FIREを目指す投資家にとって、毎月安定した分配金を受け取れる金融商品は非常に魅力的です。
毎月、証券口座にお金が振り込まれ、そのお金で生活費を賄い、給料に頼らずに暮らしていく。
資産を取り崩すことなく、分配金だけで生活できるようになれば、経済的自由を実現したと実感できるでしょう。
私自身、JEPIやJEPQを長らく保有しています。最近では、563Aも4,000株まで買い増しました。いわゆるカバードコール系の商品です。
いずれも、私の年間配当金を増やすうえで貢献してくれた、してくれている商品です。
超高配当ETFには、普通の高配当ETFにはない魅力があります。
しかし、これらの商品を保有し続けているからこそ、感じていることもあります。
超高配当の毎月分配型ETFだけを主力にしてFIREするのは、少し怖いという心もとないという点です。
これらの商品が悪いと言いたいわけではありません。私自身が保有しているくらいですから、その魅力は十分に理解しています。
ただし、FIRE後の生活を長期にわたって支える資産として考えると、分配金の高さだけで判断するのは危険だと感じています。
今回は、私が超高配当ETFだけでFIREすることに不安を感じる理由と、FIRE後の資産形成において、増配系ETFを土台にしたいと考えている理由について書いていきます。

1.超高配当ETFは、今の配当金を増やすのに魅力的
まず、超高配当ETFの魅力について整理しておきます。
私が保有しているJEPIやJEPQは、オプション戦略などを活用してインカム収入を生み出すETFです。
また、563Aも、分配金収入を重視する投資家にとって注目される商品です。
こうした商品を保有するメリットは、やはり分配金の大きさにあり、FIRE後もしくはFIREを控えた時期においては狙いと合致する商品です。
一般的な高配当ETFと比較して、相対的に高い分配金利回りが期待できます。
保有資産から得られる収入が増えれば、FIRE後の生活費を配当金で賄いやすくなります。
例えば、年間の生活費が500万円だとしましょう。
税引き後の配当金が年間500万円あれば、単純計算では配当金だけで生活費を賄えますが、税引き後の配当金が年間300万円であれば、残りの200万円を労働収入や資産の取り崩しなどで補う必要があります。
そう考えると、保有資産から得られる分配金を増やすことには、大きな意味があります。
私自身、年間配当金を増やすためにJEPIやJEPQを保有してきました。毎月のように分配金が入ってくるのは、やはりうれしいものです。
FIREを目指す人にとって、資産から収入が生まれる仕組みをつくることは、経済的自由に近づくための一つの方法だと思います。
ただし、ここで考えておきたいことがあります。
それは、今の分配金が多いことと、10年後、20年後も安心して生活できることは、必ずしも同じではないということです。
2.分配金は魅力的でも、大きな増配や値上がりを期待しにくい
私が超高配当ETFを主力にすることに不安を感じる理由の一つが、将来的な分配金の成長や資産価格の上昇についてです。
JEPIやJEPQは、オプション戦略などを活用してインカム収入を生み出す仕組みを持っています。
そのため、分配金の水準は市場環境やオプション収入などの影響を受けます。
毎月分配型だからといって、毎月同じ金額が振り込まれるわけではありません。将来の分配金が保証されているわけでもありません。
また、オプション戦略を活用する商品は、その仕組み上、原資産の値上がり益をすべて享受できるとは限りません。
特に、強い上昇相場では、オプション戦略を持たない商品と比較して値上がりが抑えられる場合があります。
相場環境によって結果は異なるので、高い分配金を受け取りながら、基準価額や株価が上昇する局面もあるかもしれません。
それでも、私が長期保有するなかで重視しているのは、今の分配金だけではありません。
将来、受け取れるお金が増えていくか。そして、資産そのものも成長していくか。
超高配当ETFは、現在のキャッシュフローを充実させるうえで魅力的です。
一方、長いFIRE生活を考えると、分配金の高さだけでなく、将来的な分配金の成長や資産価格の推移にも目を向ける必要があります。
仮に、今の分配金が十分に多くても、その金額が長期間にわたってほとんど増えなかったらどうでしょうか。
FIRE直後は問題なく生活できても、10年後、20年後には事情が変わっているかもしれません。
物価が上昇すれば、同じ生活を維持するために、より多くのお金が必要になります。
年間500万円で生活できていた家庭でも、将来は600万円、700万円が必要になる可能性があります。
そのとき、分配金が増えていなければ、生活費との差額を別の方法で補わなければなりません。
FIREは、達成した瞬間がゴールではなく、その後の人生を、何十年にもわたって支えていく必要があります。
だからこそ私は、現在の分配金の大きさだけでなく、将来に向けた成長も重視したいと考えています。
3.土台にしたいのは、増配系ETF
では、FIRE後の生活を支える資産として、私が土台にしたいのは何か。
やはりそれは、増配を期待できる高配当ETFです。
米国株なら、VYMやSCHD。日本株なら、1489や1698といったETFです。
無論これらの商品も将来の増配や値上がりが保証されているわけではなく、減配や株価下落が起こる可能性もあります。
それでも、私がこうしたETFを重視するのは、現在の分配金だけでなく、長期的な配当成長や資産の成長も期待して投資できるからです。
米国株の土台はVYMとSCHD
VYMは、米国の高配当株に幅広く分散投資できるETFです。
SCHDは、配当の質や財務面などを重視した銘柄選定が特徴のETFです。
どちらも投資対象や選定方法は異なりますが、私は米国株の配当収入を長期的に育てていくうえで、魅力的な選択肢だと考えています。
私自身、VYMを保有し、買い増しを続けています。
また、SCHDについても、楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンドへの積立投資を継続しています。
