決算シーズンになると、進捗率が高い銘柄や通期計画に対してすでに80%達成といった言葉をよく目にします。
昨日、当ブログでも『1Q・2Q決算が好調で進捗率も高い注目銘柄8選|利回り2%以上』という記事を更新したばかりです。
進捗率が高い企業は、一見すると業績が好調で、このまま株価も上がりそうと感じやすい指標です。
しかし実際には、進捗率が高いという理由だけで投資判断をしてしまうと、思わぬ落とし穴にはまることもあります。
本記事では、決算進捗率を見る際に初心者が陥りやすい3つの落とし穴について整理していきます。

そもそも「決算進捗率」とは?
決算進捗率とは、
期初に会社が発表した通期予想に対して、現時点でどれくらい利益が進んでいるか
を示す指標です。
例として挙げると…
・通期営業利益予想:100億円
・2Q時点の営業利益:60億円
この場合、進捗率は 60% になります。
進捗率が高いほど計画以上に順調そうに見えますが、それだけで安心できるわけではありません。
落とし穴①:そもそも計画が保守的なだけ
進捗率が高い理由の一つが、会社の予想がもともと控えめに出されているケースです。
特に多いのが、
・景気や為替を慎重に見積もっている
・上方修正を出す余地を残したい
・業界慣行として弱めに予想を出す
といった企業です。
この場合、進捗率が高い=特別に業績が良いとは限らず、最初のハードルが低かっただけの可能性があります。
進捗率を見るときは、前年の業績や過去数年の傾向と比べてどうかも必ず確認したいところです。
落とし穴②:一時的な要因で膨らんでいる
進捗率が高く見えるもう一つの理由が、一時的な利益要因です。
たとえば、
・不動産や子会社の売却益
・補助金・助成金
・為替差益
・特別な大型受注
などがあると、本業の実力以上に利益が出ることがあります。
この場合、今期の進捗率は高いけれど来期は同じ水準を維持できないというケースが珍しくありません。
特に長期投資を考えるなら、営業利益の中身はどうか、特別利益が含まれていないか、本業が伸びているかを見ることが重要です。
落とし穴③:下期に失速しやすいビジネスモデル
進捗率は上期が強い企業ほど高く出やすいという性質があります。
例えば、
・上期に売上が集中する業種
・年度初めに大口案件が入る
・季節性が強いビジネス
こうした企業は、上期の進捗率が70%を超えていても、下期に伸び悩むことがあります。
また、原材料高、人件費上昇、為替の変動などによって、後半で利益率が悪化するケースもあります。
進捗率を見るときは、この会社は毎年どんなペースで利益を積み上げているかという過去の決算推移を合わせて見るのが大切です。
それでも進捗率が役立つ場面
もちろん、進捗率がまったく意味のない指標というわけではありません。
次のような条件がそろえば、プラス評価の材料になります。
・売上・営業利益ともに前年同期比で伸びている
・特別利益ではなく本業で稼いでいる
・過去も同じようなペースで上方修正している
・下期の見通しも具体的に示されている
この場合は、進捗率が高い+業績の質も良いと判断しやすくなります。
進捗率を見るときのチェックリスト
進捗率だけで判断せず、次の点をあわせて確認すると精度が上がります。
✅前年同期比で成長しているか
✅営業利益が伸びているか
✅特別利益に依存していないか
✅過去の進捗パターンと比べて異常でないか
✅通期予想を据え置いている理由は何か
数字を一つだけ見るのではなく、背景を読む意識が重要です。
まとめ
決算進捗率が高い株は、一見すると魅力的に見えます。
しかし、
・計画が保守的なだけ
・一時的な利益で膨らんでいる
・下期に失速しやすい構造
といった落とし穴もあります。
進捗率は買いの決め手ではなく、業績を確認する入り口の指標と考えるのが無難です。
長期投資では、その会社が来年も再来年も利益を出し続けられるかという視点の方が、進捗率の高さよりも重要になります。
数字の見た目に飛びつかず、中身を見る習慣を身につけることが、結果的に失敗を減らす近道になるでしょう。
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