株価が大きく下がるニュースを見るたびに不安になることはないでしょうか。
戦争や紛争、関税強化といった地政学リスクは、企業の努力とは無関係に、相場を一気に冷やします。
どれだけ分析していても、個人投資家には防ぎようがない出来事です。
それでも、投資をやめずにいられる人と、怖くなって市場から離れてしまう人がいます。
その違いは、銘柄選びの上手さよりも、不安なときに支えになる仕組みを持っているかどうかにあるのかもしれません。
本記事では、地政学リスクや関税リスクで相場が荒れた局面でも、比較的持ち続けやすい日本の高配当株を3銘柄紹介します。
短期の値上がりを狙う話ではなく、不安な相場でも投資を続けるための考え方を整理していきます。株式投資において避けて通れないのが、地政学リスクと関税リスクです。
戦争・紛争、米中対立、保護主義の強まりなどは、企業努力とは無関係に市場全体を揺さぶります。
こうした不確実性の高い局面で重要なのは、値上がり益を狙うよりもどんな環境でも資金を生み出す仕組みを持つことです。
その役割を担うのが、高配当株によるインカム戦略です。
本記事では、暴落時に比較的強く、地政学リスクや関税リスクをヘッジしやすい日本株の高配当銘柄を3つ厳選して紹介します。

暴落時に強い銘柄の条件
需要が国家・生活レベルで支えられている
暴落に強い企業は、次の特徴を持ちます。
- エネルギー
- 通信インフラ
- 生活必需品
といった分野は、景気が悪化しても需要が消えません。
企業向けサービスよりも、国や生活に近い事業ほど、収益は安定しやすくなります。
関税の影響を受けにくいビジネスモデル
関税は、輸出企業海外部品に依存する製造業ほど影響を受けやすい政策です。
一方で、
- 国内需要中心
- 原材料価格が販売価格に転嫁しやすい
- 長期契約型
といった企業は、関税リスクの影響を相対的に受けにくい構造を持ちます。
地政学・関税リスクをヘッジする日本株3選
今回はエネルギー、通信インフラ、生活必需品の3分野から選びました。
| 銘柄 | セクター | 特徴 | リスク耐性の理由 |
|---|---|---|---|
| INPEX(1605) | エネルギー | 日本最大の資源開発会社 | 紛争=資源高の恩恵 |
| NTT(9432) | 通信 | 国内通信インフラの中核 | 内需型・安定収益 |
| 日本たばこ産業(2914) | 生活必需品 | 世界展開のたばこ事業 | 不況耐性+価格転嫁力 |
それぞれ詳しく見ていきます。
INPEX(1605)|資源価格上昇のヘッジ役
INPEXは、日本最大の石油・天然ガス開発会社です。
中東やオーストラリアなどで権益を持ち、原油・LNG価格と業績が強く連動します。
地政学リスクが高まると、供給不安・輸送リスク・制裁措置などにより、エネルギー価格は上昇しやすくなります。
これは多くの企業にとってコスト増ですが、産出側であるINPEXにとっては利益拡大要因になります。
また、株主還元方針も明確で、高水準の配当と自社株買いを組み合わせた姿勢を示しています。
戦争=悪材料という単純な見方ではなく、資源企業はリスク局面で収益が伸びる可能性があるという点が、ヘッジとしての価値です。
NTT(9432)|有事でも止まらない通信インフラ
NTTは、日本の通信インフラを担う中核企業です。
地政学リスクが高まると、サイバー攻撃・情報インフラの安定性・国内通信網の重要性が再認識されます。
通信は、水道や電気と同様に、止められない社会インフラです。
また、NTTの収益は月額課金型のストック収入が中心です。
- 景気後退でも解約されにくい
- 国内売上比率が高い
- 関税の影響をほとんど受けない
という構造を持ちます。
高配当と安定収益を両立する、典型的なディフェンシブ高配当株といえます。
日本たばこ産業(2914)|不況でも消えにくい消費
日本たばこ産業(JT)は、たばこ事業を中核とする生活必需品企業です。
たばこは嗜好品でありながら、
- 習慣性が高い
- 値上げしても需要が急減しにくい
- 世界中で消費されている
という特性があります。
景気後退や株価暴落が起きても、消費が一気に止まることはありません。
また、価格転嫁が比較的しやすいため、インフレ局面でも収益を維持しやすい点が特徴です。
地政学リスクとは直接関係しないように見えますが、不安定な時代ほど安定消費に支えられる企業の価値が高まるという意味で、ポートフォリオの安定装置になります。
高配当株は利益より継続を重視する戦略
これら3銘柄に共通するのは、短期的な株価上昇を狙う銘柄ではない、という点です。
暴落局面では、
- 含み損が出る
- 悪材料ばかり目に入る
- 投資をやめたくなる
という心理状態に陥りがちです。
その中で、それでも配当は入ってくるという事実は、想像以上に投資行動を安定させます。
高配当株は、利益を最大化するための武器というより、相場に居続けるための保険と考える方が現実的です。
まとめ|予測できないリスクには、構造で備える
地政学リスクや関税リスクは、正確に予測することはできません。
しかし、備えることはできます。
- エネルギー(INPEX)
- 通信インフラ(NTT)
- 生活必需品(JT)
という組み合わせは、紛争や関税、不況という異なるリスクに対応する構造を持っています。
暴落に強いポートフォリオとは、未来を当てることではなく、どんな未来でも耐えられる仕組みを作ることです。
高配当株は、そのための有効な選択肢の一つです。
不透明な時代だからこそ、守りの資産形成という視点が、長期投資では大きな差になります。
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過去の有事からある程度市場の反応は予測することができます。冷静に押し目を拾いたいところです。

