投資を始めている方の中には、株式投資を通じてFIREや早期リタイアを目指し、日々コツコツと資産形成に取り組んでいる方も多いでしょう。
そのような長期投資家にとって、積立設定は、資産形成の効率を左右する重要な戦略要素です。
楽天証券は、楽天カードや楽天キャッシュを活用した積立投資によって、投資と日常支出を自然に結びつけられる点が大きな魅力で、私も愛用する証券会社です。しかし、最近でも楽天ペイの還元率が変更の報道があり、その後白紙に戻ったりと、制度や還元ルールは細かく変化しており、何となく昔のままの設定では最適とは言えません。
この記事では、最新ルールを踏まえたうえで、楽天証券の積立設定の最適解を整理していきます。

楽天証券の積立投資が支持される理由
長期投資と相性の良い仕組み
楽天証券の積立投資は、新NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)と非常に相性が良く、長期・分散・継続という王道の投資スタイルを自動化できます。
毎月一定額を投資信託に振り分けることで、価格変動を平均化するドルコスト平均法が自然に機能します。
2026年現在の楽天証券の特徴は、以下の点に集約されます。
- 積立額の上限が比較的柔軟
- 楽天カード・楽天キャッシュによる決済が可能
- 楽天ポイントを再投資に回せる循環構造
生活の延長線上で資産形成が進む設計になっている点が、多くの投資家に選ばれている理由です。
なぜ今、積立設定を見直すべきなのか
2026年のルール変更が与える影響
楽天証券では、楽天カード積立のポイント還元率が投資信託の代行手数料(販売会社取り分)によって変動する仕組みが定着しました。
この変更により、どのファンドを選ぶかで還元率が変わるという、見落としがちな差が生まれています。
FIREを目指すような長期投資家にとって、この年0.5%前後の差は、10年・20年後には無視できない金額差になります。
楽天カード積立の仕組みとメリット
ポイント還元が生む複利
楽天カードを使った積立投資の最大の魅力は、投資しながらポイントが生まれ、そのポイントを再投資できる点です。
2026年現在の基本仕様は以下の通りです。
- 月10万円までカード決済が可能
- 還元率はカード種類+投資信託の代行手数料で決定
- 獲得したポイントは投資信託の買付に利用可能
この仕組みは、リスクを取らずに得られるリターンとして非常に優秀で、長期投資の精神的な支えにもなります。
楽天カード種類別|積立時の還元率比較(2026年版)
以下は、2026年現在の主要カードを比較した表です。
| カード種類 | 代行手数料0.4%未満 | 代行手数料0.4%以上 | 年会費 | おすすめ積立額 |
|---|---|---|---|---|
| 楽天カード(通常) | 0.5% | 1.0% | 無料 | 月5万円以上 |
| 楽天ゴールドカード | 0.75% | 1.0% | 2,200円 | 月8万円以上 |
| 楽天プレミアムカード | 1.0% | 1.0% | 11,000円 | 月10万円 |
| 楽天ブラックカード | 2.0% | 2.0% | 33,000円 | 月10万円 |
上位カードほど還元率は高くなりますが、年会費を回収できる積立額かどうかを判断することが重要です。
基本的には楽天カード(通常)で十分ですが、楽天ゴールドカード、プレミアムカードが特になる場合もあります。
楽天カード(通常)と楽天ゴールドカードの損得分岐点
代行手数料0.4%未満のファンド購入の場合(オルカン・S&P500など低コスト銘柄のほとんどが該当)
・月5万円以下の積立 → 楽天カード(無料)で十分です。ゴールドは年会費負けします。
・月7万円前後の積立→ ほぼトントンです。空港ラウンジ(年2回無料)などの他の特典が欲しいならゴールドカードも検討アリです。
・月7.4万円以上の積立 → 楽天ゴールドカードが明確に特になります。追加ポイントで年会費を回収+αのメリットがあります。
楽天プレミアムカードにした方がいい主な人
- 月8〜10万円以上のクレカ積立をしている(またはしたい)人
