日本の高配当ETFにはさまざまな商品があります。
私自身、FIREを目指して高配当ETFを中心に資産形成を続けており、日本株では1489なども保有しています。
今回チェックするのは、NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信(1577)です。
1577は、日本の高配当株70銘柄に分散投資できるETF。
しかも単純に高配当株を集めているだけではなく、70銘柄を基本的に等金額で組み入れるという特徴があります。
さらに調べてみると、近年の分配金の伸びもかなり素晴らしいです。
そこで今回は、いつもの10項目評価を使って、1577は長期保有する価値のあるETFなのか?考えてみます。
結論から言えば、評価は、34点/50点で「B」となりました。
個人的な評価もBです。かなり優秀な高配当ETFだと思います。
ただし、現時点で私は1577を買う予定はありません。その理由についても最後に書いていきます。

1577とは?
1577の正式名称は、NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信です。
野村アセットマネジメントが運用しており、2013年3月に設定されました。
連動対象は野村日本株高配当70。
国内の上場普通株式から、予想配当利回りの高い70銘柄を選んで投資します。
特徴的なのが、等金額型(Equal-weighted)で構成されていることです。
単純計算なら、100%÷70銘柄=約1.43%が1銘柄あたりの目標ウェイトになります。
株価変動などによって実際の構成比率には差が生まれますが、特定の大型株に大きく偏りにくい仕組みです。
また、高配当なら何でも採用するわけではありません。
過去3年間に経常赤字となった企業を原則除外したり、流動性の低い銘柄を除外したりするなど、配当の継続性や投資可能性にも配慮されています。
1577の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 証券コード | 1577 |
| 運用会社 | 野村アセットマネジメント |
| 設定日 | 2013年3月5日 |
| 対象指数 | 野村日本株高配当70 |
| 構成銘柄数 | 70銘柄 |
| 信託報酬 | 年0.352%(税込) |
| 純資産総額 | 約2,246億円 |
| 分配回数 | 年4回 |
| 直近12カ月分配金 | 1,529円 |
| 分配金利回り | 約2.6% |
| NISA | 成長投資枠対象 |
純資産総額は2,000億円を大きく超えています。日本の高配当ETFとして十分な規模があります。
1577を10項目で評価
今回もS~Dの5段階で評価します。
S=5点、A=4点、B=3点、C=2点、D=1点です。
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| ①コスト | B | 3 |
| ②純資産総額 | S | 5 |
| ③流動性 | C | 2 |
| ④分散性 | C | 2 |
| ⑤分配金・配当 | B | 3 |
| ⑥増配力 | S | 5 |
| ⑦成長性 | C | 2 |
| ⑧長期リターン | S | 5 |
| ⑨NISA適性 | A | 4 |
| ⑩FIRE適性 | B | 3 |
| 合計 | B | 34/50 |
それぞれ詳しく見ていきます。
① コスト:B(3点)
信託報酬は、年0.352%(税込)です。総経費率も0.38%前後。
私の評価基準では0.20%以上~0.40%未満なので、B評価となります。
ここは個人的にも少し気になります。0.352%がものすごく高いわけではありませんが、最近は低コストなETFがかなり増えています。
長期間保有することを考えると、もう少し低ければさらに魅力的でした。
② 純資産総額:S(5点)
純資産総額は約2,200~2,250億円。
私の基準では1,000億円以上なので、文句なしのS評価です。
ETFを長期保有する場合、純資産総額は個人的にかなり重視しています。
規模が大きく、2013年から運用されている実績もあるため、長期保有するうえでの安心材料になります。
③ 流動性:C(2点)
直近90日の平均売買代金は約2,100~2,200万円。
私の評価基準では、1,000万円以上~1億円未満となるためC評価です。
日によっては数千万円~1億円を超えることもあり、マーケットメイク対象でもあるため、通常の個人投資家が売買するうえで大きな問題になる水準ではないでしょう。
ただし、採点基準上はCとしました。
④ 分散性:C(2点)
構成銘柄数は70銘柄です。30~99銘柄ということでC評価。
ただ、1577については単純な70銘柄という数字以上に評価したい部分があります。
