「FIREを達成したのに、正直そんなに幸せじゃなかった」。
最近、そんな内容のツイートを目にしました。なんならこの2日で2回見ました。笑
FIREを目標にしている人ほど、少しドキッとする言葉ではないでしょうか。
資産形成に励み、節約し、投資を続けてようやくたどり着いたゴール。
それなのに人生がつまらないと感じてしまうとしたら…。FIREを目指す意味は何だったのか、考え込んでしまいます。
この記事では、「FIREすると人生はつまらないのか?」という疑問に対し、感情論ではなく構造的に整理したいと思います。

FIRE後に「人生がつまらない」と感じる人が一定数いる理由
FIRE後の満足度については、海外・国内問わずさまざまな体験談があります。そこから共通して見えてくるのは、お金の問題ではない部分です。
FIREはゴールではなく、環境の変化にすぎない
FIREを達成すると、確かに以下のものは一気に手に入ります。
- 働かなくても生活できる経済的余裕
- 通勤や上司、評価からの解放
- 時間の自由
しかし同時に、これまで無意識に持っていたものも失われます。
それは「役割」「強制力」「他者との接点」です。
仕事は大変であっても、今日は何をするか、誰と関わるか、自分が社会のどこにいるかといった要素を、半ば自動的に与えてくれます。
FIREはそれを一気に白紙に戻します。
このギャップに適応できないと、つまらない、虚しいという感覚が生まれやすくなります。
FIRE後の満足度を分けるポイントはお金ではない
FIRE後の人生を分ける要素を整理すると、以下のような対比が見えてきます。
| 観点 | 満足度が低くなりやすいFIRE | 満足度が高いFIRE |
|---|---|---|
| FIREの目的 | 働きたくないから | 自分の時間を使いたい |
| 事前の設計 | とりあえず辞める | 辞めた後の生活を想定 |
| 日常の軸 | 何もしない自由 | 何かに取り組む自由 |
| 人との関係 | 仕事関係が激減 | 意識的に人と関わる |
ポイントは、FIREを逃げとして使ったか、手段として使ったかです。
「FIRE=幸せ」という幻想が生まれやすい理由
FIRE界隈では、どうしても成功体験が強調されがちです。
朝は目覚ましをかけずに起き、カフェでゆっくり過ごす。平日に混雑を避けて旅行に行ける。もう嫌な仕事を無理に続けなくていい。
こうした光景は事実であり、多くの人にとって魅力的に映ります。
ただし重要なのは、これらはあくまで生活の快適さを示しているに過ぎない、という点です。
人生そのものの充実感や意味を、直接保証してくれるものではありません。
不満が消えることと、充実が生まれることは別
FIREによって、これまで感じていたストレスや将来への不安、仕事に縛られる義務感は大きく減ります。
このマイナスが消える感覚は、FIRE直後には非常に大きな解放感をもたらすでしょう。
一方で、生きがいや承認、成長しているという実感が、FIREによって自動的に生まれるわけではありません。
これらは、誰かに与えられるものではなく、自分で選び取り、積み重ねていく性質のものだからです。
この違いを意識せずにいると、確かに楽にはなったけれど、思っていたほど幸せではないという感想につながりやすくなります。
FIRE後に「つまらない」と感じにくい人の共通点
では、FIRE後も満足度が高い人は何が違うのでしょうか。
多くの事例を見ていくと、共通しているのは次の点です。
FIRE前から「お金以外の軸」を持っていた
例えば、
- 投資やブログ、発信活動をすでに楽しんでいた
- 学び直しや研究が好きだった
- 家族や地域との関わりを大切にしていた
このように、時間があったらやりたいことではなく、すでに注ぎ込んでいることがある人は、FIRE後の違和感が小さい傾向があるように思います。
最新の傾向:完全FIREより「ゆるいFIRE」が増えている
最近では、完全に働かないFIREよりも、サイドFIREやバリスタFIRE、あるいは週に数日だけ働くといった形を選ぶ人が増えています。
その背景には、単に収入を補うためという理由だけでなく、社会との接点や生活のリズムをあえて残したい、という意識の変化があります。
私自身も、もし早期退職を選ぶとしても、仕事を完全に手放すのではなく、社会とゆるく関わり続ける働き方をしたいと考えています。生きがいや役割を持ち続けることは、経済的自由と同じくらい大切だと感じているからです。
FIREは働くか、働かないかという二択ではありません。
0か100かで切り分けるのではなく、自分に合った濃淡を選べるものとして捉える。いまは、そんなグラデーションで考える時代に入っているように思います。
FIREを目指す人が、今考えておくべき問い
最後に、FIREを目指している人にとって大切な問いを一つ挙げます。
「お金の問題が解決したあと、自分は何に時間を使いたいのか?」
この問いに、完璧な答えは必要ありません。
ただ、考えたことがあるかどうかで、FIRE後の景色は大きく変わります。
まとめ:FIREで人生がつまらなくなるかどうかは「準備次第」
FIREを達成したからといって、人生が自動的に楽しくなるわけではありません。
しかし同時に、FIREそのものが人生をつまらなくするわけでもありません。
FIREは自由をくれます。
ただし、その自由をどう使うかは、誰も決めてくれません。
だからこそ、FIREとはお金のゴールではなく、人生設計のスタート地点なのだと思います。
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私は45歳でのFIREを目標に掲げています。お金ではない、自由な生き方への挑戦です。

