祝日ですね~。朝から気持ちもゆったりとしています。
さて、FIREを目指すうえで、資産形成と同じくらい大切なのが、FIRE達成後のお金のリスクについて考えておくことです。
目標金額に到達し、仕事を辞めることができたとしても、その後の人生は数十年続きます。
株価の暴落、物価の上昇、予想外の支出など、会社員時代には給与収入で対応できていた問題も、FIRE後には資産や収入に直接影響してきます。
では、実際にFIREを達成した人や、FIREを目指して資産形成に取り組んでいる人たちは、どのようなリスクを想定しているのでしょうか。
先週のFIRE自己紹介では、次の2つがお題として取り上げられました。
- FIRE後のお金のリスクを3つ挙げるなら?
- それぞれのリスクに、どのように備える?
今回は、このイベントに寄せられた参加者の意見を匿名で整理しながら、FIRE後に想定しておきたいお金のリスクと、その対策について考えてみたいと思います。

1.FIRE後に想定されるお金のリスク
今回の交流イベントでは、さまざまなリスクが挙げられました。
投資に関するものから、社会制度の変化、健康問題、予想外の出費まで、その内容は多岐にわたります。
まずは、参加者から多く挙がったリスクを整理してみます。
| リスク | 想定される問題 |
|---|---|
| 株価暴落 | 資産評価額の減少、売却時の損失 |
| 減配・無配 | 配当金収入の減少 |
| インフレ | 生活費の上昇、資産の実質価値低下 |
| 不正アクセス | 証券口座の乗っ取り、資産流出 |
| 想定外の支出 | 医療費、介護費、住宅修繕、災害など |
| 税制・社会保険の改正 | 税負担や社会保険料の増加 |
| 長生き | 老後の資産枯渇 |
| 収入源の消失 | 副業や事業収入の減少・停止 |
この中でも、特に目立ったのが、株価暴落・インフレ・不正アクセスの3つです。
それぞれ、実際の参加者がどのような備えを考えていたのか見ていきます。
2.リスク① 株価暴落・減配
FIRE後のお金のリスクとして、やはり多く挙がったのが株式市場の暴落です。
FIREを達成した後にリーマンショックのような大暴落が起きたらどうなるでしょうか。
資産評価額が大きく減少するだけでなく、保有銘柄によっては減配や無配も発生する可能性があります。
特に、資産を取り崩しながら生活する人にとっては、リタイア直後の暴落が大きな問題になります。
度々このブログでも登場する、シーケンスリスクです。
例えば、同じ平均リターンで運用できたとしても、資産を取り崩し始めた直後に大きな下落が発生すると、安値で資産を売却せざるを得なくなります。
その結果、後から市場が回復しても、資産の回復が難しくなる場合があります。
実際に挙がった備え
参加者からは、次のような対策が挙げられていました。
興味深かったのは、現金を数年分確保するという意見が複数見られたことです。
暴落時に生活費のために株式を売却しなくて済むよう、あらかじめ現金を準備しておく考え方です。
また、高配当株を中心に運用している参加者からは、株価が下落しても配当収入が必ずしも同じ割合で減少するわけではないという意見もありました。
3.リスク② インフレ・物価上昇
2つ目は、インフレです。
これはFIRE後の生活に直接影響するリスクです。
仮に現在、年間500万円で生活できていたとしても、物価が上昇すれば同じ生活水準を維持するために、より多くのお金が必要になります。
例えば、物価が毎年2%ずつ上昇した場合、30年後には現在と同じ商品やサービスを購入するために、約1.81倍のお金が必要になります。
| 経過年数 | 現在の500万円に相当する生活費 |
|---|---|
| 現在 | 500万円 |
| 10年後 | 約610万円 |
| 20年後 | 約743万円 |
| 30年後 | 約906万円 |
FIREを40代や50代で達成した場合、その後の人生は非常に長くなります。
現在の生活費だけを基準に資産計画を立ててしまうと、将来的に資金が不足する可能性だってあります。
実際に挙がった備え
参加者からは、次のような意見がありました。
特に、現金だけで資産を保有するのではなく、インフレに対応できる株式などを持ち続けるという考え方は重要になります。
現金には価格変動がないというメリットがありますが、長期的には購買力が低下する可能性があります。
FIRE後も資産運用を継続することには、資産を増やすだけでなく、インフレから生活を守るという意味もあります。
4.リスク③ 不正アクセス・証券口座の乗っ取り
今回の交流イベントで、個人的に印象に残ったのが不正アクセスに関する意見です。