それが、等金額型です。1577では基本的に各銘柄を均等に近い割合で保有するので、上位10銘柄を合計しても約18%程度。特定の銘柄がETF全体を大きく左右しにくくなっています。
これは特にFIRE後の資産として考えた場合、個人的にはメリットを感じます。
FIRE後は大きく勝つこと以上に、特定企業の問題によって資産や配当収入が大きく減るリスクを抑えることも重要だからです。
⑤ 分配金・配当:B(3点)
直近12カ月の分配金は、1,529円です。
株価を約59,000円とすると、分配金利回りは約2.6%。評価はBとなりました。
超高配当ETFというほどではありません。
ただし、1577で注目したいのは現在の利回り以上に、分配金がどのように成長してきたかです。
⑥ 増配力:S(5点)
ここは1577の大きな魅力です。年間分配金を見ると、
| 年 | 年間分配金 |
|---|---|
| 2021年 | 764円 |
| 2022年 | 972円 |
| 2023年 | 1,081円 |
| 2024年 | 1,229円 |
| 2025年 | 1,479円 |
となっています。
2021年764円 → 2025年1,479円。
わずか4年間でほぼ2倍です。かなり優秀です。
年平均の増配率も約15%と非常に高く、私の評価基準では文句なしのS評価となりました。
⑦ 成長性:C(2点)
高配当・バリュー株中心という商品特性から、成長性はC評価としました。
金融、商社、機械、自動車などが中心で、グロース株ETFのような高い利益成長を狙う商品ではありません。
ただし、そもそも1577を購入する人が求めるのは、急激な成長よりも配当や安定性でしょう。
この項目がCだからといって、1577自体が悪いETFというわけではありません。
⑧ 長期リターン:S(5点)
分配金再投資込みの過去10年間の年率リターンは約15.8%。
5年間では年率25%を超える非常に好調な期間もありました。
評価基準では10%以上なのでS評価です。
2013年から運用されているETFで長期実績を確認できる点も評価できます。
⑨ NISA適性:A(4点)
NISA適性は4項目中3項目に該当しました。
- 成長投資枠対象:○
- 信託報酬0.30%未満:×
- 長期保有向けの商品設計:○
- 分配金を過度に払い出さない:○
3点なのでA評価です。やや惜しいのはやはりコスト。信託報酬が0.30%を下回っていれば、さらに評価しやすいETFでした。
⑩ FIRE適性:B(3点)
FIRE適性については、
- 分配利回り2.5%以上:○
- 過去5年間に大幅減配なし:○
- 100銘柄以上に分散:×
- 信託報酬0.30%未満:×
- 長期トータルリターンがプラス:○
5項目中3項目に該当し、B評価です。
ただし、個人的には数値以上にFIREとの相性を感じる部分があります。
それが先ほど紹介した70銘柄への等金額投資です。
特定の企業への依存度を抑えながら配当を受け取れるのは、FIRE後のインカム資産として魅力があります。
金融株が多いのはデメリットなのか?
1577を見ると気になるのが金融株の多さです。
2026年7月末頃では銀行だけで約16%。保険などを加えると金融関連の比率はさらに高くなります。
一見するとセクター偏重にも見えます。
ただ、現在の日本は長く続いた金利のない世界から変化しています。
個人的には、金利のある世界では銀行や保険などの金融株に追い風となる可能性があると考えているのでむしろメリットに映ります。
それでも私は1577を買う予定はない
ここまで見てきた通り、1577はかなり優秀です。特に、
純資産総額:S
増配力:S
長期リターン:S
という結果は魅力的です。70銘柄を等金額で保有する仕組みも好みです。
それでも、現時点で私は1577を買う予定はありません。
日本の高配当ETFをさらに買い増すなら、1489(NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信)を優先したいと考えているからです。
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1577の総合評価は「B」
最終結果は、34点/50点=B評価となりました。
コストや流動性、銘柄数など弱点はあります。
一方で、2,000億円を超える純資産総額、70銘柄への等金額分散、長期的な分配金の増加、そして優秀なトータルリターン。
日本の高配当ETFとしてかなり完成度の高い商品だと思います。
特に2021年から2025年にかけて年間分配金が764円から1,479円まで増えている点は圧巻です。
FIRE後に安定したインカムを得るという視点でも、等金額型という仕組みには魅力を感じます。
ただし、私自身がこれから買い増すなら1577ではなく1489、米国株ならVYM。
優秀だから全部買うのではなく、自分のポートフォリオの中で何を優先するか。ETFが増えてきた今だからこそ、そこまで考えて商品を選んでいきたいと思います。