超高配当ETFのように、現在の分配金利回りの高さを最優先するのではなく、配当を生み出す企業への分散投資を通じて、将来の配当収入も育てていきたいからです。
仮に、今の配当金が十分に多くなくても、長期的に企業の利益や配当が成長すれば、将来受け取れる配当金が増えていく可能性があります。
実際にどの程度増配するかは将来にならなければわかりませんが、それでも、今の収入を確保するだけでなく、将来の収入を育てるという考え方は、長いFIRE生活と相性がよいと考えています。
日本株の土台は1489と1698
日本株では、1489や1698等を保有しています。
1489は、日経平均高配当株50指数に連動するETFです。
1698は、東証配当フォーカス100指数に連動するETFです。
どちらも日本株の配当収入を得るために活用できる商品ですが、連動する指数や銘柄の選定方法は異なります。
日本株にも、利益成長や増配を期待できる企業があります。そうした企業に分散投資するETFを保有することで、現在の配当金を受け取りながら、将来の配当収入の成長も目指していきたいと考えています。
私にとって、1489や1698は単に現在の配当金を受け取るためだけの商品ではありません。
長期的に配当収入を積み重ね、FIRE後の生活を支える資産の一部です。
超高配当ETFで現在の収入を充実させながら、増配系ETFで将来の収入も育てていく。
この組み合わせが、私の考える配当金投資の基本です。
4.FIRE後は、今の配当金だけでなく将来の配当金も考えたい
年間配当金が300万円から400万円になった。400万円から500万円になった。そして、600万円に到達。
こうした数字が増えていくのは、投資を続けるうえで大きなモチベーションになります。
私自身も、年間配当金を重要な指標として投資を続けてきました。
しかし、FIRE後の生活を考えると、現在の配当金だけで判断するわけにはいきません。
FIREした後も、人生は続いていきます。
40代でFIREした場合、その後の生活は30年、40年、あるいはそれ以上になるかもしれません。
その間には、物価の上昇もあれば、相場の低迷もあるでしょう。
家族の生活費が変化したり、予想外の支出が発生したりすることも考えられます。
そうした状況に対応するためには、現在の配当金が十分にあることに加えて、将来的な配当金の成長も期待できる資産を持っておきたいところです。
例えば、現在の税引き後配当金が年間500万円だとします。
この500万円で生活できるとしても、20年後も同じ500万円で十分とは限りません。
仮に物価が年2%ずつ上昇した場合、20年後に現在と同じ購買力を維持するためには、年間約743万円が必要になります。
実際の物価上昇率は一定ではないものの、長期的なインフレを考えると、現在の配当金の金額だけでなく、将来的にどこまで成長していく可能性があるのかを考えることは重要です。
だからこそ、私は超高配当ETFだけに資産を集中させるのではなく、増配系ETFも保有しておきたいと考えています。
今の生活を支える配当金と、将来の生活を支える配当金。
この両方を意識して資産を構築していくことが、長期的なFIRE生活の安心につながると思っています。
5.超高配当ETFは不要なのか?
ここまで読むと、超高配当ETFは保有しないほうがよいと思われるかもしれません。
しかし、私の考えは違います。JEPIやJEPQは、現在のキャッシュフローを充実させるための選択肢です。
私自身、長らく保有していますし、最近では563Aも4,000株まで買い増しました。
これらの商品を通じて、年間配当金を増やしていくことには意味があると考えています。
大切なのは、超高配当ETFを保有すること自体が問題なのではなく、ポートフォリオのどの部分を担わせるのかということです。
例えば、増配系ETFを資産の土台に据え、そのうえで超高配当ETFを組み合わせる。
そうすれば、現在のキャッシュフローを充実させながら、将来の配当成長も目指せます。
一方、ポートフォリオの大部分を超高配当ETFに集中させた場合、商品の仕組みや市場環境によっては、期待していた資産成長を得られない可能性があります。
ただ、増配系ETFを中心に保有すれば必ず安心というわけでもありません。株価の下落はありますし、減配が起こることもあります。
どのような商品を選んでも、将来の結果を確実に予測することはできません。
だからこそ、異なる特徴を持つ商品を組み合わせ、それぞれの役割を明確にしておくことが大切だと考えています。
超高配当ETFは、現在の収入を支える役割。
増配系ETFは、現在の収入を確保しながら、将来の配当成長も目指す役割。
このように役割を分けて考えることで、それぞれの商品の魅力を生かしやすくなります。
6.まとめ:FIREするなら、今の配当金だけでなく将来の配当金も育てたい
超高配当の毎月分配型ETFは、魅力的な商品です。
毎月のように分配金が入ってくることは、FIREを目指すうえで大きな安心感につながります。
ただし、現在の分配金が多いからといって、将来にわたって安心できるとは限りません。
分配金の水準が変動する可能性もあれば、資産価格が思うように成長しない可能性もあります。
特に、何十年にもわたるFIRE生活を考えるなら、現在の収入だけでなく、将来の収入についても考えておきたいところです。
私が土台にしたいのは、米国株ならVYMやSCHD、日本株なら1489や1698といったETFです。
こうした商品を中心に据えながら、JEPIやJEPQ、563Aなども活用し、現在の配当収入と将来の配当成長の両方を目指していきたいと考えています。
FIREは、達成すること自体が目的ではありません。
FIREした後の人生を、安心して、そして自分らしく過ごしていくことが大切です。
そのためには、今の配当金を増やすことだけでなく、10年後、20年後、さらにその先の配当金についても考えておく必要があります。
今の配当金を増やすことと、将来の配当金を育てること。
この両方を意識しながら、自分に合ったポートフォリオをつくっていきたいと思います。

