このブログでは、これまでも高配当ETFや毎月分配型ETF、テーマ型ETFなど、さまざまなETFを取り上げてきました。
そして今後は、さらに多くのETFを一つずつ掘り下げて紹介していきたいと思っています。
ETFは1本で複数の銘柄に投資できるため、個別株と比べて分散しやすく、私自身も好きな投資商品の一つです。
一方で、ETFなら何でもいいわけではありません。信託報酬が安いETFもあれば高いETFもありますし、数百銘柄に分散されているものもあれば、特定の業種や数銘柄に集中しているものもあります。
高配当、増配、成長株、テーマ型、カバードコールなど、ETFによって目的も大きく違います。
そこで今後ETFの記事を書いていくにあたり、自分自身もETFについてさらに勉強しながら、読んでくださる方にも「このETFはどこが優れていて、どこに注意が必要なのか」が分かるシリーズにしたいと考えました。
そのために作ったのが、今回のETF共通評価基準です。
今後取り上げるETFについて、
という10項目を、原則として同じ基準で評価していきます。
評価はS・A・B・C・Dの5段階。
さらに10項目を点数化して、50点満点で総合評価も出します。
ETFによって評価基準を変えてしまうと、このETFではAなのに、別のETFでは同じ数字でBということが起きてしまいます。
それでは比較する意味がありません。
そこで最初に評価基準を決めておき、今後はできる限り同じ物差しでETFを見ていくことにしました。
また、総合評価とは別に、最後には私なら実際に買うのかという個人的な投資判断も書いていきます。
数字上は優秀でも、自分のポートフォリオには必要ないETFもあるでしょう。
逆に、総合点では突出していなくても、自分の投資目的にはピッタリというETFもあるかもしれません。
ETFを調べながら私自身も勉強し、その過程や結果を読者の皆さんとも共有していきたいと思います。
この記事は、そのための基準となるページです。
それでは、当ブログで今後使用するETFの評価基準を一つずつ紹介していきます。

ETF評価10項目
- コスト
- 純資産総額
- 流動性
- 分散性
- 分配金・配当
- 増配力
- 成長性
- 長期リターン
- NISA適性
- FIRE適性
① コスト
国内ETFは信託報酬、海外ETFは経費率を基準に評価します。
| 評価 | 年間コスト |
|---|---|
| S | 0.10%未満 |
| A | 0.10%以上~0.20%未満 |
| B | 0.20%以上~0.40%未満 |
| C | 0.40%以上~0.70%未満 |
| D | 0.70%以上 |
※原則として税込ベースで比較します。
② 純資産総額
ETFの規模、安定性、繰上償還リスクなどを見る項目です。
| 評価 | 純資産総額 |
|---|---|
| S | 1,000億円以上 |
| A | 300億円以上~1,000億円未満 |
| B | 100億円以上~300億円未満 |
| C | 30億円以上~100億円未満 |
| D | 30億円未満 |
海外ETFについても原則として円換算して判定します。
③ 流動性
必要なときに売買しやすいかを評価します。
国内ETFでは原則として直近20営業日の1日平均売買代金を使用します。
| 評価 | 1日平均売買代金 |
|---|---|
| S | 10億円以上 |
| A | 3億円以上~10億円未満 |
| B | 1億円以上~3億円未満 |
| C | 1,000万円以上~1億円未満 |
| D | 1,000万円未満 |
※マーケットメイクの状況や売買スプレッドに大きな問題がある場合は、1段階引き下げることがあります。
④ 分散性
単純な構成銘柄数だけではなく、上位銘柄への集中度とセクター集中も含めて評価します。
基本評価
| 評価 | 構成銘柄数 |
|---|---|
| S | 500銘柄以上 |
| A | 200~499銘柄 |
| B | 100~199銘柄 |
| C | 30~99銘柄 |
| D | 29銘柄以下 |
ただし、以下の集中度補正を行います。
集中度補正
上位10銘柄で50%以上
→ 基本評価から1段階引き下げ
上位10銘柄で70%以上
→ 基本評価から2段階引き下げ
単一業種・単一テーマにほぼ100%投資
→ 基本評価から1段階引き下げ
最終評価の下限はDとします。
例えば540Aは10銘柄しかなく、さらに3メガバンクへの集中度も非常に高いため、分散性は低評価になります。
⑤ 分配金・配当
原則として直近12カ月の実績分配金利回りで評価します。
| 評価 | 分配利回り |
|---|---|
| S | 5%以上 |
| A | 3.5%以上~5%未満 |
| B | 2.5%以上~3.5%未満 |
| C | 1%以上~2.5%未満 |
| D | 1%未満 |
ただし、元本払戻し的な分配やオプションプレミアムなどを多く利用する商品については、単純な利回りだけで高評価にしません。
カバードコールETFなどについては、分配原資を確認したうえで注記します。
