株式投資

ショーボンドホールディングスは買いか?17期連続増配を続けるインフラ補修企業の投資価値

ショーボンドホールディングスは、橋梁や高速道路など社会インフラの補修・補強を主力とする建設会社です。新設工事ではなく既存インフラを長く使い続けることに特化している点が最大の特徴と言えます。

主な受注先は、高速道路会社や国、地方自治体です。橋梁補修、耐震補強、コンクリート構造物の劣化対策など、専門性の高い分野で強みを持っています。景気が良いから増える仕事ではなく、老朽化が進めば必ず必要になる仕事であるため、事業構造自体が非常にデフェンシブです。

戦後の高度成長期に整備されたインフラが一斉に更新時期を迎えており、2025年時点では道路橋の約半数が建設後50年超とされています。国のインフラメンテナンス予算も増加傾向にあり、ショーボンドにとっては追い風が続いています。

こうした事業環境と強みを踏まえたうえで、そんなショーボンドホールディングスが投資先としてどのような価値を持つのかを、業績や財務、株主還元の視点から見ていきます。

業績推移から見るショーボンドの実力

過去12四半期の業績動向

直近12四半期を見ると、ショーボンドの業績は総じて改善傾向です。売上高とEPSは前年同期比で増勢を維持し、純利益率も底堅く推移しています。自己資本比率も上昇しており、収益性と安定性を同時に高めてきたことが分かります。

建設業は業績のブレが大きくなりがちですが、四半期ごとの振れが小さい点は特筆すべきでしょう。これは、短期的な大型案件に依存せず、継続的な補修需要を積み上げているビジネスモデルの強さを反映しています。

直近第1四半期決算のポイント

最新の第1四半期決算では、売上高が前年同期比4.7%減少しました。一見するとネガティブに映りますが、営業利益は0.5%増加しています。完成工事における設計変更受注が増え、利益率が改善したことが要因です。

親会社株主に帰属する四半期純利益も0.5%増加しており、量より質を重視した結果が数字に表れています。受注高は1.2%増加しており、通期業績予想も据え置かれています。

収益性・安定性・成長性を整理する

収益性

営業利益率は建設業の中でも高水準を維持しています。ROEは14.47%、ROAも一般的な目安を上回っており、資本効率の良さが際立ちます。専門工事に特化し、価格競争に陥りにくい体制が背景にあります。

安定性

自己資本比率は81%超と極めて高く、直近では84.4%まで上昇しました。借入に頼らない財務体質は、不況局面でこそ真価を発揮します。建設業でここまでの財務健全性を持つ企業は多くありません。

成長性

売上高は中長期で拡大傾向にあり、EPSも着実に成長しています。2026年6月期は12期連続の増収増益を計画しており、単なる「守りの会社」ではなく、成長も両立している点が評価できます。

配当金推移と株主還元の姿勢

ショーボンドホールディングスは、長期投資家にとって魅力的な株主還元を続けています。配当金は以下の通り、着実な増配を重ねています。

年度1株当たり配当金
2020年79.5円
2021年105.5円
2022年118円
2023年127円
2024年139円
2025年175.5円
2026年182円(見込み)

17期連続増配という実績は、配当重視の投資家にとって大きな安心材料です。さらに、2025年12月末に1株を4株に分割する予定があり、投資単価が下がることで個人投資家にとっての買いやすさも向上します。

現在の利回りは約3.5%と、高配当株と呼べる水準ではありませんが、増え続ける配当を重視する投資スタイルとは非常に相性が良い銘柄です。

バリュエーションは割高か割安か

株価は5,192円、PERは17.33倍、PBRは2.57倍と、建設業平均と比べるとやや高めです。ただし、これは単なる建設会社ではなく、インフラメンテナンスという安定成長分野で高収益体質を確立していることへの評価と考えられます。

ROEが高く、自己資本比率も極めて高い企業を、PERだけで割高と判断するのは早計でしょう。長期で保有し、配当成長を享受する前提であれば、妥当な水準と見る投資家も多いはずです。

株価チャート

25.12.23時点 Googleより引用

長期で見ると、今年の株価は下値を固めつつある一年にも見えます。

ショーボンドホールディングスは投資価値があるか

ショーボンドホールディングスは、派手さはありませんが極めて堅実な企業です。インフラ老朽化という構造的な追い風、安定した受注基盤、強固な財務体質、そして長期にわたる増配実績。これらが同時にそろっている銘柄は多くありません。

FIREや早期リタイアを目指す投資家にとって、将来のキャッシュフローを安定させる中核銘柄として検討する価値は十分にあります。短期的な株価上昇を狙う銘柄ではありませんが、時間を味方につける投資において、ショーボンドホールディングスは確かに力を発揮する存在と言えるでしょう。

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