高配当株への投資は、FIRE(早期リタイア)や長期の資産形成を目指す人にとって、安定したキャッシュフローを生む重要な戦略です。
なかでも iF日本配当ローテーション戦略(435A) は、配当利回りの高い銘柄を回転させて保有するという、従来の高配当ETFとは一線を画した設計を持つETFです。
本記事では、2026年時点の最新情報をもとに、構成銘柄・運用方針・コスト・特徴を整理しながら、このETFの本質的な魅力を掘り下げていきます。

iF日本配当ローテーション戦略(435A)の基本情報
運用方針と指数の特徴
435Aは、大和アセットマネジメントが運用するアクティブ型ETFで、日本株配当ローテーション戦略に基づいた運用が行われています。
日本株配当ローテーション戦略とは
日本株配当ローテーション戦略とは、権利確定日が3か月以内に到来する銘柄を中心に投資対象を絞り込むというものです。
具体的には、3か月以内に配当の権利確定日を迎える銘柄の中から、大型株で次回予想配当利回りの高い銘柄を中心に選定し、集中的に投資することで、高い配当収益の確保を目指します。
そして、配当の権利確定日を通過した後には、当該銘柄を売却し、再び同じ条件(権利確定日が近く、配当利回りが高い)を満たす別の銘柄へと入れ替えます。
この配当を受け取る → 売却 → 次の高配当銘柄へ乗り換えるというプロセスを、原則として毎月継続的に繰り返す点が、このETF最大の特徴です。
以下にまとめます。
・3か月以内に配当権利確定日を迎える銘柄から選定
・次回予想配当利回りが高い銘柄を優先
・大型株10銘柄+中型株40銘柄で構成
・大型株:中型株=7:3
・原則として毎月リバランス
毎月という頻度そして利回りを優先し、配当の取りやすいタイミングに合わせて銘柄を入れ替える点が、このETF最大の特徴です。
ETFの基本スペック(2026年2月時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運用会社 | 大和アセットマネジメント |
| 上場日 | 2025年10月7日 |
| 信託報酬 | 年0.4125%(税込) |
| 分配金 | 年4回(1・4・7・10月) |
| 投資対象 | 日本株(配当ローテーション戦略) |
| 純資産総額 | 約240億円 |
| NISA | 成長投資枠対応 |
年4回分配のため、定期的なインカム収入を意識しやすい設計です。NISA成長投資枠にも対応しており、配当を非課税で受け取れる点も実用的です。
近々12ヶ月配当利回り推移

設定は2025年ですが、過去検証では2017年から常に6%を超える配当利回りを維持しているのは驚異的と言えます。
同じく過去検証ですが、TOPIXや高配当合成指数よりドローダウン率が低く、リターン/リスクが高かったとうい結果もあります。
株価チャート

