高配当ETFは、日本と米国どっちがいいのか。
投資を続けていると、多くの人がこの問いにぶつかります。
分配金利回りだけを見ると米国ETFが有利に見えますが、実際には、税制・為替・成長性・精神的な安定感まで含めて考える必要があります。
本記事では、高配当ETFは日本と米国どっちが良いかという疑問に対して、利回りだけの比較ではなく、投資目的別の最適解を提示します。

高配当ETFは「利回り商品」ではなく「人生設計の商品」
高配当ETFは、株価の値上がりよりも定期的な現金収入(インカムゲイン)を重視する投資商品です。
FIREや資産形成の文脈では、次の役割を持つかと思います。
- 生活費の一部を分配金でまかなう
- 暴落時でも心理的に持ち続けやすくする
- 資産の出口戦略として使える
ETFで重要なのは、利回りが高い=優秀ではないという点です。
本当に見るべきなのは税引後の受取額と、その安定性です。
ちなみに高配当ETFでは税金でどれだけ削られるかがリターンに直結します。FIRE後の配当課税については、こちらの記事で詳しく整理しています。
日本の高配当ETFの特徴と代表銘柄
日本高配当ETFの基本的な強み
日本株の高配当ETFは、国内投資家にとって非常に親しみやすい存在です。
2024年以降の新NISA制度の拡充により、分配金を非課税で受け取れる点も大きな魅力です。
代表的な銘柄には、次のようなETFがあります。
- NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)
- 上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)(1698)
これらは、トヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グループなど、財務基盤の安定した大型企業を多く含みます。
平均配当利回りはおおむね3〜4%程度で、2026年1月時点でもインフレ調整後で堅調な水準を維持しています。
たとえば、1489の直近1年間のトータルリターンは約35%とされ、国内経済の回復基調を反映した結果となっています。
人気と勢いのある日本株ETF1489についてはこちらで詳しく解説しています。
日本ETFは「守りの投資」
日本企業の配当政策は比較的保守的です。
景気後退局面でも、急激に配当を削減しにくい傾向があります。
そのため、日本高配当ETFは円建てで安定収入を得たい人向けの投資といえます。
一方で、日本市場全体の成長率は米国に比べて低く、長期的な資本成長(キャピタルゲイン)は限定的になる可能性があります。
FIREを目指す場合、配当だけに依存しない設計が重要になります。
米国高配当ETFの特徴と代表銘柄
米国高配当ETFの魅力
米国の高配当ETFは、グローバル視点で見ても魅力が大きい商品群です。
代表例として、次のETFが知られています。
- Vanguard High Dividend Yield ETF(VYM)
- Schwab U.S. Dividend Equity ETF(SCHD)
これらは、ジョンソン・エンド・ジョンソンやP&Gなど、誰もが知る企業、連続増配実績のある企業を多く組み入れています。
2026年1月時点で、VYMの利回りは約3.2%。過去5年間のトータルリターンは年平均10%超とされています。
特にSCHDは配当成長率が高く、分配金そのものが毎年増える傾向があります。
日本から投資できるSCHD関連商品については、本家ETFとの違いをこちらで比較しています。
米国ETFは「攻めの高配当」
米国ETFの強みは、配当+株価成長の両立を狙える点です。
セクターも消費財、ヘルスケア、テクノロジーと分散され、経済のダイナミズムを取り込めます。
一方、日本人投資家にとっては、為替リスク(円高時に不利)そして米国源泉税と日本課税による二重課税は見逃してはなりません。
NISAを使えば軽減可能ですが、制度理解は不可欠です。
為替リスクをどう考えるかは、ETF選びの重要ポイントです。為替ヘッジの有無については、こちらで詳しく解説しています。
日本と米国の高配当ETFを比較する
2026年1月時点のデータをもとに、主要な違いを整理します。(勿論商品によって変わりますので、あくまで一般的な目安です。)
| 項目 | 日本高配当ETF | 米国高配当ETF |
|---|---|---|
| 平均配当利回り | 約3.5% | 約3.2% |
| 直近1年リターン(配当込み) | 約15% | 約18% |
| 運用コスト | 0.2〜0.3% | 0.06〜0.1% |
| 主なリスク | 国内経済依存 | 為替変動・二重課税 |
| 分散性 | 金融・製造業中心 | 多セクター |
| 税制 | NISAで非課税容易 | NISA可だが為替考慮 |
| 投資スタイル | 安定志向 | 成長志向 |
この表から分かる通り、日本ETFは安定性、米国ETFは成長性が特徴であるといえます。(もう一度押さえますが、商品によりけりです。)
FIRE目的ならどちらが向いているか
生活費補填が目的なら日本ETF
FIRE後の生活費として配当を使うなら、為替に左右されない円建て収入は大きな安心材料です。
家賃・食費・光熱費といった円で支払う支出と相性が良いのは、日本高配当ETFです。
資産成長も狙うなら米国ETF
一方、まだ現役で分配金を再投資できる段階なら、米国高配当ETFの成長性は魅力的です。
分配金を再投資し、長期で配当成長を享受するというシンプルな仕組みは、FIRE達成時の資産規模を押し上げてくれます。
ちなみに配当額が増えても、不安が消えない人が多いのも事実です。
結論:どちらかではなく役割で分ける
高配当ETF 日本と米国どっちがいい?という問いの答えは、どちらか一方ではなく、役割分担することです。
- 生活費の安定源 → 日本高配当ETF
- 成長+分配の両立 → 米国高配当ETF
このような棲み分けによって、為替リスクを分散・税制の違いを活用・精神的にも安定した運用が可能になります。
高配当ETFは、お金を増やす商品ではなく、お金の流れを設計する商品です。
利回りだけで選ぶのではなく、自分の人生の使い道から逆算することが、最も合理的な選び方です。
そもそも配当で暮らすとは、どれくらいの資産規模が必要なのかについては、こちらの記事で具体的な金額を試算しています。






