2026年に入り、日本株に対する見方は一段と強気に傾いています。
特に注目を集めているのが、証券会社各社による年末6万円台予想です。
2月に相次いだ上方修正は一時的な話題で終わるかと思われましたが、4月時点でもその見通しは大きく崩れていません。むしろ、足元の相場環境を踏まえて強気維持が確認されている点は見逃せません。
本記事では、野村證券と三井住友DSアセットマネジメントの見通しを軸に、最新のコメントも踏まえながら整理していきます。

野村證券:日経平均60,000円予想を維持
野村證券は2026年2月、日経平均の年末見通しを60,000円へ上方修正しました。
背景にあるのは以下の2点です。
- 総選挙での与党大勝による政治安定
- 企業決算の強さ(業績相場への移行)
想定シナリオはシンプルです。
想定シナリオ
- TOPIX:4,000ポイント
- NT倍率:約15倍
→ 日経平均:約60,000円
さらに注目すべきは、4月に入ってもこの見通しが維持されている点です。
4月14日のストラテジスト解説では、
中東情勢が不透明な中でも、60,000円見通しは維持
と明言されています。
加えて、4月17日のコメントでは、
4月17日のコメント
- 夏ごろまで上昇基調
- 高値の目処は62,000円程度
- AI関連株が押し上げ要因
といった短期的な強気見通しも示されています。
単なる年末ターゲットではなく、足元の相場に対する継続的な強気スタンスが特徴と言えるでしょう。
三井住友DS:61,500円予想と内部の温度差
三井住友DSアセットマネジメントも、2026年2月に見通しを引き上げています。
- 日経平均:61,500円
- TOPIX:4,100ポイント
- EPS:約240ポイント
- PER:約17倍(NT倍率約15倍)
この予想の根拠は、よりマクロ寄りです。
予想の根拠
- 物価上昇の定着
- 賃上げの継続
- 企業の資本効率改善
つまり、構造的に日本株が上がりやすい環境に入っているという前提です。
この点は、野村證券の政治+業績視点とは少し異なり、より長期的な視野に立った強気論と言えます。
ただし、4月時点ではやや興味深い動きも見られます。
同社内の別コメントでは、
年末は57,000円程度
という、やや慎重な見方も出ています。
つまり、市川レポートでは61,500円(強気)、別担当者では57,000円(やや慎重)という内部での温度差が存在しています。
裏を返せば、強気シナリオは維持しつつも、不確実性は無視してはいないという現実的なスタンスとも言えるでしょう。
共通点は「NT倍率15倍」
両社の予想で興味深いのが、NT倍率15倍前提が共通している点です。
- TOPIXベースで利益成長を見積もる
- そこに倍率をかけて日経平均を算出する
というロジックが一致しています。
このため、
6万円という数字だけを見るよりも、EPSと倍率の組み合わせを見る方が本質的
と言えるでしょう。
株式市場の見通しとしても、単なる期待ではなく、ある程度計算された水準であることが分かります。
では、この強気予想をどう捉えるか
ここまでを見ると、野村證券は強気を維持しつつ短期も上目線、三井住友DSは構造的強気だが内部に温度差ありという構図になります。
重要なのは、当たるかどうかよりも、なぜ強気なのかを理解することです。
整理すると、日本株の上昇シナリオは主に3点です。
このどれかが崩れれば、当然シナリオも揺らぎます。
特に4月時点では、中東情勢や米国景気、金利動向といった外部要因も無視することはできません。
おわりに
日経平均6万円という数字は、少し前までは現実味の薄い水準でした。
しかし現在は、複数の大手機関が同水準を提示し、かつそれを維持しています。
その意味で、相場はすでに夢物語から前提の一つへと変わりつつあるのかもしれません。
もっとも、相場は常に揺れ動くものです。
強気シナリオをそのまま受け入れるのではなく、何が前提になっているのか、どこが崩れると危ういのかこのあたりを冷静に押さえておくことが、結果的に長期投資の安定につながると感じます。
相場の動きに囚われない自分も持っておきたいところです。


