資産形成

40代でFIREを目指すなら必要な資金はいくら?家族構成別シミュレーションでわかる現実的プラン

家族構成別シミュレーションでわかる現実的プラン

「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」──経済的自立と早期リタイアを目指す生き方は、いまや30代だけでなく40代から目指す人も増えています。

では、40代でFIREを目指す場合、どれくらいの資金が必要なのでしょうか?

また、今から始めて間に合うのでしょうか?

この記事では、家族構成別の生活費をもとに、40代からの現実的なFIREシミュレーションを紹介します。

あわせて、40代からでも達成可能な資産形成戦略を解説します。


FIREに必要な資金はどう決まる?

生活費がベース

FIREに必要な資金は、まず「年間生活費 × 25倍(=25倍ルール)」で求められます。

総務省の家計調査による平均生活費を参考にすると以下のとおりです。

家族構成月間生活費年間生活費必要資産(25倍ルール)
単身世帯17万円204万円約5,100万円
二人暮らし世帯26.4万円316.8万円約7,920万円
4人家族世帯32.3万円387.6万円約9,690万円

たとえば4人家族で年間387.6万円の生活費なら、約9,690万円がFIRE達成の目安になります。

家族構成が増えるほど、生活費・必要資産ともに増加するため、現実的な生活設計が重要です。


投資利回りと取り崩し率

FIREでは「4%ルール」が一般的です。

これは「年間生活費の4%を資産から取り崩して生活する」考え方です。

仮に平均年利5%の運用を行うと、実質的な資産増加と取り崩しのバランスがとれ、持続可能なFIRE生活が可能になります。

  • 単身世帯:204万円 ÷ 0.04 = 5,100万円
  • 二人暮らし世帯:316.8万円 ÷ 0.04 = 7,920万円
  • 4人家族世帯:387.6万円 ÷ 0.04 = 9,690万円

オルカン(全世界株)やS&P500の長期平均リターンは7~8%前後。

安全マージンを取って5%前後でのシミュレーションは、むしろ堅実な前提といえます。


30代・40代のFIRE達成シミュレーション(家族構成別)

前提条件

  • 年利:5%
  • 毎月積立額:5万円/10万円/15万円
  • 投資開始年齢:30歳・40歳

単身世帯(必要資金:約5,100万円)

投資開始年齢毎月5万円毎月10万円毎月15万円
30歳開始約52歳で達成約42歳で達成約36歳で達成
40歳開始約64歳で達成約54歳で達成約48歳で達成

二人暮らし世帯(必要資金:約7,920万円)

投資開始年齢毎月5万円毎月10万円毎月15万円
30歳開始約56歳で達成約46歳で達成約40歳で達成
40歳開始約68歳で達成約57歳で達成約51歳で達成

4人家族世帯(必要資金:約9,690万円)

投資開始年齢毎月5万円毎月10万円毎月15万円
30歳開始約60歳で達成約50歳で達成約44歳で達成
40歳開始約72歳で達成約61歳で達成約54歳で達成

このシミュレーションから分かるように、40代スタートでは、30代と比べてFIRE達成時期がおおむね10年以上後ろ倒しになります。

これは、投資に使える「時間」という最大の武器が少なくなるためです。

複利の効果は、時間が長ければ長いほど大きく働きます。

つまり、40代でFIREを目指す場合、「時間の不足」を積立額の増加や支出の最適化によって補う必要があります。

とはいえ、40代からでもまだ十分に間に合います。

すでに収入の安定性があり、生活費のコントロールもしやすい世代です。

また、投資経験を積んでいる人も多く、リスクを理解したうえで効率的に資産形成を進められるという強みもあります。

積立額を増やし、支出を見直し、資産配分を最適化することで、老後を待たずして「セミリタイア圏内」や「FIRE準備完了ライン」に到達することは十分に現実的です。


40代FIREを現実的に目指す戦略

① 積立額を増やす

40代からのFIREは「時間との勝負」。

少額で長期よりも、高積立+効率運用がカギになります。

ボーナスや副業収入を投資に回し、毎月10万円以上を目指すことで、FIRE達成年齢を大きく引き下げられます。


② 支出を見直す

FIREのゴールを近づけるもう1つの方法が生活費の最適化です。

  • 保険・通信費・サブスクなど固定費を見直す
  • 住居費を抑える(持ち家・賃貸の再検討)
  • 子どもの教育費を「見える化」して予算管理

生活費を月5万円減らすだけで、FIRE必要資金を1,500万円以上削減できます。


③ 投資戦略を最適化する

40代からの資産形成では、リスクを取りすぎずに利回りを確保する設計が必要です。

  • 米国・全世界株ETF(VTI, VT, VOOなど)で中長期運用
  • 高配当ETF(VYM, HDV, JEPQなど)でインカムを確保
  • REIT・債券ETFでリスク分散

特に「毎月分配型ETF」や「配当再投資」は、キャッシュフローを安定させる手段として有効です。


まとめ

FIREを目指すうえで大切なことの一つは、
「自分の年齢と家族構成に合った資産目標を設定すること」です。

40代スタートでは、30代に比べて時間の余裕は少ないものの、

  • 積立額を増やす
  • 支出を最適化する
  • 効率的な投資戦略をとる

この3つを徹底することで、老後前にセミリタイア圏内へ到達することは十分可能です。

FIREは「いつ始めるか」ではなく、「始める決意があるか」です。

今日が一番若い日。
今からでも、FIREへの道は確実に開けます。

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断片的な情報に惑わされやすい時代だからこそ、シンプルな投資スタイルを貫いて参ります。

この原則を信条とし、着実に資産形成を続けていきます。

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