以前から存在するリスクではありますが、証券口座の乗っ取りや不正売買などの問題が注目される中で、FIRE後の資産管理においても無視できないテーマになっています。
せっかく長い年月をかけて築いた資産も、証券口座を不正に利用されてしまえば、大きな損失につながる可能性があります。
しかも、これは株価暴落やインフレとは違い、自分自身のセキュリティ対策によってリスクを軽減できる部分があります。
実際に挙がった備え
参加者からは、次のような対策が挙げられていました。
中には、複数の証券会社に口座を分けて管理している参加者もいました。
一つの証券会社にトラブルが発生した場合でも、すべての資産に影響が及ぶことを避けるという考え方です。
投資先の分散だけでなく、資産を管理する場所の分散も意識する必要がありそうです。
5.その他にも挙がったFIRE後のお金のリスク
今回の交流イベントでは、上記の3つ以外にもさまざまな意見がありました。
① 想定外の支出
医療費、介護費、教育費、住宅の修繕費、災害などです。
FIRE後は給与収入がなくなるため、突然の大きな出費に対応できる資金を確保しておく必要があります。
参加者からは、現金バッファを厚めにすることや、健康管理を意識することなどが挙げられていました。
② 税制・社会保険制度の改正
税金や社会保険料の負担増加、年金制度の変更などもリスクとして挙げられました。
特に日本では、FIRE後の働き方によって加入する社会保険制度や負担額が変わります。
マイクロ法人の活用を検討する意見や、制度変更に備えて資金的な余裕を持つという意見がありました。
③ 長生きによる資産枯渇
FIRE後の人生が想定より長くなることもリスクです。
40代でFIREした場合、そこから50年以上生活する可能性もあります。
資産を取り崩す場合は、長期的な資産寿命を考えなければなりません。
一方で、資産を残すことばかり考えて、自由な時間を十分に楽しめないのも考えものです。
参加者からは、DIE WITH ZEROを意識しながら、好きな仕事を続けるという意見もありました。
④ 収入源の消失
サイドFIREや副業収入を前提にしている場合、その収入がなくなる可能性もあります。
事業の不振や仕事の契約終了など、想定していた収入が得られなくなるリスクです。
そのため、収入源を一つに限定しないことや、必要に応じて働ける状態を維持しておくという考え方もありました。
6.FIRE後のお金のリスクに、どう向き合うべきか
今回の交流イベントを通じて感じたのは、FIRE後のお金のリスクに対する考え方は、人によってかなり違うということです。
株式の値上がりを重視する人もいれば、配当金を重視する人もいます。
現金を数年分確保する人もいれば、少し働くことで収入を補うことを考えている人もいます。
ただし、共通している考え方もあります。それは、一つの方法に依存しすぎない点。
株式投資だけに頼らず、現金も確保する。配当金だけに頼らず、必要なら資産の取り崩しも検討する。
完全に仕事を辞めることだけにこだわらず、必要なら働く選択肢も残しておく。
FIRE後の生活を長く安定させるためには、こうした柔軟性が重要なのだと思います。
また、4%ルールについても注意が必要です。
4%ルールは米国の過去の市場データをもとに考えられた取り崩しの考え方であり、日本でそのまま再現できる保証はありません。
為替、税金、物価上昇、運用期間などによって結果は変わります。
日本でFIREするのであれば、取り崩し率を保守的に設定したり、相場や生活費に応じて取り崩し額を調整したりすることも検討したいところですね。
7.まとめ:FIRE後の安心は、資産額だけでは決まらない
今回の交流イベントでは、FIRE後に想定されるさまざまなお金のリスクと、それぞれの備えについて、多くの意見が寄せられました。
特に多く挙がったのは、次の3つでした。
- 株価暴落・減配
- インフレ・物価上昇
- 不正アクセス・証券口座の乗っ取り
そのほかにも、想定外の支出、税制や社会保険制度の変更、長生きによる資産枯渇など、考えておくべきことは少なくありません。
FIREは、単に仕事を辞めることがゴールではありません。
仕事に依存せず、自分や家族の時間を大切にしながら、長く安心して暮らしていくことが本来の目的だと思います。
そのためには、資産を増やすことだけでなく、築いた資産をどのように守り、活用していくのかも考えておく必要があります。
今回の交流イベントを通じて、改めてFIRE後のリスクについて考える良い機会になりました。
すべてのリスクを完全になくすことはできません。
だからこそ、複数の備えを持ち、状況に応じて柔軟に対応できる状態をつくっておくことが大切だと考えさせられました。
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