R>Gという言葉を聞いたことがあるでしょうか。いや、聞いたことが無いという人はいないでしょう…。笑
フランスの経済学者トマ・ピケティが著書『21世紀の資本』で示した考え方で、簡単にいえば、資本から得られる収益率(R)が、経済成長率(G)を上回るというものです。
資本を持っている人は、その資本から収益を得られます。一方、労働による収入は、基本的には自分の時間や労力を提供することで得られます。
この違いが長期的に積み重なると、資産を持つ人と持たない人の間で、経済的な格差が広がりやすくなるという考え方です。
ただ、理論として理解することと、自分自身の資産形成を通して実感することは別です。
私は地方で働くサラリーマンとして、長年、給料から投資資金を捻出し、株式やETFなどに投資を続けてきました。
その結果、税引き後の年間配当金は500万円に近づいています。
今回は、これまでの投資経験を振り返りながら、私にとってR>Gになるとはどういうことなのか、そして、いつから資産の力を実感できるようになるのかを考えてみます。

1.R>Gとは、資産を持つ人が有利になりやすいということ
まず、R>Gの意味を整理しておきます。
RがGを上回る状態が長く続くと、資本から得られる収益によって、資産を持つ人の財産が経済全体の成長以上のペースで増える可能性があります。
ただ、R>Gは、配当金が給料を超えることを意味する言葉ではありません。資本収益率と経済成長率を比較する考え方であり、個人の配当金と給料を直接比較する話とは異なります。
ただ、個人投資家として資産形成を続けていると、資本が収益を生み出す仕組みを実感する場面があります。
株式を保有していれば、働いていない時間にも配当金が生まれます。受け取った配当金を再投資すれば、保有株数を増やし、将来の配当金をさらに増やすこともできます。
自分が働いて得たお金が資産になり、その資産が新たなお金を生み出す。この循環が続くことに、資本を持つ意味があると感じています。
2.配当金は、最初から大きかったわけではない
私の配当金も、最初から大きかったわけではありません。
投資を始めたころは、将来、年間数百万円もの配当金を受け取れるようになるとは想像していませんでした。〈詳しくはこちらの記事にて〉
それでも、給料から投資資金を捻出し、株式やETFを購入し、受け取った配当金を再投資するというこの積み重ね作業を続けてきました。
配当金が増えてきた背景には、いくつかの要因があります。
| 要因 | 資産形成への影響 |
|---|---|
| 給料からの入金 | 投資元本を増やす |
| 配当金の再投資 | 資産が収益を生む循環をつくる |
| 投資を続けた時間 | 資産や配当金が育つ時間を確保する |
| 企業やETFの増配 | 保有資産から得られる配当金が増える |
どれか一つだけで、ここまで来られたわけではありません。
投資を始めたころは、入金によって資産を増やす意味が大きかったと思いますが、資産が大きくなるにつれて、保有資産から得られる配当金の存在感も増していきました。
自分の労働によって資産をつくる段階から、つくった資産が収益を生み出す段階へ。少しずつ、資産形成の景色が変わってきたように感じます。

3.年間配当金は500万円に近づいた
私が資産形成を続けてきた中で、特に重視しているのが配当金です。
株価が上がれば資産額は増えますが、株価は日々変動します。一方、配当金は企業やETFの分配方針などによって変わるものの、実際に受け取る収入として把握できます。
そのため、私は資産総額だけでなく、年間の税引き後配当金を重要な指標として見ています。
2026年の税引き後配当金は、年間500万円に届かないくらいになる見込みです。
年間500万円という金額は、月平均にすると約41万7,000円に相当します。
毎月同じ金額が入金されるわけではありませんが、年間を通じてこれだけの収入を資産から得られるようになったことには、大きな意味があります。
会社から給料を受け取るのは、自分が働いているからです。
一方、配当金は、保有している株式やETFが収益を生み出すことで受け取れます。
実際に、5月や6月など、月によっては配当金が給料の手取り額を上回ることもあります。
初めて手取り給料をい超えた時にに感じたのは、もう働かなくてもいいやんという気持ちよりも、会社からの給料だけに頼らなくてもいいという安心感に近い気持ちでした。
給料が生活を支えてくれることに変わりはありません。
ただ、収入源が一つではなくなったことで、働くことに対する考え方が少しずつ変わってきたのです。
4.配当金が生活費に近づくと、働くことの意味が変わる
私にとって、資産形成の大きな目標の一つは、配当金で生活費をまかなえる状態をつくることです。
家族4人で暮らす我が家の年間支出は、これまでの家計管理では約500万円を目安にしています。〈実際にはそんなに使いませんが、多めに。〉
2026年の税引き後配当金は、その金額に近づく見込みです。