→ 積立だけで年会費を回収+α。低コストインデックス派には特に強いです。 - 楽天市場で年間30〜50万円以上買い物するヘビーユーザー
→ SPUで楽天市場ポイントが最大+4倍になります(火・木デー活用でさらにアップ)。誕生月特典や選べるポイントアップコース(楽天市場コースで+1%など)も加味すると、年会費以上の価値が出やすくなります。 - 海外旅行・出張が年3回以上ある人
→ プライオリティ・パス(プレステージ会員)が無料付帯(通常年会費約7万円相当)でなおかつ、世界1,500以上の空港ラウンジが使い放題で、家族カードも年5回無料などの特典があります。旅行保険も手厚いです。 - 楽天経済圏全体をフル活用したい人(SPU最大化派)
→ 投信積立でSPU+1倍条件クリアしやすく、楽天トラベル・楽天ブックスなどのコース選択でさらにポイント倍率アップ。総合的にポイントが貯まりやすいカードです。
楽天キャッシュを併用する意味
月15万円まで無理なく最適化できる理由
楽天キャッシュは、月5万円を上限に積立に利用でき、0.5%のポイント還元があります。
2024年6月4日以降、楽天カードから楽天キャッシュへのチャージ自体に0.5%還元はなくなりました。積立利用時に0.5%がつくだけです。
結果として、0~10万円までの積み立て設定なら楽天カードで、10万円以上~15万円以下なら、楽天カード満額10万円プラス楽天キャッシュ満額5万円の併用
という組み合わせで、合計月15万円までポイント効率を落とさず積立可能になります。
また、楽天キャッシュの場合は、買付日の柔軟性(キャッシュは1〜28日自由選択、クレカは固定)があること、そして、楽天市場のポイント倍率が+0.5倍になり、SPU(スーパーポイントアッププログラム)の条件に該当することもメリットとして挙げられるので、楽天市場で買い物をする場合や、買付日を指定したい場合など、ケースによっては大いに活用する価値があります。
積立額別|おすすめ設定シミュレーション
| 月積立額 | 決済方法 | 年間ポイント(通常カード) | 年間ポイント(プレミアム) |
|---|---|---|---|
| 5万円 | 楽天カードのみ | 約3,000pt | 約6,000pt |
| 10万円 | 楽天カードのみ | 約6,000pt | 約12,000pt |
| 15万円 | カード+キャッシュ | 約9,000pt | 約18,000pt |
この差は小さく見えても、10年積み上げれば10万を超えるポイントとなり、旅行1回分以上の違いになります。
注意点とリスク管理
当然ながら、投資信託には価格変動リスクがあります。また、楽天のポイント制度は将来変更される可能性もあります。
そのため、生活費を圧迫しない積立額にする、年に1回は還元ルールを確認する、ポイント最優先で商品を選びすぎない、といった視点は、長期投資を続ける上で欠かさないようにしましょう。
結論|2026年の楽天証券・積立設定の最適解
現在のルール上では、以下の結論が明確です。
楽天カードを軸に、楽天キャッシュを併用し、無理のない範囲で月15万円まで積立を最適化すること。
これは小手先のテクニックではなく、資産形成を続けやすくするための環境づくりです。
念のために押さえておきますが、ポイントのために高コストファンドを選ぶのは本末転倒であり、当然推奨しません。ポイント還元率が下がるとしても、ファンド選びは信託報酬の低さ優先で選びましょう。FIREや早期リタイアを目指す道のりは長いからこそ、こうした積み重ねが、後になって確かな差になります。
・月10万円まで → 楽天カード積立
・10万円超〜15万円 → 楽天カード+楽天キャッシュ併用
・カードは通常カードでもOK。高額積立ならプレミアム検討
という設定が、現状では最も無駄がありません。
新NISAのつみたて投資枠(年間120万円)なら、月10万円のクレカ積立だけでほぼカバーできるので、ほとんどの人は月10万円設定で十分お得です。高額積立派はプレミアムカード以上を使って還元率を上げるとさらに効率が良くなります。一度、ご自身の積立設定を見直してみてくださいね。
新NISAは2024年から始まった素晴らしい制度ですが、あえてやらない方がいい人も存在します。

