2026年9月に入り、ドル円相場で急速に円高が進んでいます。
7月下旬には一時1ドル=163円台後半まで円安が進んでいたドル円ですが、9月8日の東京市場では一時152円台後半まで円高が進みました。
わずかな期間で10円以上も円高になったことになります。
私自身、米国株や米国ETFをかなり保有しているため、円高になれば当然、保有資産の円換算額は目減りします。米国株から受け取るドル建ての配当金も、円に換算すれば少なくなります。
そのため、円高が進めば資産が減ったと感じる場面はあります。ただ、私は米国株を売るつもりはありません。
むしろ現在はFIREまでまだ時間があるため、円高は歓迎しています。
なぜなら、これからVYMを買い増していきたいと考えているからです。
そこで今回は、2026年9月8日時点で報じられている円高の要因や、各金融機関・専門家の為替見通しを整理しながら、円高はどこまで進むのかを考えてみたいと思います。

9月に入り、急激に円高が進んでいる
まず、現在の為替相場で何が起きているのかを整理します。
7月下旬、ドル円は一時163円台後半まで上昇し、1986年以来およそ40年ぶりとなる円安水準をつけました。
その後、7月末には日米協調による円買い介入が入り、ドル円は一時157円台まで急落。
8月に入ると160円近辺まで戻す場面もありました。
ところが9月に入ると流れが大きく変わります。
9月3日前後には155円台まで下落し、9月7日には155円を明確に割り込みました。
そして9月8日の東京市場では、一時152円台後半まで円高が進んでいます。
160円近辺から考えると、わずか1週間ほどで7円前後も円高になっていま。

なぜ円高が進んでいるのか
今回の円高について、報道で繰り返し材料として挙げられているのが、主に次のような要因です。
日銀の追加利上げ観測
まず大きいのが、日本銀行による追加利上げ観測です。
9月17~18日に予定されている金融政策決定会合では、0.25%の利上げがすでにかなり織り込まれているとされています。
さらに、高田創審議委員から一定の間隔や幅にとらわれず機動的に対応といった発言が出ているほか、植田総裁も毎回の会合で議論すると発言しています。
こうした発言から、市場では今後の日銀の利上げペースが想定より速くなる可能性も意識されています。
一部では0.50%の利上げ観測まで浮上しましたが、現時点では0.25%にとどまる可能性が高いとの見方もあります。
米国側からの円安是正へのメッセージ
もう一つの材料が、ベッセント米財務長官の発言です。
円安是正に向けた断固とした措置を強く支持するといった発言が報じられ、米国が円高方向への動きを容認しているのではないかとの見方が広がりました。
7月末の日米協調による円買い介入とも合わせて、市場では円安を放置しない姿勢が意識されているようです。
円売りポジションの巻き戻し
今回の急速な円高を考えるうえで、気になるのはポジションの巻き戻しです。
JPモルガンは、円売りポジションがなお16~17兆円程度残っていると推計しています。
円安を見込んで円を売っていた投資家が、155円という節目を割ったことで一斉にポジションを解消すれば、円買いが円買いを呼ぶ展開になる可能性があります。
つまり、ファンダメンタルズだけでなく、為替市場のポジション調整によって円高が加速する可能性があるわけです。
JPモルガンからは、この巻き戻しが進んだ場合、理論上は142~146円程度まで円高が進む余地があるとの見方も出ています。
もっとも、同社の基本レンジは155~165円とされており、必ず140円台まで円高になるという話ではありません。
機関投資家の国内回帰観測
GPIFなどの機関投資家による資産配分見直しや、海外資産から国内への資金回帰も円買い材料として意識されています。
一方で、米国のインフレや金融政策次第では再びドル買いが強まる可能性もあります。
為替は一つの材料だけで決まるものではないため、今後も日米双方の金融政策や経済指標を見ていく必要があります。
円高はどこまで進む?各社の予想を比較
では、実際に金融機関や専門家は、今後のドル円をどの程度と見ているのでしょうか。
2026年9月8日時点で報じられている主な見通しを整理すると、かなりばらつきがあります。
| 機関・専門家 | 年末付近の見通し |
|---|---|
| MUFG | 150円台前半を想定 |
| 市場コンセンサス | 158円前後 |
| 野村證券 | 154円程度 |
| Citi | 153円程度 |
| 日本総研 | 10~12月平均159円、安値154円 |
| SMBC日興 | 155~160円 |
| 三井住友DS | 164円 |
| みずほ銀行 | 158~165円 |
| りそな | 160~165円 |
こうして並べると面白く、150円~165円と幅広いことが分かります。
円高が進むという見方と、まだ円安基調は終わっていないという見方がかなり分かれています。
MUFGは150円台前半を想定
MUFGは9月8日時点のコメントで、ドル円が154円割れまで円高になったことを踏まえ、日銀が9月と2027年1月に利上げすることを前提として、時間をかけて150円台前半へ向かう可能性を示しています。
現在の水準からさらに数円程度の円高を想定しているわけです。
野村證券やCitiも円高方向
野村證券は12月末154円程度、Citiは年末153円程度という見通しが報じられています。
さらに野村證券では、2027年にかけて145円方向へ円高が進むシナリオも示されています。
もちろん、これはあくまで一定の前提に基づく予想です。
一方で円安継続を予想する機関もある
逆に、みずほ銀行は158~165円程度のレンジを意識しており、りそなも160~165円程度を想定しています。
三井住友DSの市川氏も年末164円という見通しを示しています。
つまり、今回の円高で円安トレンドが完全に終了したと考えるのはまだ早そうです。
為替市場では、円高派と円安派の見方がかなり拮抗しています。
私は円高になったらVYMを買い増したい
私は米国株をかなり保有しています。
そのため、円高になると保有している米国株の円換算額は減少します。