ただし、配当金が生活費に近づいたからといって、すぐに仕事を辞めていいとは考えていません。
将来の教育費や生活費の変化、予期せぬ支出、配当金の減少なども考える必要があります。資産の取り崩しや現金の備えについても、慎重に考えたいところです。
それでも、資産から得られる収入が生活費に近づいていることは、私にとって大きな変化です。
以前は、生活費を得るために働くことが当然でした。
今も給料は大切な収入源ですが、資産から得られる収入が増えるほど、働くことだけに生活を依存しなくてよくなります。
そして、私が目指しているのは、必ずしも一切働かない生活ではありません。
FIRE後も、社会とのつながりを保つために、週2〜3日程度の軽い仕事をすることには関心があります。
大切なのは、生活費を稼ぐために働かざるを得ない状態から、自分の意思で働き方を選べる状態へ移ることです。
資産形成によって得たいのは、お金そのものだけではありません。
働くか、働かないか。どのくらい働くか。自分の時間を何に使うか。そうした選択肢を持つことです。
5.資産形成で大切だったのは、相場にかかわらず続けること
ここまで配当金が増えてきたのは、決して順調な相場だけを経験してきたからではありません。
株価が大きく下がれば不安になります。自分の資産が減っていくのを見るのは、気持ちのいいものではありません。
特にコロナショックは焦りや不安、冷や汗が体をつたうのを感じました。
投資を続けていても、本当にこのままでいいのだろうかと考えることはあります。
それでも、私は投資を淡々と続けてきました。
相場が良いときだけ投資をして、悪いときにはやめてしまう。その繰り返しでは、長期的な資産形成は難しくなります。
どんな状況でも無条件に買い続ければいいという意味ではありません。生活防衛資金を確保し、自分が許容できるリスクの範囲で投資を続けることが前提です。
そのうえで、短期的な株価の動きに振り回されすぎず、長い時間を味方につける。
給料からの入金を続け、配当金を再投資し、増配の恩恵を受けながら資産を育てていく。
この積み重ねが、今の配当金につながっていると考えています。
投資を始めたころには、将来の配当金がここまで大きくなるとは想像できませんでした。
だからこそ、資産形成では、今すぐ大きな成果が出るかどうかだけで判断しないことが大切だと思います。
6.R>Gになるのは、いつなのか
では、R>Gになるのはいつなのでしょうか。
経済学上のR>Gは、資本収益率と経済成長率の関係を表すものです。そのため、個人の資産がいくらになればR>Gになる、と一律に決められるわけではありません。
一方、私自身の資産形成という視点で考えるなら、資産から得られる収入が生活費をまかなえる水準に近づいたとき、資本の力を強く実感できるのだと思います。
配当金が数千円、数万円だったころと、年間数百万円になった今とでは、同じ配当金でも意味が違います。
金額が増えたことだけではありません。
資産から得られる収入が増えるにつれて、給料に依存する度合いが下がり、将来の働き方を考える際の選択肢が増えていくからです。
私にとって重要なのは、資産総額がいくらになったかだけではありません。
年間の配当金がいくらあるのか。その収入で生活費のどこまでをまかなえるのか。そして、将来の支出にも対応できる余裕があるのか。
こうした点を確認しながら、資産形成を続けています。
資産が増えても、生活費が増え続ければ自由は遠のきます。反対に、生活水準を無理に切り詰めず、資産から得られる収入を育てていけば、少しずつ働き方を選べる可能性が高まります。
R>Gという理論を知ることも大切ですが、個人投資家としては、資本が生み出す収益を自分の生活にどう結びつけるかが重要なのではないでしょうか。
まとめ:資産が働いてくれる状態を目指して
投資を始めたころ、年間500万円近い配当金を受け取れるようになるとは想像していませんでした。
給料から投資資金を捻出し、配当金を再投資し、相場が不安なときも投資を続けてきた。その積み重ねが、今の収入につながっています。
資産形成には時間がかかります。必ず成果が出る保証もありません。
それでも、自分が働いて得たお金を資産に変え、その資産が収益を生み出す循環をつくることには、大きな意味があると感じています。
私が目指しているのは、単に資産を増やすことではありません。
資産から得られる収入で生活を支え、会社の給料だけに依存せず、自分の時間を自分で決められるようになることです。
働くことを否定したいわけではありません。働きたいと思えば働き、別のことに時間を使いたいと思えば、そちらを選べるようになりたいのです。
そのために、これからも配当金を育てていきます。
資産形成の本当の成果は、資産額の大きさだけではなく、自分の人生を選べる余地がどれだけ増えたかにあると、私は考えています。
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