるため、心理的な安心感があります。しかし、この安心感が判断を鈍らせることもあります。
株価が下がっても配当があるから大丈夫、業績悪化でも利回りが高いから保有継続。
このような判断を続けると、気づいたときには含み損が大きくなっているという事態になりかねません。私も10年程前は何度か失敗しました。
ここまで読むと、高配当株はやめた方がいいと感じるかもしれません。が、そんなことはありません。
高配当株が「活きる条件」とは何か
高配当株投資が有効に機能するかどうかは、銘柄選び以前に投資家側のスタンスでほぼ決まります。
次の条件は、高配当株と健全に付き合えるかどうかの分岐点になります。
配当の原資(利益・キャッシュフロー)を継続的に確認できること
高配当株投資で最も重要なのは、配当がいくら出ているかではなく、なぜその配当が出せているのかを理解し続ける姿勢です。
配当は、最終的に企業の利益やキャッシュフローから支払われます。
そのため、
- 営業キャッシュフローは安定しているか
- 配当性向が無理のない水準か
- 借入金や利払い負担が増えていないか
といった点を、定期的に確認できる投資家であれば、高配当株は強い味方になります。
逆に、利回りが高いから保有する、配当が出ているから安心と考え、企業の稼ぐ力を見なくなった瞬間、高配当株はリスク資産へと変わります。
株価下落を許容できる長期視点があること
高配当株は、構造上「株価が大きく伸びにくい」ケースが多く、
相場環境によっては長期間、株価が低迷することも珍しくありません。
そのため、
- 株価が数年横ばい、あるいは下落しても
- 配当を再投資しながら淡々と保有を続けられる
このような時間軸の長さがなければ、高配当株投資は精神的に厳しくなります。
短期的な株価変動に一喜一憂する人ほど、
「配当はもらっているが、資産は増えていない」という状態に陥りやすいのです。
成長株・インデックスと組み合わせていること
高配当株だけで資産形成を完結させようとすると、どうしても成長力の不足という壁にぶつかります。
そこで重要になるのが、成長株、全世界株式やS&P500などのインデックス投資との組み合わせです。
成長資産が資産を増やす役割を担い、高配当株がキャッシュフローを生む役割を担う。
この役割分担が明確になった瞬間、高配当株は攻めでも守りでもない、安定装置として機能し始めます。
高配当株単体で考えないこと。これが、失敗しないための重要な視点です。
配当を目的ではなく「結果」と捉えていること
高配当株投資が危険になる最大の分岐点は、配当そのものを目的にしてしまうことです。
本来、配当は、優れた事業が生み出した利益の一部が、結果として還元されるものにすぎません。
毎月いくら欲しいから、この株を買うという発想になると、投資の主語が企業から自分の生活費にすり替わってしまいます。
配当を目的にしない投資家は、業績が悪化すれば保有を見直し、配当が減っても、合理的であれば受け入れといった冷静な判断ができます。
この姿勢があるからこそ、高配当株は危険な誘惑ではなく、長期投資の一手段として成立します。
高配当株は「危険」なのではなく、「扱いが難しい」
以上を踏まえると、結論は明確です。
高配当株が危険なのではありません。短絡的に扱われたときにだけ危険になる、ということです。
高配当株は、理解と管理を前提とした中・上級者向けの投資スタイルと言えます。
正しく向き合えば、FIREや資産形成の過程で精神的な安定と継続力を与えてくれる存在にもなります。
高配当株投資で最も大切な視点
最後に、この記事の結論をまとめます。
高配当株が危険と言われる理由は、「高利回り=安全」という誤解が生み出す、判断ミスにあります。
配当は魅力的な要素ですが、それだけで投資判断をしてしまうと、本来見るべき企業価値や将来性を見失います。
高配当株は、資産形成の道具の一つにすぎません。目的(FIRE、生活費補填、資産最大化)に応じて、冷静に位置づけることができたとき、初めて強力な武器になります。
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