まだ歴史の浅いETFですが、人気の高さが伺えますね。
最新構成銘柄(2026年1月13日時点)
このETFは等ウェイト型に近い設計で、特定銘柄への過度な集中を避けています。上位銘柄でも6%台にとどまっている点が特徴です。
構成銘柄一覧(上位50銘柄)
| No | 銘柄名 | 組入比率 |
|---|---|---|
| 1 | 積水ハウス | 6.8601% |
| 2 | ゆうちょ銀行 | 3.7394% |
| 3 | 商船三井 | 3.7192% |
| 4 | MS&AD | 3.7085% |
| 5 | 日本郵船 | 3.6887% |
| 6 | ソーティングループ | 3.6859% |
| 7 | 第一生命HD | 3.6712% |
| 8 | 本田技研 | 3.6399% |
| 9 | ANAホールディングス | 3.6348% |
| 10 | 武田薬品 | 3.6259% |
| 11 | 山武 | 3.5983% |
| 12 | セブン&アイHD | 3.2349% |
| 13 | キヤノン | 3.1063% |
| 14 | 小松製作所 | 3.0692% |
| 15 | 花王 | 3.0405% |
| 16 | 中外製薬 | 3.0073% |
| 17 | フリオトレン | 2.9657% |
| 18 | 日本たばこ産業 | 2.9493% |
| 19 | キリンHD | 2.9448% |
| 20 | TOPIX先物0803月 | 2.2139% |
| 21 | TOPIX先物0803月(別) | 0.6365% |
| 22 | イオンフィナンシャルサービス | 0.5655% |
| 23 | JFEホールディングス | 0.3984% |
| 24 | 日本製鉄 | 0.3967% |
| 25 | NOK | 0.3961% |
| 26 | 川崎汽船 | 0.3961% |
| 27 | マツダ | 0.3943% |
| 28 | 日立建機 | 0.3941% |
| 29 | UBE | 0.3939% |
| 30 | 西日本旅客鉄道 | 0.3939% |
| 31 | 日本ハム | 0.3934% |
| 32 | ヤマダホールディングス | 0.3934% |
| 33 | 名古屋鉄道 | 0.3927% |
| 34 | ジャフコグループ | 0.3927% |
| 35 | コスモエネルギーHD | 0.3926% |
| 36 | ディー・エス・テック | 0.3925% |
| 37 | イオンモール | 0.3917% |
| 38 | DOWAホールディングス | 0.3916% |
| 39 | セイノーホールディングス | 0.3916% |
| 40 | ダイセル | 0.3913% |
| 41 | 関電工 | 0.3913% |
| 42 | アコム | 0.3912% |
| 43 | 東レ | 0.3909% |
| 44 | ユー・エス・エス | 0.3908% |
| 45 | 王子ホールディングス | 0.3905% |
| 46 | NSD | 0.3904% |
| 47 | LIXIL | 0.3901% |
| 48 | 大東建託 | 0.3898% |
| 49 | 全国保証 | 0.3897% |
| 50 | シップヘルスケアHD | 0.3894% |
輸送、金融、製薬、消費財、資本財など、日本の高配当株を象徴する業種が幅広く含まれています。
セクター構成から見える投資の本質
輸送・金融・製薬の比率が高い理由
構成を見ると、海運、銀行・保険、医薬品、自動車といった配当水準が高くなりやすい業種が中心です。
これは、日本株市場において高配当=景気循環株+金融株+ディフェンシブ株という構造があるためです。
特に2026年現在は、金利環境の変化により銀行・保険株の収益改善が意識されており、その流れを間接的に取り込む構成になっています。
従来型高配当ETFとの違い
一般的な高配当ETFは、配当利回り上位銘柄を固定的に保有し、年1回または2回のリバランスという運用が中心です。
一方、435Aは、
・配当権利確定日を意識
・毎月銘柄を入れ替え
・配当の取りやすさを重視
という動的な高配当戦略です。
高配当=守り、ではなく、配当を能動的に取りにいく設計である点が最大の差別化ポイントといえます。
手数料と長期投資への影響
信託報酬は年0.4125%です。インデックス型高配当ETFよりはやや高めですが、アクティブ運用型ETFとしては標準的な水準です。
短期では大きな差になりませんが、10年、20年と保有すれば確実に効いてくるコスト要因になります。
高配当ETFの本質は、配当を受け取りながら長く持つことです。
その意味で、高配当を取りに行く戦略とコストのバランスが、このETFの評価ポイントになります。
なぜ今、435Aが注目されるのか
高配当ETFが持つ現実的な魅力
435Aの魅力は、次のように整理できます。
・年4回分配で収入の見通しが立てやすい
・配当利回りを重視した銘柄選定
・自動で銘柄を入れ替える仕組み
・日本株中心で為替リスクが小さい
FIREやセミリタイアを考える人にとっては、毎年いくら入ってくるかは重要な視点です。その点、435Aは実務的なETFと言えます。
注意点と賢い使い方
高配当株には、成長株より値上がり益は出にくく、相場急落時には普通に下がり、分配金は保証されないという弱点があります。
そのため、ポートフォリオのすべてを高配当ETFにするのは得策ではありません。
成長株ETFや全世界株式と組み合わせ、全体の20~40%程度を高配当枠とすることで、安定性と成長性のバランスが取りやすくなります。
まとめ:435Aは「動く高配当ETF」
iF日本配当ローテーション戦略(435A)は、日本の高配当株投資を回転型に進化させたETFです。
・配当のタイミングを意識した運用
・幅広い業種への分散
・年4回の分配
・NISA対応
これらはすべて、配当で生活を支えるという現実的な目標に向けた設計といえます。
資産形成のステージが増やすから使いながら守るへ移行しつつある人にとって、435Aはポートフォリオの中核候補になり得るETFです。
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