NHKの「ドキュメント72時間」は、私が大好きな番組の一つです。
華やかな成功者ではなく、ごく普通の人たちの日常に3日間密着することで、自分の知らない世界や価値観に触れられる番組。見終わった後は、いつも少しだけ自分の世界が広がったような気持ちになります。
先日放送された「鹿児島 歯医者のいない島で」という回を録画で見ていたところ、思いがけずFIRE民と思われる男性が登場しました。
今回は、その姿を見て感じたことを書いてみたいと思います。

鹿児島・歯医者のいない島で
番組の舞台は、鹿児島から船で約3時間の場所にある三島村。
竹島・硫黄島・黒島の3つの島には歯科医院がなく、半年に一度だけ歯医者さんが派遣されます。その3日間に密着した内容でした。
公式サイトでは、このように紹介されています。
「鹿児島から船で約3時間。竹島、硫黄島、黒島の3つの島からなる三島村が見えてくる。歯科医院がないため、半年に一度、歯医者が派遣される。今回はその3日間に密着。久々の治療・検診に大勢の人たちが訪れる。飲み過ぎのせいか、虫歯が4本もあった男性。初めての治療で、涙目で耐える小学1年生。診察の結果、本土の大きな病院へ行くことになった小学3年生。“当たり前”ってなんだろう。歯医者のいない島で思いを巡らせる。」
当たり前と思っていることが、決して当たり前ではない。
そんなことを考えさせられる回でした。
FIRE民と思われる男性が登場
番組の途中で、頭にタオルを巻いた40代くらいの男性が映りました。
NHKのスタッフから「お仕事は何をされているんですか?」と聞かれると、その男性は少し笑いながら、
これを言ったら反感を買うかもしれませんが…
と前置きをして、
日々読書をしたり、子どもとの生活を楽しんでいます。
といった内容の話していました。
この一言で、あ、この方はFIREされているのかなと思いました。
飲食店や宿泊施設を売却し、新しい人生へ
その男性は、生活資金についても話していました。
以前経営していた飲食店や宿泊施設を売却し、その資金をもとに全国を転々としながら生活しているとのこと。
そして現在たどり着いた場所が、この鹿児島の離島だったそうです。
FIREの形は人それぞれですが、仕事を辞めることが目的ではなく、自分が望む暮らしを選べることが本当の価値なのだと改めて感じました。
「足るを知る者は富む」を体現しているようだった
もちろん、テレビで映った数分だけでその人の人生を語ることはできません。
それでも私が強く感じたのは、その男性から漂う穏やかな空気でした。
シンプルなTシャツに短パン、サンダルという飾らない服装。〈私からすると、This is FIRE民というような恰好〉
一見するととても質素な暮らしに見えるかもしれませんが、どこか満たされているような雰囲気がありました。
まさに、足るを知る者は富むという言葉が自然と頭に浮かびました。
本当の豊かさは、高級車やブランド品ではなく、自分が満足できる暮らしを送れているかどうか…ということを考えました。
時間の流れ方が違って見えた
印象的だったシーンの一つは、お子さんと手をつないで病院へ歩く姿でした。
離島のゆったりした空気もあってか、とても豊かな時間だなと私は感じました。
毎日仕事の時間に追われ、次の日の予定を考えながら生活している私とは、時間の流れ方そのものが違って見えたからです。
もちろん、離島での生活には不便なこともたくさんあるでしょう。
番組のテーマ自体が「歯医者のいない島」ですから、都市部では当たり前の医療を受けることさえ簡単ではありません。
それでも、その男性からは今の暮らしで心が十分に満たされている幸福感が伝わってきました。
私も改めてFIREを目指したいと思った
私は現在も会社員として働きながら資産形成を続けています。
FIREを目指す理由は、働きたくないからではありません。
自分や家族との時間を、自分で選べるようになりたいからです。
ドキュメント72時間には、普段の生活では出会えない人たちの生き方がたくさん登場します。
今回の放送に出てきた男性の暮らしが、誰にとっても理想というわけではないでしょう。
それでも、こんな人生の選択肢もあるんだと知るだけで、自分の価値観は少し広がります。
今回の放送を見て、私は改めてFIREへの思いを強くしました。
資産を増やすこと自体が目的ではなく、自分や家族と過ごす時間を、自分の意思で選べる人生を目指したい。
そんなことを改めて考えさせてくれた、とても印象に残る回でした。
最後になりますが、毎年「ドキュメント72時間」の年末スペシャルで、温かく番組を見守るような語り口が印象的だった山田五郎さん。数々の人々の人生や価値観に寄り添う番組を、より味わい深いものにしてくださったことに感謝するとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。
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