40歳の足音が近付き、老後のことを考える時間も少しずつ増えてきました。まだ実感は正直湧きませんが、30年後の自分はどうしているんだろうと思う瞬間が時々あります。
資産はコツコツと積み上がり、現在も働いている分だけ厚生年金も着実に増えています。このままいけば何とかなる気もする一方で、年金はいつからもらうのがいいのか?という疑問には、はっきり答えが出せていませんでした。
結論から言うと、正解は人によって全く違うのですが、判断軸を整理すれば迷いはかなり減ります。
「年金は早くもらうべきか、それとも遅らせるべきか」
これは誰もが一度は悩むテーマなのではないかと思います。
結論から言うと、正解は人によって全く違うのですが、判断軸を整理すれば迷いはかなり減ります。
この記事では、一般的な考え方に加えて、FIRE志向の視点も踏まえて解説したいと思います。

年金の繰り上げ・繰り下げの基本
まずは受給開始年齢ごとの増減率を整理しておきます。
| 受給開始年齢 | 増減率(65歳比) |
|---|---|
| 60歳 | -24.0% |
| 61歳 | -19.2% |
| 62歳 | -14.4% |
| 63歳 | -9.6% |
| 64歳 | -4.8% |
| 65歳 | 0.0% |
| 66歳 | +8.4% |
| 67歳 | +16.8% |
| 68歳 | +25.2% |
| 69歳 | +33.6% |
| 70歳 | +42.0% |
| 71歳 | +50.4% |
| 72歳 | +58.8% |
| 73歳 | +67.2% |
| 74歳 | +75.6% |
| 75歳 | +84.0% |
ご覧の通り、受給を遅らせるほど増加幅はかなり大きくなります。
まず前提として、年金は65歳を起点として、受給開始年齢によって金額が変わります。
上記の表の通り、
受給開始年齢による割合差
- 60歳開始 → 24%減
- 65歳開始 → 増減なし
- 70歳開始 → 42%増
- 75歳開始 → 84%増
と、かなり大きな差がつきます。
一見すると絶対に繰り下げた方が得じゃん?と感じますが、そう単純ではありません。
判断の本質は「何歳まで生きるか」
繰り下げが有利かどうかは、いわゆる損益分岐点(元を取る年齢で決まります。
ざっくりした目安は以下の通りです。
つまり、長生きするほど繰り下げが有利になり、早く亡くなるほど繰り上げが有利という非常にシンプルな構造です。
ただし、問題は自分が何歳まで生きるか分からないという点です。
FIRE目線で考えるとどうなるか
FIREを目指す人にとって、年金は生活費の柱というより、後半のセーフティネットという位置づけになります。FIRE済み=資産形成はほぼ完成されていると考えられるからです。
この前提に立つと、考え方が大きく変わります。
① 資産があるなら繰り下げは有力
FIRE達成者や資産形成が進んでいる人は、65歳まで働かなくても生活できるため年金にすぐ頼る必要がないという状態です。
この場合、 年金は「長生き保険」として最大化するという考え方が合理的になります。
75歳で84%増は、インフレ耐性という意味でもかなり強力です。
② 取り崩し戦略との相性
FIREでは資産の取り崩しが重要です。当然ながら
- 早く年金をもらう → 取り崩しを減らせる
- 遅くもらう → その分資産を先に使う
というトレードオフになります。
ここで考えるべきは、資産の期待リターン vs 年金の増加率です。
年金の繰り下げは、年率で見るとおよそ+7〜8%の確定リターンに近い性質があります。
具体的に見ていくと、例えば、65歳→70歳に繰り下げると合計で+42%。これは単純に5年で42%増えているので、年率に直すとおよそ+7〜8%程度のリターンに相当します。
しかもこれが市場の上下に影響されず、生きている限り受け取れるというほぼ確定しているリターンだという点です。
株式投資で年7%を安定して出し続けるのは簡単ではないことを考えると、かなり魅力的な条件と言えます。
③ 精神的な安心感という見えない価値
FIRE後は収入がない状態が長く続くため、 将来の固定収入を厚くしておく安心感はかなり大きいです。
そのため、早くもらって安心感を得るという価値も大いに理解できます。一方で、遅らせることで 将来の安心感を増やすという選択も大いに理解できます。
どちらを重視するかは性格、環境、健康等に依存するので、やはり正解はありません。
繰り上げが向いている人
以下に当てはまる場合は、繰り上げも現実的な選択です。
繰り下げが向いている人
一方で、繰り下げが向いているのはこんな人です。
特にFIRE志向の人は、こちらに当てはまるケースが多いと思います。
個人的な結論
FIRE目線で整理すると、基本戦略はシンプルです。
資産で前半を乗り切り、年金は後半で最大化させます。
つまり、できるだけ長い期間資産を取り崩し、受給開始を送らせるという戦略です。
もちろん、これは万能ではなく、市場の不調や想定より資産が減るといった場合は、途中で受給開始を早める柔軟さも重要です。
まとめ
年金の最適解は、金額だけでは決まりません。
年金の最適解の判断要素
- 寿命
- 資産状況や生活費
- 環境(生活・家庭)
- 投資方針
- メンタル
これらすべてを含めて判断する必要があります。
ただ一つ言えるのは、FIRE志向の人ほど、繰り下げとの相性が良いという点です。
年金は、人生後半を支える最強のディフェンス資産として捉えてみると、見え方が変わってきますね。
自身に合った最適解を見つけていきましょう。
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