買い物が好きな私ですが、最近は値札の変化にとても敏感になりました。特に値段が違うなと感じるのが育児用品です。
長子が生まれた頃に買っていたおむつと、二番目の子が生まれてから買っているおむつを比べると、明らかに価格が上がっています。(1.3~1.5倍程度?)
こうした変化はおむつだけに限りません。食品や日用品など、日曜日の買い出しで目にするさまざまな商品が、少しずつ、しかし確実に高くなっていることを実感します。
生活が苦しくなったというほどではありませんが、以前と同じ感覚で買い物をしていると、支出は確実に増えています。この小さな違和感が、今回あらためてお金の価値について考えるきっかけになりました。
本記事では、2016年から2026年までの10年間で、1000万円の価値がどれだけ下がったのかを、日本の物価データをもとに検証します。

インフレとは何かをあらためて整理する
インフレとは、物価が全体的に上昇する現象を指します。これを測る代表的な指標が、総務省が公表している消費者物価指数(CPI)です。
インフレが進むと、同じ金額で買えるモノやサービスの量が減り、現金の購買力が低下します。
日本では長くデフレ傾向が続いてきましたが、2022年以降は資源高や円安の影響もあり、はっきりとしたインフレ局面に入りました。
これは単なる経済指標の変化ではなく、日常生活に直結する問題です。電気代や食品価格の上昇として実感されている方も多いのではないでしょうか。
過去10年の日本のインフレ率推移
2016年から2026年までのインフレ率(CPI上昇率)を確認します。
| 年 | インフレ率(%) |
|---|---|
| 2016 | -0.12 |
| 2017 | 0.49 |
| 2018 | 0.99 |
| 2019 | 0.47 |
| 2020 | -0.03 |
| 2021 | -0.24 |
| 2022 | 2.50 |
| 2023 | 3.27 |
| 2024 | 2.74 |
| 2025 | 3.29 |
| 2026 | 2.00(予測) |
2016年から2021年までは、物価がほとんど上がらない、あるいは下がる年もありました。
しかし2022年以降、物価上昇率は一気に高まり、家計への影響も無視できない水準になっています。
1000万円の購買力はどれだけ減ったのか
次に、2016年を基準として、物価変動を考慮した実質的な価値を計算します。
CPIを複利で積み上げることで、購買力の変化を確認します。
| 年 | 累積CPI | 1000万円の購買力(万円) |
|---|---|---|
| 2016 | 100.00 | 1000 |
| 2017 | 100.49 | 995 |
| 2018 | 101.49 | 986 |
| 2019 | 101.97 | 981 |
| 2020 | 101.94 | 981 |
| 2021 | 101.70 | 983 |
| 2022 | 104.24 | 959 |
| 2023 | 107.65 | 929 |
| 2024 | 110.60 | 904 |
| 2025 | 114.24 | 875 |
| 2026 | 116.52 | 858 |
この表からわかるように、2016年の1000万円は、2026年には約858万円の価値しか持たなくなっています。
失われた購買力は約142万円に相当します。142万円という金額は、我が家で考えると、半年弱は生活できるかもしれない金額です。
特別な失敗をしたわけでもなく、ただ現金で持っていただけで、それだけの価値が減っていたと考えると、数字以上の重みを感じます。
現金を持つことの見えにくいリスク
銀行預金は元本割れしない安心感があります。
しかし、インフレ下では実質的に目減りするという別のリスクを抱えることになります。
仮に預金金利が0.5%で、物価上昇率が2%であれば、名目上は増えていても、実際の購買力は減っていることになります。
資産額が大きくなるほど、この差は無視できなくなります。
100万円なら数万円の差でも、1000万円、3000万円となれば、生活設計に影響する水準です。
投資という選択と、私自身の判断
私自身、現金のまま持ち続けることに不安を感じ、資産の多くを株式へと移してきました。
当時はフルベットに近いスタンスであることに本当にこれでよいのだろうかと迷いながらの判断でしたが、結果的に振り返ると、この10年はその選択が間違いではなかったのかもしれません。(まだ仕事もしているので。)
少なくとも、現金だけを持ち続けていた場合よりも、インフレによる価値の目減りを抑えることはできたと感じています。
株式市場は短期的には上下しますが、長期で見ればインフレを上回る成長をしてきました。
資産形成やFIREを考える上で、現金をどう持つか、どこまで運用に回すかは今後も避けて通れないテーマですね。
インフレ時代の資産との向き合い方
この10年で、1000万円の実質価値は約858万円まで下がりました。約142万円分の購買力が、気づかないうちに失われた計算になります。
無理に大きなリスクを取る必要はありません。
しかし、現金で持っていれば安心という考え方は、少しずつ見直す時代に入っているように思います。
インフレは避けられない現象ですが、どう向き合うかは選ぶことができます。
日々の買い物で感じる小さな違和感をきっかけに、自分の資産の持ち方について考えてみることも、決して無駄ではないはずです。
お金の額面だけでなく、価値に目を向けること。
それが、これからの資産形成において重要な視点になっていくのではないでしょうか。
近年、インフレの影響が日常生活に及ぶ中で、資産形成や早期リタイア(FIRE)を目指す人々にとって、現金の役割を見直す必要性が高まっています。
多くの人にとって現金は安全な資産に映りますが、インフレ環境下では実質的に価値が目減りする資産でもあります。



