税引き後配当金、年400万円。
明確な基準があるわけではありませんが、FIRE達成の一つのラインとして挙げられる数字だと思いますす。
実際に私は、2024年・2025年と税引き後の年間配当金は430万円を超え、金融資産も約1億4,000万円まで積み上がりました。
四人家族であっても、派手な暮らしをしなければFIREは十分に現実的な水準に達しています。実際に現在の私達家族の生活レベルであれば、時々の家族旅行も楽しみながら、毎月投資を続けられます。SNS上でも、1億円に満たない資産でFIREしている人は全く珍しくありません。
それでも私は、まだFIREに踏み切れていません。今回は、その理由を整理してみたいと思います。

配当金400万円は理論上は十分だが感覚的には足りない
まず、数字を整理してみます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間配当金(税引き後) | 約437万円 |
| 月平均 | 約36万円 |
| 金融資産 | 約1億3,000万円 |
| 家族構成 | 夫婦+子ども2人 |
月35万円前後のキャッシュフローがあれば、地方在住・標準的な生活であれば私達家族なら十分過ぎるほどにやっていけている水準です。
それでも正直なところ、まだ安心できないなぁという感覚があります。
生活費だけを考えれば足りています。ただ、人生は生活費だけでは測れません。
子どもが小さいほど、不確定要素は大きく見える
配当金月35万円では安心できない理由の一つが、子どもがまだ小さいという点です。
今はそれほどお金がかからなくても、
・教育費がどこまで膨らむか
・進路は公立か私立か
・留学や習い事をどうするか
将来の選択肢は、まだ何も決まっていません。
実際にそんなに使うつもりはないと頭では分かっていますし、今後教育に関する様々な支援は一層手厚くなっていくだろうと思っていますが、目の前にいる小さな子どもがを見ていると、やはり保守的になってしまいます。
これは数字の問題というより、親としての感情の問題に近いと思います。
あれほど辞めたかった仕事に、充実感を感じているという矛盾
もう一つ、大きな理由があります。
それは、あんなに辞めたくて辞めてたくてたまらなかった仕事が意外と楽しくなってきているということです。
かつては一秒でも早く辞めたいと思っていた仕事ですが、
・経験値が積み上がり
・技術や判断力が向上し
・周囲からの信頼も増えた
結果として、以前より仕事に手応えと充実感を感じています。
そして何より、いつ辞めても配当金で生活できるという事実は、仕事への向き合い方を大きく変えています。
FIREは逃げ道ではなく選択肢になった
経済的余裕がない頃の仕事は、生活のために辞められないものでした。
しかし今は違います。
辞めようと思えば、いつでも辞められる。だからこそ、
・無理な我慢をしなくなり
・必要以上に評価を気にせず
・自分なりのペースで働ける
結果として、精神的な余裕が仕事の充実感につながっています。
皮肉ですが、FIREできる状態になってからの方が、会社員生活を楽しめているのです。
もう一つの理由:FIRE後の自分の役割がまだ言語化できていない
三つ目の理由として、自分でも最近気づいたことがあります。
それは、FIRE後の自分が、どんな役割を担うのかが明確でないという点です。
仕事を辞めたあと、
・何に時間を使うのか
・社会とどう関わるのか
・自分は何者として生きるのか
この部分が、ぼんやりとはイメージしているのですが、まだ明確に言語化しきれていません。はっきり言ってやりたいことは山のようにあるのですが、ただ、それらは趣味や消費に近い、いわば表層的な欲求、一時期的な満足に留まるものではないか、と立ち止まって考えてしまうことがあります。
一方で今の仕事を通じて、社会の一部として機能し、ささやかながらも価値を提供できているという自己有用感を感じているのも事実です。
FIREはお金のゴールではありますが、人生のゴールではありません。
次の軸が定まっていない状態で会社を離れることに、無意識のブレーキがかかっている気がします。
配当金400万円はFIREできない理由ではなく考える余白
配当金430万円を超えたのに未だにFIREをしない。これは弱さでも失敗でもありません。
むしろ、家族や仕事、人生のフェーズそれぞれを丁寧に考えられる余白が生まれた状態だと思っています。
FIREは今すぐ辞めるかどうかだけの話ではありません。いつでも辞められる状態を維持すること自体が、すでに大きな価値を持っているのだと思います。
まとめ:踏み切れないのは、慎重だからこそ
配当金430万円、資産1億4,000万円。数字だけを見れば、我が家の水準ならばFIREは十分可能です。
それでも踏み切れない理由は、
・子どもと将来への不確実性
・仕事の充実感
・FIRE後の自分像がまだ曖昧
この三つが重なっているからです。
FIREに正解のタイミングはありません。大切なのは、自分が納得できるかどうか。
踏み切れない今も、実はかなり恵まれた状態なのかもしれません。
同じように悩んでいる方にとって、少しでも視点の整理や共感につながれば幸いです。
…とはいっても、有限の人生において、様々な経験を積みたい、世界を知りたいという思いはやはり、FIREに駆り立てます。