⑥ 増配力
原則として過去5年間の1口当たり年間分配金の増減を使用します。
| 評価 | 5年間の年平均増配率 |
|---|---|
| S | +8%以上 |
| A | +5%以上~+8%未満 |
| B | 0%超~+5%未満 |
| C | ほぼ横ばい、または小幅減配 |
| D | 明確な減配傾向 |
設定5年未満のETFは、ETF自体の増配実績が十分ではないため、評価保留を基本とします。
ただし、連動指数について十分な配当実績が確認できる場合は参考評価として掲載します。
⑦ 成長性
成長性は、ETFが保有する企業の利益成長力を評価します。
原則として連動指数または構成銘柄全体の予想EPS成長率を使用します。
| 評価 | 予想EPS成長率 |
|---|---|
| S | 15%以上 |
| A | 10%以上~15%未満 |
| B | 5%以上~10%未満 |
| C | 0%以上~5%未満 |
| D | マイナス |
予想EPS成長率が取得できない場合は、
- 売上高成長
- 利益成長
- 対象市場の成長性
などを補助的に使用し、その場合は参考評価と明記します。
⑧ 長期リターン
原則として分配金再投資込みの10年間年率リターンで評価します。
| 評価 | 年率リターン |
|---|---|
| S | 10%以上 |
| A | 7%以上~10%未満 |
| B | 4%以上~7%未満 |
| C | 0%以上~4%未満 |
| D | 0%未満 |
10年の実績がない場合は5年、5年もない場合は3年を使用します。
3年未満の場合は原則として、評価保留とします。
指数のバックテストを利用する場合は、ETFの実際の運用成績と混同しないよう、指数バックテストによる参考評価と明記します。
⑨ NISA適性
NISA適性は以下の4条件を採点します。
4つのチェック項目
- NISA成長投資枠の対象:1点
- 信託報酬・経費率0.30%未満:1点
- 長期保有を前提とした商品設計:1点
- 分配金を過度に払い出さない:1点
| 評価 | 得点 |
|---|---|
| S | 4点 |
| A | 3点 |
| B | 2点 |
| C | 1点 |
| D | 0点 |
※海外ETFについては外国税額などNISA特有の税制面も注記します。
⑩ FIRE適性
FIRE後の生活費を生み出す資産としての使いやすさを評価します。
以下の5項目を各1点で採点します。
- 分配利回り2.5%以上
- 過去5年間で大幅な減配傾向がない
- 100銘柄以上へ分散
- 信託報酬・経費率0.30%未満
- 長期トータルリターンがプラス
| 評価 | 得点 |
|---|---|
| S | 5点 |
| A | 4点 |
| B | 3点 |
| C | 2点 |
| D | 0~1点 |
設定から5年未満の商品については、確認できない項目を未判定とし、FIRE適性は参考評価とします。
総合評価
10項目を点数化します。
| 評価 | 点数 |
|---|---|
| S | 5点 |
| A | 4点 |
| B | 3点 |
| C | 2点 |
| D | 1点 |
10項目・50点満点で評価します。
| 総合評価 | 合計点 |
|---|---|
| S | 45~50点 |
| A | 38~44点 |
| B | 30~37点 |
| C | 20~29点 |
| D | 10~19点 |
評価保留の項目がある場合は、判定済み項目の平均点を50点満点に換算して暫定総合評価を出します。
毎回の記事に掲載する評価表
○○ETFを10項目で評価
| 評価項目 | 評価 | データ・理由 |
|---|---|---|
| コスト | ||
| 純資産総額 | ||
| 流動性 | ||
| 分散性 | ||
| 分配金・配当 | ||
| 増配力 | ||
| 成長性 | ||
| 長期リターン | ||
| NISA適性 | ||
| FIRE適性 | ||
| 総合評価 | - | -点/50点 |
私の投資判断
◎ 積極的に買いたい
○ 買いたい
△ 条件次第・様子見
× 今は買わない
※総合評価と私の投資判断は別物とします。総合評価は共通基準による客観的な採点、投資判断は現在の保有資産・投資目的・価格水準などを含めた筆者個人の判断です。
評価表を使う際のルール
・評価基準は記事によって変更しません。
・ETFに都合のいい期間だけを切り取って評価しません。
・設定期間が短くデータが不足している場合は、無理にS~Dを付けず評価保留とします。
・指数のバックテストとETFの実績は必ず区別します。
・分配利回りだけでETFの優劣を判断せず、トータルリターンも確認します。
・総合評価が高くても「今買うべき」とは限りません。
当ブログでは、同じ物差しでETFを比較することを最も重視します。
※本評価は当ブログ独自の基準によるものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