例えばドル円が160円から140円になれば、株価がドルベースで全く変わらなかったとしても、円換算の評価額は大きく下がります。
当然、配当金についても同じです。
ドルで受け取る配当金そのものが減ったわけではありませんが、円に換算すれば受取額は少なくなります。
それでも、私は円高を悲観していません。
むしろFIRE前の今なら、円高になってくれたほうがありがたいと考えています。
理由はシンプルで、VYMを買い増したいからです。
現在のVYMは株価そのものもかなり上がったなと感じています。
私がこれまでVYMを購入してきたときには、ドル円が1ドル100~110円程度だった時期もありました。
それを考えると、現在の150円台は、まだまだドルが安くなったとは感じません。
それでも、VYMは数十年単位で保有していくつもりです。
目先の為替や株価だけを見て、買うことをやめるつもりはありません。
140円を下回ったらVYMの買いペースを上げたい
私の場合、為替水準によって買い方は少し変わります。
現在の150円台では、VYMを買いやすくなってきたとは感じていますが、まだ積極的に買い増すというほどではありません。
一方、1ドル140円より下がってきたら、VYMを買うペースを上げたいと考えています。
買う金額をあらかじめ固定するつもりはありません。そのときの余裕資金を使って買っていくつもりです。
さらにそこまで下がるかは分かりませんが130円台に入ってきたら、円をドルに換えてVYMを買い増すことも考えています。
ドルで受け取った配当金は、そのまま米国株へ再投資
もう一つ、私が円高をそれほど気にしていない理由があります。
米国株から受け取ったドル建ての配当金は、基本的にそのまま米国株への再投資に使っているからです。
円に戻して生活費に使うわけではありません。
そのため、円高になって配当金の円換算額が減ったということ自体は、あまり気にしていません。
ドルで受け取った配当金はドルのまま再投資する。
この方針は円高になっても変えるつもりはありません。
むしろ円高になれば、将来的にドル資産を増やしていくうえでは有利な局面になり得ます。
米国株を持っている人にとって、円高は本当に悪いのか
すでに米国株を大量に保有している人にとって、急激な円高が嬉しいとは限りません。
株価が変わらなければ、円換算の資産額は減ります。配当金を円で生活費に使っている人なら、円換算の受取額も減ります。
私自身も米国株をかなり保有しているので、円高になれば資産評価額は目減りしますが「うわっ」と思うことはあっても、ただそれだけです。
売るつもりもなく、長期保有するつもりだからです。
そして、これから米国株を買う立場からすると、円高にはまったく違う側面があります。
円の購買力が上がり、ドルを安く買えるからです。
すでに米国株を持っている人には逆風でも、これから米国株を買う人には追い風。
同じ円高でも、投資家の状況によって意味が変わります。
だからこそ、単純に円高=悪と考える必要はないと思っています。
FIRE前とFIRE後では、円高と円安の意味が変わる
私自身、FIREを目指しています。
そして、FIRE前とFIRE後では、為替に対する考え方も変わってくると思っています。
FIRE前の今は、円高を歓迎しています。まだ働いていて、余裕資金を投資に回せるからです。
円高になれば、その資金でドルを安く買い、VYMを買い増すことができます。
一方、FIREした後は少し話が変わります。
私はFIRE後、基本的に配当金だけで生活することを考えています。
そうなると、米国株から受け取るドル建て配当金を円に換算したとき、円安のほうが生活資金を確保しやすくなります。
つまり、FIRE前は円高歓迎。FIRE後は円安のほうがありがたい。
私にとっては、同じ為替変動でもライフステージによって意味が変わります。
円高はどこまで進むのか。私は140円程度を一つの目安にしたい
2026年9月8日時点では、ドル円はすでに153円前後まで円高が進んでいます。
今後については、150円を割り込んでさらに円高が進む可能性もあれば、米国の金融政策やインフレ次第で155~160円台へ戻る可能性もあります。
各社の予想を見ても、年末に150円台前半を予想するところから160円台を予想するところまで、大きな幅があります。
そのため、年末は必ず○円になると決めつけるのは難しいでしょう。
個人的には、今後のシナリオとして、150円台 → 145円前後 → 140円前後という円高方向への動きは想定だけはしておきたいと思っています。
一方で、そこまで円高にならず、155~160円台へ戻るシナリオも当然考えておきます。
為替を正確に当てることはできません。
だから私は、為替を予想して売買するというより、どちらに動いても自分の投資方針を変えないことを重視します。
円高になればVYMを買う。円安になっても、保有している米国株を売らない。ドル配当金は再投資する。といった方略です。
まとめ
2026年9月に入り、ドル円は急速に円高方向へ動いています。
7月には163円台後半まで円安が進んでいたものが、9月8日には一時152円台後半まで円高になりました。
日銀の利上げ観測、米国側からの円安是正へのメッセージ、円売りポジションの巻き戻しなど、複数の材料が円高を後押ししています。
今後については、150円を割れて145円前後、さらに140円程度まで円高が進む可能性がある一方、155~160円台へ戻る可能性もあります。
まさに今は、為替の方向性が非常に読みにくい局面です。
ただ、私自身は円高になったからといって米国株を売るつもりはありません。
むしろ、FIRE前の今は円高を歓迎しています。
VYMを長期保有するつもりなので、140円より下がれば買うペースを上げます。
もちろん、これは私自身の投資方針であり、為替相場が140円になることを予想しているわけではありません。
為替がどう動くかは誰にも分かりません。
ただ、一つ言えるのは、
円高で資産が減ったと悲観する必要はない。これから米国株を買う人にとっては、むしろチャンスになるということです。
私はこれからも、円高ならVYMを買い、円安になっても米国株を保有し続ける。
そんな長期投資を続けていきたいと思っています。


