日本株ETFは、1本で分散投資ができ、比較的低コストで購入できるのが大きな魅力です。
私自身も、日本株投資の中心にETFを活用しています。
そんな日本株ETFの中でも、設計思想がまったく異なる次の3本を比較してみます。
- 1577:NF・日本株高配当70 ETF
- 435A:iFreeETF日本配当ローテーション戦略
- 2080:PBR1倍割れ解消推進ETF
いずれも日本株を対象としていますが、何を狙うETFなのかは違います。まずは全体像から整理します。

3ETFの基本的な考え方の違い
| 観点 | 1577 | 435A | 2080 |
|---|---|---|---|
| 投資テーマ | 高配当株を集める | 配当を取りに行く | 企業改革に賭ける |
| 運用方法 | 固定保有型 | 毎月入れ替え | アクティブ介入型 |
| 主な狙い | 安定した配当 | 高い配当利回り | 株価上昇+将来の増配 |
| 性格 | 守り | 攻め寄り | 成長寄り |
1577は王道の高配当ETF、435Aは動く高配当ETF、2080は改革テーマETFです。同じ日本株ETFでも、リターンの源泉が違います。
ETFごとの特徴
① 1577:高配当株をそのまま持つETF
1577は、日本の高配当株70銘柄を分散保有するETFです。
等金額型のため、特定銘柄への偏りが小さく、銀行・商社・製造業といった、日本の高配当株を象徴する業種が中心になります。
特徴は以下の通りです。
年4回分配
分散性が高い
構成銘柄の入れ替えが少ない
高配当戦略の教科書的存在
配当生活やFIREを意識する人にとっての土台ETFといえます。
② 435A:配当を回転させて取るETF
435Aは、日本株配当ローテーション戦略を採用したETFです。
権利確定日が近い銘柄を選定
配当利回りを重視
原則毎月リバランス
という特徴があります。配当をもらったら売って、次の高配当株へという仕組みを自動で行います。
一般的な高配当ETFが高配当株をずっと持つのに対し、435Aは高配当株を入れ替えながら持つETFです。
利回り重視で、やや攻めた高配当戦略といえます。
③ 2080:企業が変わることに賭けるETF
2080は、PBR1倍割れ企業を中心に投資するETFです。
狙いは配当そのものではなく、自社株買い・増配・資本効率改善といった企業改革による評価改善です。
今の配当を取るETFが1577・435Aだとしたら、2080は将来の株価上昇と増配を狙うETFという立ち位置になります。
2080は、日本企業が変わること自体に投資するETFといえます。
信託報酬(コスト)の違いも比較
ETFは長期で持つほど、信託報酬の差=リターンの差になります。
| ETF | 銘柄コード | 運用タイプ | 信託報酬(税込) |
|---|---|---|---|
| NF・日本株高配当70 ETF | 1577 | パッシブ | 年0.352% |
| iFreeETF日本配当ローテーション戦略 | 435A | アクティブ | 年0.4125% |
| PBR1倍割れ解消推進ETF | 2080 | アクティブ | 年0.99% |
コスト面から見た性格の違い
1577(年0.352%)
インデックス型の高配当ETFとしては標準〜やや低めの水準です。
銘柄の入れ替えが少なく、運用はシンプルで長期保有向きです。
配当を積み上げる土台として使いやすいコスト感です。
435A(年0.4125%)
1577よりやや高いですが、毎月銘柄を入れ替える戦略型ETFとしては妥当な水準です。
手動でやると大変な作業を(権利確定日を狙った高利回り戦略の売買)をETF化と考えると、戦略料込みのコストと捉えられます。
2080(年0.99%)
3本の中で最も高コストですが、企業への働きかけ(議決権行使)、改革余地のある企業の選別、そして、テーマ型アクティブ運用という点を考えると、高い配当を集めるETFというよりも、日本企業の変化そのものに投資するテーマ型アクティブETFといえるでしょう。
■ 上位5銘柄 比較表(1577・435A・2080)
| 順位 | 1577(高配当株50) | 435A(高配当ローテーション) | 2080(PBR1倍割れ解消) |
|---|---|---|---|
| 1 | ゆうちょ銀行 | 積水ハウス | 三菱UFJフィナンシャルG |
| 2 | みずほフィナンシャルグループ | ゆうちょ銀行 | 三井住友フィナンシャルグループ |
| 3 | 双日 | 商船三井 | みずほフィナンシャルグループ |
| 4 | 住友商事 | MS&ADインシュアランスグループ | 本田技研工業 |
| 5 | 三井住友フィナンシャルグループ | 日本郵船 | 豊田自動織機 |
上位銘柄を並べてみると、3本のETFの性格の違いがよりはっきりします。
1577は銀行株や商社株など、典型的な高配当銘柄が中心です。435Aは海運・保険・不動産といった高配当になりやすい業種への比重が高く、利回り重視の構成となっています。一方2080は、メガバンクや自動車関連など、PBR1倍割れの大型株を中心に構成されており、株価是正を狙うポートフォリオになっています。
利回りと成長性の違い
| 観点 | 1577 | 435A | 2080 |
|---|---|---|---|
| 現在の配当利回り | 2.74% | 高 | 2.33% |
| 分配回数 | 年4回 | 年4回 | 年1回程度 |
| 株価成長期待 | 中 | 低〜中 | 高 |
| 価格変動 | 小さめ | やや大きい | 大きめ |
どんな人に向いているか
1577が向く人
1577は、安定した配当収入を重視したい人に向いています。
銀行株や商社株など、比較的配当の安定した大型株が中心のため、値動きも高配当ETFの中では比較的おだやかです。
高配当ETFをポートフォリオの軸として据え、毎年のインカム収入を安定させたい人にとって、いわば守りの高配当ETFといえる存在です。
435Aが向く人
435Aは、とにかく利回りを重視したい人に向いています。
配当権利確定日が近い銘柄へと毎月入れ替える仕組みのため、銘柄の入れ替えや値動きの変化を許容できることが前提になります。
一般的な高配当ETFよりも戦略性が高く、ただ保有するのではなく、配当を取りにいく設計である点が特徴です。
高配当投資に、もう一段踏み込んだ運用をしたい人向けのETFといえるでしょう。
2080が向く人
2080は、配当収入よりも、日本企業の変化そのものに期待したい人に向いています。
PBR1倍割れ企業の改善をテーマとしており、将来の株価上昇や増配余地に投資する性格のETFです。
単体で高配当ETFの代わりに持つというよりも、1577や435Aのような高配当ETFと組み合わせて使うことで、今の配当と将来の成長を両立させる役割を担います。
高配当ETFを土台にしつつ、日本株の構造変化にも乗りたい人にとって、成長テーマETFという位置づけになります。
組み合わせという考え方
この3本は、競合というより役割分担が可能です。
例として、安定収入を1577で、利回り補強を435Aで、成長枠として2080と組み合わせることで、 今の配当と 将来の増配、株価成長を同時に狙う構成になります。
まとめ:ETFは性格とコストで選ぶ
| ETF | 一言でいうと |
|---|---|
| 1577 | 高配当の教科書 |
| 435A | 動く高配当ETF |
| 2080 | 日本株改革ETF |
同じ日本株ETFでも、何をリターン源泉にするのか、どの時間軸で儲けるのか、どこにコストを払っているのかは全く違います。
重要なのは、自分の目的(配当か、成長か、両方か)に合うかどうかです。
ETFを選ぶとは、どの日本株ストーリーに賭けるかを選ぶことでもあります。自身の目的に合ったETFを選択していきたですね。
一つ一つの記事の詳細は以下記事にてご覧ください。



