2026年4月、楽天証券で新たに取扱いが始まった、GS Nasdaq-100 プレミアム・インカムETF(GPIQ)。
ここ数年、JEPQをはじめとするカバードコールETFが人気を集めていますが、その流れの中で登場したのが、ゴールドマン・サックス版ともいえるこのGPIQです。
ナスダック100の成長性を取り込みながら、毎月分配・利回り10%超を狙える設計。
インカム投資を重視する方にとっては、かなり気になる存在ではないでしょうか。
本記事では、GPIQの仕組み・分配金・リスク等を整理していきます。

基本スペック
まずは概要をコンパクトに整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Goldman Sachs Nasdaq-100 Premium Income ETF |
| ティッカー | GPIQ |
| 設定日 | 2023年10月24日 |
| 運用会社 | Goldman Sachs Asset Management |
| 投資対象 | Nasdaq-100+コールオプション |
| 分配 | 毎月(目標) |
| 経費率 | 0.29%(通常0.35%) |
| 純資産 | 約3.1〜3.5Bドル |
| 株価 | 約53.99ドル(2026/4/17時点) |
楽天証券では、2026年4月17日から取扱い開始となりました。
GPIQの仕組み|「成長+インカム」の二刀流
GPIQの特徴はシンプルです。
いわゆるカバードコール戦略ですが、GPIQのポイントは、ダイナミック(柔軟)にコール売りを調整する点にあります。
例えば、相場が不安定ならプレミアムを厚く取りにいき、上昇トレンドならば成長を取りにいくといった形で、機械的ではなく意図的に調整されます。ゴールドマンの運用力が出る部分です。
分配金|最大の魅力は毎月10%前後
利回り水準
- 過去12ヶ月分配利回り:約10.68%
- 設定来平均:約10.5%
- 年間分配:約5.33ドル
率直に言って、分配利回りだけ見ればかなり魅力的な水準です。
ただし、これは分配金総額÷株価で計算したもので、
①運用状況により金額は変動する
②一部が元本払い戻し(ROC)になる可能性がある(過去に高割合のROCが発生した期間もあり)
③分配利回り=総リターンではない
この3点は絶対に押さえておいてください。

このグラフを見ると、GPIQの特徴である安定した分配と高い利回り水準がよく分かります。
まず分配金(棒グラフ)ですが、おおむね0.5ドル前後に向かって緩やかに増加傾向にあり、極端なブレは見られません。
そして注目すべきは分配利回り(折れ線)です。設定来を通して、おおむね10%前後で安定して推移しています。
この水準を維持できている点は、インカム投資家にとって大きな魅力ですが、この安定感をそのまま安全と捉えるのはやや早計です。
押さえておきたいポイント
- 分配の原資にはオプションプレミアムが含まれる
- 市場環境によって分配額は変動する
- 一部がROC(元本払い戻し)となる可能性もある
といった点は理解しておく必要があります。見た目の安定利回りに安心するのではなく、中身を意識して付き合うETFと言えそうです。
競合比較|JEPQ・QQQIとの違い
代表的な競合と比較すると、立ち位置が見えてきます。
| 項目 | GPIQ | JEPQ | QQQI |
|---|---|---|---|
| 経費率 | 0.29% | 0.35% | 0.68% |
| 利回り | 約10.5% | 約10-11% | 14%超例 |
| 規模 | 約3.5B | 36B超 | 中規模 |
| 特徴 | ダイナミック調整 | 安定型 | 高インカム特化 |
規模はまだまだですが経費率の安さは魅力的です。
という住み分けになります。
パフォーマンス|QQQより少し守り寄り
GPIQはインカム型とはいえ、意外と成績も悪くありません。

まず、左図のGPIQの設定来パフォーマンスを見ると、分配金再投資ベースでは右肩上がりの成長を維持していることが分かります。
一方で、純資産価格(NAV)はより緩やかな上昇にとどまっており、ここから分配金によるリターンの寄与が大きいETFであることが読み取れます。途中で調整局面(下落)も見られますが、その中でも分配は継続されており、価格変動とインカム収入を分けて考える重要性が見えてきます。価格の伸びだけでなく、分配込みでどうかを見るのがGPIQの本質ですね。
次に右図の期間別の騰落率を見ると、保有期間が長くなるほどリターンが安定して伸びている点が特徴的です。
短期ではそこまで突出したリターンではないものの、中長期で見ると着実に積み上がっているタイプのETFであることが分かります。
特に注目すべきは、これらが分配金込みのトータルリターンである点です。GPIQは短期で値幅を取りにいく商品というよりも、
分配を受け取りながらじっくり資産形成していくタイプのETFと言えるでしょう。
ここ1年のパフォーマンス(2026年4月時点)
直近のリターンはまさに絶好調で、YTD(年初来):約+5.75%前後、1年リターン:約+41.39%~+42.76%の好パフォーマンス。
同カテゴリー(Derivative Income)の平均(約+13.90%)を大きく上回っており、インカム系ETFとしてはかなり優秀な水準です。
また、設定来(2023年10月〜)の累積トータルリターンも約20%前後(分配再投資ベース)と、安定した成長を確認できます。
もう一つ注目したいのが、リスク面の特徴です。
リスク面の特徴
- ボラティリティ:約20.29%(Nasdaq-100は約22.35%)
- 上昇取り込み:約87%
- 下落耐性:約65%
この数値から分かるのは、上昇相場ではある程度ついていきつつ、下落局面ではダメージを抑える設計という点です。
いわゆるカバードコール戦略らしく、値上がり益を一部犠牲にする代わりに、下落耐性とインカムを確保するバランス型のリターン構造になっています。
ROC(元本払い戻し)について知っておくべきこと
カバードコールETFの分配金は、株式配当+オプション・プレミアムが主な原資ですが、運用状況によっては元本の一部を払い戻すROCとなる場合があります。公式資料では、過去に一定期間でROC割合が71.7%に達した例も報告されています。
ROC自体は税務上非課税扱いになるメリットもありますが、基準価額(NAV)を押し下げる要因になるため、中長期保有では注意が必要です。
リスクと注意点
魅力的な商品ではありますが、リスクと注意点についても知っておくことが大切です。
主なリスクは以下の通りです。
利回り10%=安定収入と単純に考えるのは危険です。実際の総リターンは市場環境やオプション戦略の成果次第で、QQQを下回る期間も十分にあり得ることは心に留めておきましょう。
まとめ|2026年の有力候補の一つ
GPIQは一言でいうと、攻めと守りのバランスが取れたカバードコールETFです。
ただし、上昇相場での上値抑制とROCの可能性はトレードオフである点は理解しておきましょう。
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